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※このページは、四柱推命に詳しい方のための「おうち」占いの解説です。そのため、専門用語がたくさん出てきます。

・「おうち」占いのしくみ
 「おうち」占いは、四柱推命を簡略化したものと思ってもらえればだいたい当たります。「おうち」占いの各部屋は、四柱推命の次の項目と対応しています。
 「玄関」・・・生日天干
 「ダイニング」「書斎」・・・年柱の天干・蔵干の通変星
 「応接間」「リビング」・・・月柱の天干・蔵干の通変星
 「寝室」 ・・・日柱蔵干の通変星

「おうち」占いでは、これによって、「玄関」の生日天干と、月柱蔵干の通変星を中心とした通変星相互の関係で占いをしていくものです。また、生まれた季節と、生日天干との関係についても言及していきます。
つまり、「おうち」占いは、四柱推命の中でも重要な項目
 生日天干
 四時の吉凶
 五行の相生、相剋関係
をとりだし、それをできるだけ簡略に表現したものです。特に、通変星同士の苛烈な剋(陰陽不配偶の剋)を、直感的に理解できるように工夫したつもりです。
例えば、劫財→正財の剋は、「おうち」占いでは「クローゼット」と「金庫」の関係になり、次のように説明しています。
「クローゼットのそばに金庫があると、クローゼットに入れる洋服が欲しくなってついつい金庫からお金を出してしまう。」
多少苦しい部分もあるのですが、今までの「簡単な」四柱推命が、月柱蔵干のみで占ったり、十二運だけで占っていたのに比べると、より五行哲学の本質に近いのではないかと思っています。

・「おうち」占いと四柱推命の対応表

「玄関」−生日天干を表す

  盆栽      −甲
  サボテン    −乙
  ネオンサイン  −丙
  キャンドル   −丁
  大皿      −戊
  掛け軸     −己
  はく製     −庚
  ステンドグラス −辛
  金魚ばち    −壬
  花びん     −癸

 「各部屋」−それぞれの場所の通変星を表す。

  鏡台      −比肩
  クローゼット  −劫財
  冷蔵庫     −食神
  テレビ(ゲーム)−傷官
  電話      −偏財
  金庫      −正財
  シャンデリア  −偏官
  机       −正官
  エアコン    −偏印
  本棚      −印綬

・「おうち」占いで取り入れなかった項目
「おうち」占いでは、簡略化のため、四柱推命のかなりの部分を落としています。中には、「こんな大事なものを落としてもいいのか」というものもありますが、簡略化をかなり優先した結果なので、ある意味仕方ないのかもしれません。
「おうち」占いで落とした項目の主なものは次のとおりです。

 1 時柱
 2 十二運
 3 空亡
 4 特殊星(吉凶神殺星)
 5 十二支の支合、三合、冲
 6 納音(なっちん)

それでは、これらの項目を落とした理由について説明します。
1 時柱
 四柱推命では、時柱は「帰結の地」として、極めて重要であるとされています。このため、多くの推命家は、時柱がないものは四柱推命として認めないという方針をとっているようです。
 しかしながら、私は、以下の理由で、時柱が絶対必要という意見には反対です。

・四柱推命が作られた時代に、生まれ時刻までが正確に記録されていたとはとても思えません。また、現代ですら、生まれ時刻が分からない人は多いです。それに、四柱推命で、生まれ時刻を、出産のどの時点であるとしているのか(母体から少しでも出たときなのか、全部出たときなのか、へその緒を切ったときなのか、etc)が明確にされているとはとても思えません。このように、生まれ時間の定義も実証データも曖昧な状態で、時柱が大事だと言ったところで仕方がないと思うわけです。

・人間の運命に関わる生年月日の重要さは、生年、生月、生日、生時という順番で重要になっていると思われます。つまり、単位の大きいものほど運命に与える影響が大きいのです。極端に考えれば、石器時代に生まれた人と、自分と同じ年に生まれた人とを比べたとき、どちらの人の人生が自分の人生に似ているかを考えれば、この考えにも一里あることはわかると思います。

また、四柱推命では、年柱が幼年、月柱が青年、日柱が壮年、時柱が晩年の運勢を表すとなってますね。これはなぜかというと、運命への影響の大きい年柱は、その影響が人生の早いうちに現れる。だから幼年の運勢になる。逆に、影響の小さい時柱は、それが長い年月を経た後でないと影響を及ぼさない。だから晩年の運勢になる。そういうことだと思います。

 現実的に、生まれた時間が絶対必要というのであれば、多くの人が占えないことになって、学問的にはともかく実際に占う上では使いものにならないというのが、私の意見です。
 なお、私は、四柱推命をやる場合でも、生まれた時間が分からない場合は生年月日の三柱だけで占っています。

