U.利用者を支える

@本人の安否確認と認知症など心身の変化を早く発見する

  • センサーを利用して本人の運動量や位置情報を収集して異常を判断し伝える。
  • テレビ画面など情報が映せる機器により、服薬や介護サービス利用などの予定の情報を利用者に伝え、計画と異なる行動をした場合に間違いを早めに伝える事が出来る。
  • 役所からの通知や書類などが送られてきても理解しづらいために電話で子供やケアマネなどに相談する人が多い。
    電話では書類の内容が解らないため訪問することになる。
    また悪質な商法の手紙や書類が届くこともあり、そのような時に利用者宅のカメラで撮影して事務所から見ることによって適切なアドバイスが出来る。

目的・メリット

  • 本人の移動を感知できるセンサーにより運動量を計測して異常を発見できる。
    例えば、骨折や筋力低下などの運動器の異常や、うつや認知症など精神的疾患により外出しなくなっている。
  • 運動量が低下による心身の機能低下を予防することができる。
  • 運動する時間帯の変化により、昼夜逆転や不眠などに気づく。
  • 通院受診をしなくなる、あるいは頻繁に受診するようになったことなど行動の変化から新たな病気や服薬忘れなどに気づく。
  • 移動範囲がいつもと違う場合に徘徊のはじまりや迷子になることを気づく。
  • 当日と翌日の日程、デイサービスやヘルパーの訪問、通院などの予定を本人に知らせる事により不安感が解消できる。
  • 薬を定時に出す機械ができれば薬の飲み忘れを防ぐことが出来る。(ペットの給餌機をイメージ)

必要な機材・環境

  • 体の動きを感知するセンサー、データを集約し伝達するする端末、データを受信するパソコン・端末、家族がデータを受け取る端末(携帯電話で可)携帯電話の万歩計機能を使って歩数を送ることが出来ればセンサーと端末の両方で使える。
  • 体の動きを感知するセンサー センサーと発信器を内蔵(本人の身につけるもの―ペンダント、腕時計、お守りなど―にセンサーと発信器を内蔵し、自宅のパソコン等を中継して事務所にデータを送る)センサーと発信器が別(ゲーム機に採用されているような赤外線や音波などで人の動きを感知するものを使う。
    指輪などにICタグをつけて電波にて移動を感知。
    ベッドやいすやトイレ、玄関などにセンサーを設置しICタグの通過を認識し移動量を推定する。
    健康状態を把握するトイレや体調管理できる体重計、ポットなど既製品とつなぐことが出来ればもっと活用できる。
    共通のインターフェイスが出来るか疑問。Bluetoothなども使えるとプロトコルの共通化が進められる。)
    屋外で感知する場合は紛失や持って行くことを忘れるのを防止するために杖や歩行器にセンサーを組み込む必要がある。
    このことを考えるとセンサーと発信器には安価で丈夫という条件が付く。
  • センサーの充電忘れや電池切れ。携帯電話の充電切れを通知する。
    (auのマモリーノでは管理者に充電の通知が届くサービスがある。)
  • 赤外線を使って、エアコンやテレビ、扇風機などの家電製品をリモートコントロールできる。
    パソコンの立ち上げと操作はネットワーク経由で出来るので定期的な起動以外に、家族からも本人宅の端末を遠隔で操作できる。

問題

  • センサーの開発、現在ある機器の活用…赤外線センサー、セキュリティー用センサー、携帯のGPS機能、火災報知器。 ライブカメラから移動を感知する
    プライバシーを守れるか。
  • 盗難や火災などの被害に対する責任
  • 中継局として本人宅にパソコンまたは双方向性の光電話などが必要…企業にとっては逆に新たな顧客を獲得できる
  • 本人が監視されていると意識しない工夫が必要
  • 家電製品の遠隔操作は、漏電や使用電流、扇風機やエアコンのカバーが外れているかなどの確認が必要なので慎重さが必要。

※認知症のはじまりでは異常な行動や運動量の減少が見られる。
徘徊などの異常事態を発生する前に発見し早期に受診させることが重要とされている。
軽度の認知症では、本人は何かおかしいと感じて、物忘れによる失敗を非常に恐れる。


A認知症の進行を遅らせる

  • テレビ電話形式で定期的に家族と会話する。
  • 遠くにいる親戚や友人と会話する。
  • 生まれ育ったところや若いときに働いた職場などを取材し動画や写真で見る

目的・メリット

  • 認知症や鬱病などに有効と言われている認知療法、RO法に一つとして使える。
  • 昔の写真や動画、育った風景、古い友人との会話を使って回想療法として使える。
  • アルバムの写真、症状、育った家や環境、子供、仕事の成果などを資料としてまとめることでセンター方式によるその人の理解ができる。また職員が本人に話しかけるきっかけができるので会話の機会が増える。
  • 以上のような療法の効果があるか研究し結果が認められた場合は、医療費抑制や介護予防事業として市町村の補助金が得られる。
  • 軽度認知症の進行を遅らせる効果が期待できる。
  • 物忘れによる同じ話の繰り返しがあっても、時間が限られるため本人の相手ができる。
  • 会話の相手として孫や友人、兄弟や子供と多くの人が参加できる。

必要な機材・環境

  • テレビ会話では情報端末をはじめ施設入所中であればテレビなど活用できる。
  • 故郷の取材のためにはデジタルビデオカメラ、携帯電話やスマ―フォン、カメラ付きのタブレット端末やノートパソコンを使用する。
    取材する人は大学生などのアルバイトや契約している施設、プロバイダーの職員などが考えられる。
    交通費などは契約者の実費負担。

問題

  • 研究の場合効果の検証、対象以外の者との比較検証ができない。
  • 取材のための人員が必要
  • 認知症がある場合や寝たきりの人が他人と会話するときには、子供や家族がそのような姿を他人に見せるのを嫌がらないだろうか。