錯乱した隠遁者 ブーゲンブ村home

・ラヴニカ・カード考


 実は、ここ最近MTGにほとんどさわってなくて、このコーナー「錯乱した隠遁者」も開店休業状態になっています。
そう言えば、ネットのMTGショップも閉店が相次いでいますね。もうそろそろMTGも潮時になってしまったのでしょうか。

そう言いながら、新エキスパンション「ラヴニカ」は、かなり面白いカードがありそうです。まず、目に付く注目カードは、新デュアルランドでしょう。今回登場したのが、赤白、黒緑、白緑、青黒の4種類なんですが、出るときにタップ状態か2ライフ払うかを選べるので、使い勝手はかなり良くなっています。それから、これらの土地が新デュアルランドと言われるのは、本物のデュアルランドと同じく、「平地+山」のように、複数の基本地形タイプを持っているということです。このため、「遙か見(平地、島、沼、山のどれかを持ってこれる)」の能力で「聖なる鋳造所(赤白)」を持ってくることができるわけです。

昔のデュアルランドは、基本地形の要素を持っていて、例えば、プラトー(赤白)の場合、平地が森に変わると、プラトーで出せるマナも、赤マナと緑マナになっていたのですが、ラヴニカの新デュアルランドも、それに似た動きをします。そういう意味では、昔のデュアルランドの雰囲気が残っていいのではないかと思います。

 ラヴニカには、いくつかの新能力がありますが、その中でも重要なのは「招集」でしょうか。これは、場に出ているクリーチャーをタップすることでマナコストを軽減できるものなのですが、場合によってはマナコストを0にすることもできるため、ピッチスペルのような使い方もできるというのが面白いところです。ただ、8マナ、9マナという重い呪文の場合、招集を使うぐらいならクリーチャーで殴った方がいいというシチュエーションが多いような気もします。

それでは、ラヴニカの注目カードを書いていきましょう。

日本語名:貪る光(むさぼるひかり)
  コスト:(1)(白)(白) タイプ:インスタント
召集
攻撃かブロックに参加しているクリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。
これは、ブロッククリーチャーも取り除けるので、招集がなくても強力だろうが、招集があれば、マナなしでも発動できるので、クリーチャー戦になれば重宝するだろう。問題は白のクリーチャー自体が弱めだということ。

日本語名:黄昏の群れ操り(たそがれのむれあやつり)
 コスト:(2)(白) タイプ:クリーチャー ― スピリット(Spirit)1/1
クリーチャー・トークンが場を離れるたび、黄昏の群れ操りの上に+1/+1カウンターを1個置く。
(2)(白),黄昏の群れ操りから+1/+1カウンターを1個取り除く:飛行を持つ、白の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを2個場に出す。 
一見地味なカードだが、このカードで出したトークンは、死んでも1/1カウンターで戻ってくるから、トークンデッキには結構重宝する。このカードとマナがあれば、トークンが無限に増えるか、これ事態が巨大化する。これ本体に飛行があれば最高なのだが、それでは強すぎるのかもしれない。

日本語名:狩り立てられた幻(かりたてられたまぼろし)
 コスト:(1)(青)(青) タイプ:クリーチャー ― スピリット(Spirit)4/6
狩り立てられた幻はブロックされない。
狩り立てられた幻が場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのコントロールの下で、赤の1/1のゴブリン(Goblin)・クリーチャー・トークンを5個場に出す。
各色1枚ずつある「狩り立てられた」シリーズは、低コストで強力なクリーチャーが出る代わりに、相手にも強力なトークンが出るのだが、これは1/1ゴブリンが5つ出るとは言え、3マナでブロックされない4/6は強すぎるだろう。こっちには、これ以外に1/2以上のブロッククリーチャーがいれば、相手のゴブリンはそう恐くないのだから。

日本語名:ゴロゾス(ごろぞす)
  コスト:(6)(青)(青)(青) タイプ:クリーチャー ― リバイアサン(Leviathan)9/9
防衛(このクリーチャーは攻撃に参加できない)
ゴロゾスが場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストが9であるカードを好きな枚数だけ探し、それらを公開し、あなたの手札に加えてもよい。そうした場合、あなたのライブラリーを切り直す。
(4):ゴロゾスはターン終了時まで防衛を失う。
変成(1)(青)(青)
さすがに、9マナ9/9の壁では、単独では使い物にならないだろうが、9マナカードを好きなだけ手札に加えるというのは圧巻。デッキの調整によっては、手札20枚、30枚も夢ではない。問題は、それでどうやって勝つかだが、浄火の鎧みたいなカードを使って一気にというのが面白そう。
9マナだが、生で出すことはまずないだろう。


日本語名:最後の喘ぎ(さいごのあえぎ)
  コスト:(1)(黒) タイプ:インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-3/-3の修整を受ける。
このカードは軽くて使い勝手のいい除去カードである。黒のクリーチャーにも使えるのがいいところである。限定戦なら初手取りになるだろうし、構築戦でも黒デッキには必須であろう。