2 十二運
 十二運は四柱推命の重要な構成要素ですが、私は四柱推命をやる場合でも、あまり十二運には重きを置いていません。その理由は、次の通りです。
・基本的に十二運の強弱は蔵干の通変星の強弱とダブる。(蔵干が正気でない場合は必ずしもそうではないが、その場合は十二支の五行そのものを読んで判断した方が、より簡単でよいような気がする)
・十二運は十二支を人間の輪廻転生に当てはめているため、無理が来ている部分があるように思える。例えば、
 ◎土行(戊、己)の十二運は火行(丙、丁)と同じだったりする。
 ◎「甲」に対する「子」の十二運は沐浴だが、「子」は水行で、木行の「甲」に対して生の関係になるから、本来強い星でなければならないはずである。
 (「沐浴」は十二運星の中で、「墓」とともに最弱と言われている)
「おうち」占いで十二運を落とした理由のもう一つは、十二運は「動物占い」で既に取り上げられているという点もあります。

3 空亡
 空亡については、四柱推命の専門家の間でも意見が分かれているようですが、「ある程度は考慮する」という程度がいいのではないかと思っています。私は、四柱推命をやる場合でも、空亡はあまり考慮していません。
 今回「おうち」占いでは、簡単のために削除することにしました。

4 特殊星(吉凶神殺星)
 四柱推命の特殊星は200以上もあると言われていますが、四柱推命の専門書の多くには、「特殊星に拘泥することはよくない」と書いてあります。とはいえ、多くの推命家が特殊星を完全に捨て去ることができないようで、私も四柱推命をやる場合には特殊星のうちいくつかは使用することにしています。
 もっとも、特殊星はアイスクリームのトッピングのようなもので、あくまでも彩りの域を出ないものであると理解しています。(逆にそれだからこそ、特殊星が四柱推命の人気を左右するのであるが)
 そういうわけで、今回の「おうち」占いでは、特殊星は削除することにしました。

5 十二支の支合、三合、冲
 今回削除したもののうち、一番重要なのがこれでしょう。正直言って、これは削除したくなかったのですが、簡略化のためにはやむをえず断腸の思いで削除したものです。 もっとも、命式で三合ができることはめったになく、支合、冲については、五行の強弱自体に与える影響はそんなに強くはないと(冲はかならずしもそうは言えないのかも知れない)思われるので、「おうち」占いが五行の強弱に重きを置く占いである以上、削除はやむを得ないのかと思っています。
 ちなみに、私が四柱推命をやる場合は、この項目はかなり重要視しており、特に、出会いのチャンスがいつになるかなどを占うのに活用しています。

6 納音(なっちん)
 納音は占いとしてはなかなか面白いのですが、本来の五行哲学からは、はずれるような気がします。「おうち」占いはあくまでも基礎を押さえることが目的なので、今回は納音を外しています。

・「おうち」占いのコンセプト、
 「おうち」占いは、あくまでも四柱推命の入口的なものと位置づけています。そのため、四柱推命の本当の基礎である「陰陽五行」「生日天干」を中心に位置づけています。「おうち」占いが他の簡略化された四柱推命と決定的に異なるのは、あくまでも基本だけはしっかり押さえておくということに尽きます。特に、五行の相剋、ことに、吉星を陰陽不配偶に剋するものについて、できるだけわかりやすく説明しているつもりです。
 言うなれば、「おうち」占いは、本式の野球の代わりに三角ベースでやるようなもので、あくまでも四柱推命の入門版でしかありません。したがって、より高度な占いをやろうと思ったら、ためらいなく四柱推命に移行するのがいいでしょう。

・「おうち」占いを作った理由
 私がなぜ、「おうち」占いを作ったか、それは、難解な四柱推命を、できるだけ本質を損なうことなく、簡単に紹介したかったということにつきます。
私は独学で四柱推命の専門書を何冊か読んで勉強したのですが、どの本にも、四柱推命の本質に関係のない一部分だけで占うものが氾濫しているという嘆きににたことが書いてありました。
 私も書店で四柱推命を簡単に紹介したいくつかの本を読んでみたのですが、その多くが月柱蔵干のみで占ったり、十二運だけで占ったりするものでした。
 四柱推命の奥義は、五行相互の相剋、相生の関係からのスタートであると思っています。このため、「おうち」占いでは、この部分を何とかして簡単に表現できないかと苦心して作ってみたものです。特に、陰陽不配偶の剋を、分かりやすく表現できないか、ここに最大の苦労を払いました。
 前にも書いたとおり、「おうち」占いはあくまでも四柱推命の簡略版です。ですから、「おうち」占いで物足りなくなった人は、どんどん四柱推命の門をたたくのがいいでしょう。「おうち」占いをマスターした人なら、四柱推命の本質に迫ることは決して難しいことではないと確信しています。

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