「5人会」報告

2004年4月24日
日暮里サニーホールにて

　今年も行ってきました5人会。もちろん楽しかったし、たくさんの刺激を受けて帰ってきました。今回は、5人会の後に懇親会もあったので、5人の先生方や、こんなことでもないと会うことのできない日本中のパネルシアター仲間とたくさん話ができました。

5人会の報告です　13：00〜16：00

　阿部恵先生のパネルシアターは、毎回思うけど、伴奏もつけずにできるだけシンプルにといった感じ。もちろん話術もテクニックもすごいけど、仕掛けはあまり使わずに貼ったりはずしたり裏返したりといったパネルシアターの基本を大切にしている感じがしました。

　阿部先生いわく、「スロー保育を言われているけど、ぼくはスローパネルシアターを目指し、できるだけ子ども達に近づこうとしています。」　今のぼくにはかなり共感できたお言葉でした。

　関稚子先生の計算しつくされた動かし方で人形に豊かな表情を持たせるテクニックは顕在でした。最近TOTOから「ト・ト・便器」というCDが出されヒットしているらしいのですが、そのきっかけになった関先生の『ト・ト・トイレ』の振り付け講習会やボケは２回までというアドバイスは貴重でした。

　藤田佳子先生は、今回はご自分が主宰しているTEPというグループのメンバーと一緒に『サンドイッチ』を見せてくれました。大変元気のいいパネルシアターで、「サンドイッチ」の手遊びがますます盛り上がること間違いなしの作品になっていました。

　月下和恵先生は、なんといっても誰もが知っている月下先生の作品の中では、いやいやパネルシアター全体の中でも超有名な『カレーライス』を見せてくれました。これは、必見。なんとなんと、あまり教えたくないけど、すばらしいクライマックスが待っていたのでした。・・・どうしよう・・・ケチと言われても教えたくないなあ。でもやっぱりケチと言われたくはないので、教えちゃいますけど、カレーが出来上がった後、皿に盛られたカレーライスが登場したではありませんか。パネルシアターは進化するのです。会場のどよめきは言うまでもありません。大感動。

　もちろん最後は、古宇田亮順先生。もう文句なしの貫禄と余裕。今回は、馬頭琴をBGMに使った『スーホーの白い馬』を見せてくださいました。ものすごい数の絵人形を巧みに使い、まさに大御所。先生の短い持ち時間の中で、2度もぼく（DANパネ団）の話をしてくださり、ありがたいやら申し訳ないやら。思わず下を向いてしまったのでした。

　・・・と言うわけで、今年の5人会も刺激がいっぱいの楽しい3時間でした。5人の先生のほかにも、弘前久先生、吉田久子先生、中島宏先生なども参加しておられ、会場を見渡しても豪華な会でした。

プログラム

阿部恵先生	楽しく歌って遊びましょう　ひよこちゃんのパネルシアター あたま・かた・ひざ・ぽん
関稚子先生	パネル寄席　おおきなかぶ　たぬきさんとジャンケンポン ぞうさん　ト・ト・トイレ
藤田佳子先生	宇宙人ルネパ　三びきのやぎとトロルのおはなし　サンドイッチ ゲスト ハーモニカ演奏：鶴田亘弘とノーブランズ
月下和恵先生	カレーライス　バナナのおやこ　アイスクリームのうた カレンダーマーチ
古宇田亮順先生	スーホーの白い馬　大きな歌　四季の歌

懇親会の報告　17：00〜19：30

　なんと限定30名のお宝懇親会。5人の先生はもちろん出版社・スタッフの方々、そしてパネルシアターが大好きな日本中の仲間たちが集まっての懇親会でした。

　乾杯の後は、もう早速意見交換。ぼくもいろいろな方々とパネルシアター談義に花を咲かせたのでした。お互いインターネットでしか知らない人たちでも、初対面の人でも、パネルシアターのこととなるとすぐに友達になれるのです。

日本中のあちこちで活躍されている人の話はみなさん前向きでした。パワフルだし、ぼくなんかパネルシアターをしていなければ普通のオジサンなので、なんか圧倒されてしまいそうでした。

　賞品のかかったジャンケンゲームは、すごい盛り上がりを見せ、なんとDANパネ団東京支部のかわちゃんが藤田先生の賞品をゲットしたのでした。うらやましい。

　それから、「こんぺいとう」のお二人、トンおじさんの妹さん・・・、楽しい話をありがとう。

2次会　〜11：00過ぎ

　懇親会の後は、「ハッピーメロディー」のピンクさんとみどり君、手風琴の酒井さんと２次会へ。途中から、古宇田先生・中島宏先生・菅野さんが合流。酒井さんは初対面でしたが、みどり君いわく、「とにかく面白い」。特に『ダンボールマン』は面白いそうです。ぜひ見てみたい。

　それにしてもこんな濃いメンバーの中に入っていると、絵人形を持たないぼくは普通の人。ただただ話を聴いてうなずいたり笑ったりしているのでした。

　でも懇親会が終わるまで待っていて、この会を企画してくれた「ハッピーメロディー」のお二人、本当にありがとう。

次の日　（25日）

　AM6時。古宇田先生からのTELに飛び起きる。「今、中島（宏）君と散歩していて（ホテルの）近くまで来ているので、よかったら出て来れますか？」　とにかく眠かったけど、ありがたいお誘いのお言葉。大急ぎでホテルのロビーへ。

　お二人は車でお散歩中。「年寄りは、朝が早いもので。」と古宇田先生。おかしい(^^)

　古宇田先生の運転で、先生が育った上野の山へ。東京にもこんなに静かですがすがしい空気の流れている美しい場所があるんだと驚く。美術館や動物園には何度か来た事があるけど、江戸〜明治維新の頃の歴史を物語る貴重な建物が数多く残っていることは全く知りませんでした。そんな由緒あるところに、古宇田先生の生まれ育ったお宅や幼稚園があり、学生時代は映画（池部りょうさん主演）にも出演した楽しいエピーソードをたくさん聞きながら、爽やかでゆったりした時間を過ごすことができたのでした。

　ホテルに送っていただく途中、またしても古宇田先生からのお誘い。お台場の国際会議場で東京国際ブックフェアをやっているので行きましょう。本当にありがたいことです。

　秋葉原で待ち合わせをして新橋へ。ゆりかもめでお台場へ。国際会議場もすごかったし、ブックフェアもすごかった。何から見たらいいんだろうと思うたくさんの本。
　そんな中からも古宇田先生は、楽しい物をたくさん発見するのです。とにかく好奇心旺盛で、面白いものを発見するのが上手。新しいものや面白いものを見つけてはパネルシアターに使えないか考えているのです。それもとにかく楽しみながら。

　こんなにゆとりを持った楽しい生き方ができる古宇田先生のそばにいられるだけで、本当に幸せですよね。