日本語名:屍の原形質(しかばねのげんけいしつ)
 コスト:(1)(黒)(黒) タイプ:クリーチャー ― ウーズ(Ooze)
あなたのアップキープの開始時に、屍の原形質の上に+1/+1カウンターを1個置く。
あなたのターンの終了時に、点数で見たマナ・コストが屍の原形質の上の+1/+1カウンターの数に等しい各クリーチャーを破壊する。 発掘2
このクリーチャーは、そのままでは出て3ターンしか生きられない。自分の能力によって破壊されてしまうからである。そこで、再生を使ったり、カウンターの量を調整したりして使うことになるだろう。うまくコントロールができれば、クリーチャーコントロールとしてはかなり優秀なカードになりそう。

日本語名:無気力なモロク(むきりょくなもろく)
 コスト:(赤) タイプ:クリーチャー ― トカゲ(Lizard)3/2
防衛(このクリーチャーは攻撃に参加できない。)
土地を3つ生け贄に捧げる:無気力なモロクはターン終了時まで防衛を失う。
これは、殴るのに土地が3つもいるから使えないような気がするが、いくら防衛とは言え1マナで3/2はさすがにオーバーパワーだろう。9版にはローリングストーンズ(防衛を失う)がないから、今のスタンダードで殴りに行くのは難しいが、少なくとも序盤で中級のクリーチャーと相打ちにできるのは強力。限定戦なら買いであろう。

日本語名:経路変更(けいろへんこう)
  コスト:(1)(赤) タイプ:インスタント
単一の対象を取る起動型能力1つを対象とし、その対象を変える。
カードを1枚引く。
このタイプのカードは評価があまり高くないが、なかなか使えるのではないかという気がする。おまけに、これはカードが引けるから、いい感じという気がする。

日本語名:倍増の季節(ばいぞうのきせつ)
 コスト:(4)(緑) タイプ:エンチャント
いずれかの効果があなたのコントロールの下で1個以上のトークンを出す場合、代わりにそれはその2倍の数を場に出す。
いずれかの効果があなたがコントロールするパーマネントの上に1個以上のカウンターを置く場合、代わりにそれはその2倍の数をそのパーマネントの上に置く。
これは5マナと重いが、重いだけの価値は十分あるだろう。「黄昏の群れ操り」とのコンボは恐ろしいことになりそう。
緑はトークンが良く出るので、5マナとしても入れる価値はありそう。


日本語名:深き闇のエルフ(ふかきやみのえるふ)
 コスト:(緑) タイプ:クリーチャー ― エルフ(Elf)・ドルイド(Druid)1/1
(T):あなたのマナ・プールに(黒)を加える。深き闇のエルフはあなたに1点のダメージを与える。
これは黒マナが出るラノワールのエルフに過ぎないのだが、何と「The Dark」からの再録ということでここに登場させた。ラヴニカには地味なところで過去の再録が結構多い。

日本語名:ディミーアの脳外科医、シアクー(でぃみーあののうげかいしあくー)
 コスト:(2)(青)(黒) タイプ:伝説のクリーチャー ― 人間(Human)・ウィザード(Wizard)2/3
あなたが青の呪文をプレイするたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードをゲームから取り除く。
あなたが黒の呪文をプレイするたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードをゲームから取り除く。
あなたの対戦相手は、ディミーアの脳外科医、シアクーによってゲームから取り除かれたカードと同じ名前の土地ではないカードをプレイできない。
話題の「歩くロボトミー」これが3ターンぐらい場に残ったら、対戦相手のデッキはボロボロになりそうな感じである。対抗策は「象牙の仮面だろうか。

日本語名:不可思の一瞥(ふかしのいちべつ)
 コスト:(青)(黒) タイプ:ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーのカードを上から10枚、自分の墓地に置く。
これも話題のカード。こういうカードがあると、石臼デッキを作りたくなる。

日本語名:番狼(ばんろう)
 コスト:(緑)(白) タイプ:クリーチャー ― 狼(Wolf)3/3
ペナルティーのない2マナ3/3はMTG史上はじめてではないだろうか。たかが3/3、されど3/3

日本語名:疑念の影(ぎねんのかげ)
 コスト:(青/黒)(青/黒) タイプ:インスタント
このターン、プレイヤーはライブラリーのカードを探すことができない。
カードを1枚引く。
こういう変な能力のカードは個人的に好きである。

日本語名:幽体の照明灯(ゆうたいのしょうめいとう)
 コスト:(3) タイプ:アーティファクト
(T):プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは、好きな色1色のマナ1点を自分のマナ・プールに加える。
これは、対戦相手がマナを加えることができるという恐ろしカード。自分のターンのエンドや、相手のターンエンドなど、マナを使えないときに相手にマナを加えさせれば、マナバーンでライフを失わせることができるから、単なるマナソースではない。
こういうカードはMTGでは禁じ手だと思っていたのだが、ついに出たという感じである。


日本語名:軍の要塞、サンホーム(ぐんのようさいさんほーむ)
 タイプ:土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(2)(赤)(白),(T):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで二段攻撃を得る。
4マナとは言え、毎回2段攻撃を付けることができるのは強い。二段攻撃は、ブロックされなければダメージが倍になるのと同じなので、例えば巨大化と併用すれば、1/1クリーチャーが8点のダメージを与えることができる。