2000/2/1、伊万里有田地区農業共済組合(NOSAI伊万里有田)に就職しました。
今までの生産地帯から一転して肥育地帯へ。
どんな毎日が始まることでしょう!
佐賀県立鹿島高等学校を卒業後、鹿児島大学を経て同県の離島
・沖永良部島に大動物の臨床獣医師として就職、
NOSAIの合併に伴い本年1月まで徳之島に勤務していました。
縁あって17年ぶりに佐賀県に帰ってきました。
島の暮らしには、内地がなくしてきた人間的な時間の流れがあります。
機会があればぜひとも訪れてみてください。
島は外界と隔絶されています。
だからこそ先に述べたようなものが残されてきているのですが、
ときどき閉塞感に囚われることもまた、事実です。
そんな折り、ちょうどパソコンとインターネットが普及し始めてきました。
長らく手を出せずにいたのですが、とある年の冬のボーナスで購入、
いながらにして広がる世界に取り込まれました。
全く出会うべくはずもない人たちと知り合いになれ、
あまつさえ、実際にその人と会うこともあるのです。
年齢も性別も立場も関係なく、一人一人が対等につき合うことができます。
僕が島で見つけたもう一つの人間性です。
このように、基本は人付き合いの手段なのですが、仕事にも役立ちます。
そのことを痛感したのが、このたびの口蹄疫騒動でした。
危機管理の基本は情報です。それが現場に届かない。
そんな中、全国の獣医畜産関係者のインターネットを用いたネットワークは
24時間情報を発信・交換し合いました。
しかしこのことも、その時に突然できたのではなく、
日常的にやりとりをしていたからこそできたのです。
みなさんご存じのように、畜産農家の方々は常日頃から独自のネットワークを持ち、
迅速な情報収集に努めていらっしゃいます。
口蹄疫発生に関しても農家の方が情報を把握するのが早い、と言う事例はあまたありました。
体系的な危機管理体制づくりと併せて、
地域に生きる人間としてのネットワークづくりを、獣医師も進めていきましょう。
具体的には電子メールによるメーリングリストへの参加をお勧めします。
メーリングリストとは、電子メールを用いたおしゃべり広場です。
特定のメールアドレスに投稿することにより、それが登録者全てに配信され、
それに対する意見を返信するとそれがまた登録者全てに配信され、と、
どこの国からでも議論や情報交換が可能になります。
日本全国レベルのものが複数存在しますので、まずはこれにご参加を。
同時により身近な話題をやりとりする場として、
佐賀県の獣医師によるメーリングリストもつくりたいと考えています。
上記では大動物の事例を取り上げましたが、地域の獣医師としての役割を考えた場合、
業務の場所・時間にとらわれない獣医師間のコミュニケーションの場づくりは
ぜひとも必要だと思います。
やりたい人から始めましょう。基本は義務感ではなく遊び心です。
メールをお待ちいたします。【mailto:shum@mx6.tiki.ne.jp】
みなさん、生産牛を飼ってみませんか?
生産牛の飼養は、とても人間的なものだと思います。
ゆとりを持つために牛を飼う、そんな発想はいかが?
バックアップはいたします!
同時に、本格的な多頭化もお薦めいたします。
僕らのNOSAI管内に、ひとつの産地を創りあげませんか。
かつて、先輩方が梨や肥育牛をそうしてきたように。
条件としては、これほど恵まれている場所はありません。
後は一人一人の気概だけです。
NOSAI伊万里有田地区管内には、母牛として600頭強の生産牛がいます。
今後の10年で400頭ほどに減少、
20年後にはこの地の産業と呼べる、生産牛の飼養はなくなると予測しています。
なくすことに関わるのか、つくることに関わるのか、選ぶのはこの地に暮らす僕らです。
この1年いろいろなことがありました。
転職・引っ越し・肥育牛の診療・口蹄疫・地域・仲間・・・
自分にとっても家族にとっても、新たな一歩を踏み出しました。
組合員のみなさんとも、もっと踏み込んだお付き合いができれば、と考えています。
この地で迎える初めてのお正月、期待に胸がふくらみます。
いずれも参加者は全国規模です。以上の他にもいろいろあります。