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釈迦如来(しゃかにょらい) |
釈迦如来といえば当然のことながら、仏教の開祖釈尊の事です。
釈迦涅槃像なんかで有名ですね。像の形から、横になってゴロゴロしてリラックスしているんだなあ、と思っていた方、あなたは恥をかく前にこのページに出会えてラッキーでしたね。涅槃とは、入滅つまりは死んで消滅すると言う事なのです。 ですから、外出しようとする時に、いくら奥さんの化粧が遅いからとはいえ「涅槃で待」ってはいけません。 釈迦如来像は、釈迦の人生をあらわしており、有名なものを見ていくと、まず「誕生仏」というものがあり、これは天地を指さした童子形であらわされます。
次の像容としましては、「樹下思惟(しゆい)像」があります。思惟とは「考えをめぐらせる事」で、釈尊が出家前に人や動物虫たちの悲しみやはかなさを知り、それをあわれんで樹下に思惟するのです。 そしてその次に、無常を感じた釈尊が城を抜け出して出家して、苦行を重ね、ガリガリになった姿の苦行像があります。
結局苦行では悟りを開けなかった釈尊ですが、さらに頑張って悟りをひらこうとします。それを見た悪魔達が邪魔をしにやってくるんですね。その悪魔達を菩提樹の下でやっつけてついに悟りをひらくのです。この時の姿を像にしたのが「降魔成道(ごうまじょうどう)像」です。この像は、左手を膝におき、右手は指先をのばして地面に触れる(これを触地印といいます)姿であらわされます。
その後、弟子達への説法教化が始まります。これが「説法坐像」で、最もポピュラーな釈迦如来像です。
釈迦の話に戻りますが、その後45年説法を続けてとうとう涅槃へと入るのであります。降魔成道は菩提樹、涅槃は沙羅双樹の下です。
そしてその釈迦を弟子達が棺に納めるんですが(これが仏滅です)、我が子の死を知り、天国から降りてきて悲しむ母摩耶夫人に、内より金棺を開いた釈迦が説法して慰めるんです。
この他にも釈迦の像はありますが、話すと長くなるので、とりあえずここまでとさせて頂きます。 最後に、釈迦如来像として有名なのは、法隆寺の釈迦三尊像でしょう。
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阿弥陀如来(あみだにょらい) |
よく聞くお経で「ナマンダブ。ナマンダブ。」てありますよね。
テレビなどで、恐い目にあった人がナントカの一つ覚えのように繰り返すあれです。 「ナマンダブ」は「ナムアミダブツ」と言っており、「南無阿弥陀仏」、つまりはこの「阿弥陀如来」の事なんですね。 ちなみに、「南無」とは仏の名前に冠して唱える言葉で、「うやうやしく礼拝する事」の意です。 この「ナムアミダブツ」という言葉は子供でも知っていますね。 このことからわかるように阿弥陀如来は、もしかしたら日本一メジャーな仏さまかもしれません。 野球に詳しくなくてもイチローは知っているようなものですかね。 そういえばイチローは、メジャーリーグに行ったメジャーな野球選手ですね。 「アミダ」というのは、サンスクリット語で無量寿、無量光という言葉の「アミターユス」「アミターバ」からきています。
この仏の事を書いた「無量寿経」によると、むかしむかしある所にインドの王様がいて、悟りを得ようと出家して「法蔵菩薩(比丘)」となり、衆生救済のために48の本願(誓いの事です)を立て、長い長い時を経てついにそれを成就し仏になったという話です。
阿弥陀仏の本願に、自分の名を唱える者は必ず極楽浄土に迎えるというものがあり、そのため、それを信じ阿弥陀仏の名を唱えれば極楽に往生できるという浄土教が広く民衆に広まっていったのです。
阿弥陀仏の姿の特徴は、ズバリ手の形です。定印(じょういん)を結んでいます。定印といういうのは、両手親指を合わせ、右手を左手の上に重ねる形です。
話がすぐに脱線してしまいますね。 皆さん大仏といえばどの大仏様を思い浮かべますか。
兎にも角にも、この2仏、呼び名は同じ「大仏」でも実は別の仏さまなのです。
「Bの鎌倉でお願いします。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(CM) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「正解っ!」 こんなにスペースとって何やってるんでしょうね。
阿弥陀如来にも釈迦如来のように「阿弥陀三尊像」がありまして、脇侍は聖観音、大勢至菩薩が務めております。 阿弥陀について語ればきりがないんですが、ここはそんなに詳しく研究するページではないので、割愛します。
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薬師如来(やくしにょらい) |
如来部の説明でちょこっと触れた通り、この仏は左手に薬壺を持っています。
けれど古い図像にはそうでないものもありますので、一概には断定出来ないんですけどね。 この場合、右手は施無畏印、左手は与願印をとります。印相(手の形)については釈迦如来の項をお読み下さい。 この「薬師如来」、詳しくは「薬師瑠璃光如来」ですが、病気平癒などの利益があり現在でも多く信仰されています。
薬師如来の脇侍は日光菩薩、月光菩薩です。「月光」は「がっこう」と読みます。「げっこう」と読んじゃうと、月光仮面のおじさんになってしまいます。
で、薬師如来には脇侍の他、眷属に十二神将(十二薬叉大将)という者達がいます。
それでは、順に紹介します。
さて、皆さんは何年でしたか?ちなみに私は「アジラ年」です。漢字は、「にんべんに爾」です。
あ、名前は経によって差があるので、この限りではないです。
ところで、薬師如来はサンスクリット語で「バアイシャジャグル・ヴァイドゥールヤプラバ」という舌を噛みそうな長い名前を持っています。落語の「じゅげむじゅげむ・・・」に通ずる所がありますね。
