病理検査ってどんな検査?

 病理という言葉を聞いたことがありますか? あまり聞きなれない言葉だと思います。そこで、当院で行っている病理検査についてちょっとだけお話したいと思います。


・病理組織検査とは
 診断や治療の目的でとられた組織(胃・腸や乳腺などの一部)を4ミクロンと非常に薄く切り、染色して標本を作製し、顕微鏡を用いて、その病態を確認する検査法です。
 当院では生検、手術検体、術中迅速検体を取り扱っています。
 右からパラフィンでブロックを作成し、冷却して真中のミクロトームで薄く切り、左側の伸展器でパラフィンを伸ばして乾燥させます。


・生検
 当院では主に胃、腸、気管支などの検査に際して行われます。内視鏡検査の時に、診断の確定のためその組織をごく一部採取します。これにより悪性の有無、病期、治療効果などを判断し、診断を確定します。最近、慢性胃炎や胃潰瘍と関係の深い病原微生物としてヘリコバクター・ピロリという細菌の名前を耳にする機会が多くなりましたが、これも胃生検組織で確認することができます。

・手術検体
 外科手術で摘出された臓器や組織です。当院では手術後すぐにデジカメ(デジタルカメラ)で写真を撮影しています。これも顕微鏡標本を作製し、良悪性の鑑別、病期などを判定します。
 カメラはプリント写真用のものですが、同様にしてデジカメでも写真撮影します。


・術中迅速検体
 手術中、その結果により術式が変更になるような時に術中迅速診断が必要になる場合があります。病変の一部や周囲のリンパ節を−30゜Cで凍らせます。クリオスタットという機械を使って、凍らせた組織を薄く切って、顕微鏡標本を作製します。標本作成にかかる時間は10分程度です。悪性疾患の有無、病変の広がり、リンパ節への転移の有無を確かめることで、手術中に手術の方針や摘出範囲を最終決定するのに用いられています。

 術中迅速標本作成用のクリオスタットです。


 簡単ですが病理についてお話しました、これにより少しでも胃カメラや大腸ファイバーのときに採ったポリープや手術で摘出した臓器がどのように検査されていくか知っていただけたら幸いです。


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