ITで介護をアシストする - 愛Tは介護を救う か? -

いま団塊の世代が老親の介護する立場になっている。高度成長を支えてきた団塊の世代は、同時に故郷を離れ中央で経済の高度成長を支えてきた。
そのため、生活の拠点を老親の住む生まれ育った故郷から離れた所に構えることになった。地方から高校卒業と同時に就職した者や、中央に偏在していた大学に入学しその地で就職した者など事情の違いはあれ、遠く離れた地にいる老親に介護が必要となったときに介護をどのように担うのか大きな問題になっている。
老親を引き寄せるか、早期退職して介護のためにUターンするか、遠距離を介護のために通うか、いずれにしても現在の生活様式を大きく変えることを迫られる。2000年に成立した介護保険法は、介護の社会化をめざしたものの家族の存在を前提にしていることは変わらなかった。

一方、現在ITが進み情報伝達のスピードと量は飛躍的に増加し、ビジネスではITを抜かして考えられなくなっている。しかし介護業界はこの流れからは取り残されているように見える。
その原因の一つには介護は優れて身体的ふれあいを重視することが挙げられる。身体介助の折に手袋が必要な場合でさえ、利用者の肌に直に触れることをよしとする傾向がある。
次いで介護従事者の多くがパソコンの操作に不得意であることがある。さらにパソコンに向かっているより入所者と相対していることが仕事だと見られる雰囲気がある。

介護保険が導入されて以来、インターネットによる情報公開やネットを通じて介護報酬請求を行い、記録や利用者管理の必要性から様々なソフトが開発されているが十分に活用されていない。複雑すぎる介護報酬給付管理をこなすためにケアマネージャー向けのソフトが活用されているが、ケアマネは煩雑な事務処理に追われている。

たとえIT化が進んだとしても、介護は個別の援助活動であることに変わりはない。むしろ、きめ細かな配慮ができるように介護を「アシスト」するツールとして次の7項目のIT化を提案する。