私も友人に聞くまでは知りませんでしたが、凄く長いですね。当のピカソ本人は覚えていたんでしょうかね。
ほとんど薬師如来と関係ない話だったような気がしますけど、気にせず次に行っちゃいます。 |
毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい) |
何を隠そう「奈良の大仏様」です。誰も隠していませんね。
「輝きたる者」を意味する、ありがたいお名前の仏さまです。 「華厳経」では、この仏は釈尊と同体で、それだけでなく全ての仏は毘盧遮那仏であると説いています。 東大寺の毘盧遮那仏ですが、現在までに数度の火災にあっており、聖武天皇発願時のものは、もはや蓮瓣(蓮弁。れんべん。台座の蓮の花の部分)のみなのです。
奈良の大仏造立に携わった者は延べ二百万人以上、国内全ての銅が用いられたといわれています。それほど巨大な仏像を造立出来たのは、ひとえに聖武天皇が類い希なる仏教信奉者だったからでしょう。
天皇で思い出したんですけど、昭和の時代に「熊沢天皇」なる妖しの人物が登場した事があるんですけど、彼はその後どうなったんでしょうか。確か「天皇は私だ」と裁判を起こしたんじゃなかったですかね。
話が脱線したついでに、さらに脱線させて頂きます。逆の逆は真なりです。
さて話は戻り、毘盧遮那仏の像容ですが、左手を膝の上に置き、右手は上げる説法の形をとっております。 |
大日如来(だいにちにょらい) |
大日如来は「摩訶毘盧遮那」といい、前の毘盧遮那如来をさらに発展させた、密教における最高の仏さまなのであります。
太陽を越える光明の持ち主ですから「大日如来」というわけです。 密教はこの仏が直接に説法したものであり、毘盧遮那仏の項でも述べましたが、全ての仏、菩薩、明王、天は大日如来の化現(けげん、姿を変え現世にあらわれる事)したものなのです。 曼陀羅(マンダラ)とは、その悟りの世界を図にあらわしたものなのです。
そのいわくつき(ついてません)の曼陀羅ですが、胎蔵界曼陀羅の大日如来は大悲を、金剛界曼陀羅は智慧をそれぞれあらわしています。
曼陀羅上で、この大日如来を中心に仏を配置したものを「胎蔵界五仏」「金剛界五仏」といいます。
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胎蔵界五仏 |
宝幢如来(ほうとうにょらい) |
宝幢如来と聞いてほうとうが食べたくなった方、山梨へ行って下さい。
この仏の由来は、「一切智の願いを先ず幢旗として四魔の軍衆を降伏するに名づけるといわれる。」らしいのですが、なんのことやらさっぱりです。 曼陀羅上、大日如来の上にいます。 ちなみに胎蔵界曼陀羅を見た時、「東方」は上にあります。 |
開敷華王如来(かいふけおうにょらい) |
そういえば、海部俊樹(漢字あってます?)なる総理大臣もいましたね。
その海部さんも老けられたことでしょう・・・ などと下らない事はおいといて、この名は「離苦三昧に往し、万徳花の如く開敷するに名づけた」そうです。 大日如来の南方、右側にいます。 |
無量寿如来(むりょうじゅにょらい) |
無量寿と聞いて、・・・・・すいません、なにも思いつきません。
こんな適当な私の話なのに、ここまで聞いて下さっているとは、感無量でございます。 えーこの仏はですね、阿弥陀如来の項をお読みになった方はわかっておられると思いますが、密教教理的解釈による阿弥陀如来の事です。 西方、大日如来の下に位置しています。 |
天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい) |
名前が抜群に格好いい仏さまです。
雷音ですよ。ライオン。がおーっ。 「形なく住処もなく、それでいて法を説き衆生を警悟せしめることあたかも天鼓の如き存在である。」という事です。 「天鼓」というのは「とう利天」(「とう」はりっしんべんに刀です。)にあるという太鼓の事で、打たなくても自然の素晴らしい音色を発するといわれるものです。とう利天は欲界六天の第二天で、須弥山(しゅみせん、世界の中心にあるという山)の頂上にあります。 仏の位置は、残った北方、左側です。 |
金剛界五仏 |
阿しゅく如来(あしゅくにょらい)(しゅくはもんがまえに人人人です。真ん中の人は1段上に上げます) |
この仏の独尊信仰は日本ではないのですが、像は作成されたようです。
金剛界曼陀羅における位置は、羯摩会(成身会)における大日如来の東方(金剛界では東方は下)です。 ただし、大日の真下は「金剛波羅密」「金剛薩た」と菩薩が続くので、その下です。 うーん、わかりにくいですね。すいません。ちなみに、羯摩会というのは、曼陀羅を見た時のど真ん中の部分です。 阿しゅく如来の姿は、左手で衣の角を持ち、右手は地面につける(触地印)をなしています。 |
宝生如来(ほうしょうにょらい) |
この仏も独尊信仰はありません。
指の間から、宝を生むというのに残念なことです。 そのような俗悪的な考えはいけませんね。 さてお姿は、左手は衣を持ち、右手は表を向け斜め横に垂らします。 さらにお身体の色は黄金色です。 南方(左側)に位置しています。 |
無量寿如来(むりょうじゅにょらい) |
おや、またまた登場、阿弥陀様です。
位置は西方(上)です。 |
不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい) |
衆生の教化の所作(動作や行為)を全て成就するから、不空成就如来なのです。
この如来はその徳の高さから、釈迦と同体とされます。 阿弥陀如来といい一人、二役も三役もこなしていますね。 左手を臍前に置き、右手の掌を前に上げた姿です。左手が衣を握っている像もあります。 大日如来の北方(右側)に位置します。 さて、五仏の紹介は終わりです。
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