2006.09.11
平成18年第5回定例会

有岡浩一議員 (登壇)皆さん、おはようございます。自民同志会の有岡でございます。
 最初に、去る九月八日、県議会において県防災対策推進条例が可決され、官民の責務と役割を明示し、災害に強い宮崎県に取り組んでいます。また、本市においても、九月一日の防災の日にちなみ、宮崎市、高岡の両消防団が防災功労者内閣総理大臣表彰を受けられました。これまでの努力が認められたことは大変喜ばしく誇りであります。
 このように行政と住民によるボランティア活動などの協働こそが、これからの市政運営において不可欠であります。この協働とは、目標を共有し、心を合わせ、力を合わせ、ともに活動することであり、住民との信頼関係が基礎であります。この協働を念頭に、通告に従いまして質問いたしますので、明快で意欲的な答弁を求めます。
 まず最初に、市長の政治姿勢についてお尋ねいたします。
 二〇〇二年三月発行の津村市長御自身の本の中でも、公平公正を貫いて人心掌握とあり、マスコミに対しても、市民党の立場で対話と討論の市政を築くとおっしゃっています。市長は、公平公正な市政、対話と討論の市政については、四期目の宮崎市政運営に当たっても、市長の政治信条に掲げて実践されていかれるのか考えをお聞かせ願いたい。
 次に、水害対策についてお尋ねいたします。
 昨年九月、町議会の一般質問において自主防災組織の設置を進めるとともに、水門の管理について地元と協議し、地元の協力を得て対策をとるべきではないかと提案しておりました。今回、宮崎市全域で水門操作立会人制度が計画されたことは、住民の希望するところであります。そこで、市内百二十四カ所もの水門操作立ち会いとはどのような内容かお尋ねいたします。
 次に、同じく昨年の一般質問において、今後、総合支所内の職員も減っていき、消防体制も厳しくなっていくことを危惧していると申し上げ約一年が経過しておりますが、今後、水害時の総合支所の職員の初動体制や応援体制はどのようになっているのか、高岡区域担当助役にお尋ねいたします。
 次に、災害危険区域に関する条例制定の、今後のスケジュール及び指定区域住民への説明はどのように行うのかお尋ねいたします。
 次に、行財政改革についてお尋ねいたします。
 北海道夕張市が財政再建団体に陥った突然のニュースは、全国の自治体、関係者にとって大変な驚きでありました。しかし、このことは対岸の火事で済ますわけにはいきません。そこで、宮崎市集中改革プランに掲げる収納率向上のための対策は十分か見解をお尋ねいたします。
 次に、施設の維持管理についてであります。本年度、指定管理者制度に移行し、施設の維持管理においては効率化が進められております。しかし、行政として今後、効率化の反面、サービスの低下が生じないようモニタリング、監視が必要であります。そこで、今後、新市建設計画による新しい施設の建設など施設の維持管理については、さらに効率的な運営と財源の見通しが必要となります。そこで、行財政改革を進める中で、施設の維持管理をどのように行うのか見解をお尋ねいたします。
 次に、児童の体力向上と食育についてお尋ねいたします。
 私自身、二十年近く、小学生のスポーツ活動に携わっている中で、近年、子供の運動能力、基礎体力の低下を感じておりました。特に、ふだんスポーツに接する機会の少ない児童と、いろいろな活動をしている児童の体力の格差が広がっているようです。そこで、各学校における体力向上推進策はどのようなものかお尋ねいたします。また、体力向上のためにはバランスよく、しっかりと食事をとることが大切であり、よく言われる食育の推進が必要であります。文部科学省が昨年度より取り組んでいる栄養教諭制度もその一つで、食のカウンセラーとして推進されると考えます。本市においても、食育の授業や学校給食の場で、みんなで食べることの喜び、食べることの大切さを指導されていると思いますが、残念ながら危惧することとして、六月の一般質問でも指摘のありました十七年度給食費未納件数三百十六件であります。食べることの楽しさを実践できる毎日の給食が、給食費未納等で、そうでなくなるとしたら大変残念であり、対策が必要と考えます。高岡地区においては余り未納者の例がないため原因などわからない部分もありますが、子供たちの目線で考えたときに、給食費未納の解消は、食育教育推進とともに対策を講じるべきであります。見解をお尋ねいたします。
 以上、壇上からの第一問を終わり、答弁によっては自席より再質問いたします。(降壇)



津村重光市長 (登壇)有岡議員の御質問に対しまして、私から二点お答えしたいと思います。
 一つ、私の政治姿勢についてのお尋ねでございました。私は平成六年に市長に初当選以来、対話と討論の市政、公平公正な市政を政治信条として市政運営に取り組んでまいりました。常に市民の皆様の声に謙虚に耳を傾けることを念頭に置き、機会あるごとに市民の皆様とお話しする場を設けてまいりました。特に、旧三町域につきましては、私の時間が許される限り、できるだけ足を運び、市民の皆様の意見に耳を傾けてまいりましたし、今後ともそういう機会をつくっていきたいと考えております。また、市内を幾つかのブロックに分けて地域の皆様の声を聞くまちづくり懇談会は、市長就任当時から続けているものでございまして、この秋には三町区域につきましても開催する予定でございます。市政運営に当たっては、市行政をつかさどる立場としては当然のことでございますが、常に市民党の立場で公平公正な市政を堅持しているところでございます。今後とも、市議会の皆様や市民の皆様とフランクな対話を大切にしながら、市民党としての立場に立って、市民の目線で、おごらず高ぶらず、謙虚に誠実に市政運営に努めてまいりたいと考えております。
 もう一点は、水門操作の問題でございますが、お尋ねの水門操作立会人についてでございますが、本年度より水門操作立会人制度を立ち上げ、宮崎市内の百二十四カ所の水門に関連する各自治会に対し、各地区におきまして説明会を開催しているところでございます。この制度によりまして、操作員が水門の開閉操作を行う際、的確な状況において操作が行われたことを自治会の代表者の方に確認していただき、地元と一体となって浸水対策に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 その他の御質問は、関係部局長が答弁いたします。(降壇)



帖佐伸一企画政策課長 行財政改革における施設の維持管理についての御質問でございました。
 議員さん御指摘のとおり、施設の建設に当たりましては、建設のみならず、その後の施設の効率的な維持管理は重要な課題であると考えております。御案内のとおり、これまでも市立の図書館の管理運営を含めました業務のNPO法人への委託、あるいは指定管理者制度の導入など、維持管理費の節減に向けました取り組みを積極的に進めているところでございます。本市といたしましては、引き続き集中改革プランの取り組み項目としても位置づけておりますが、既存施設を含めました指定管理者制度の公募制の拡大など、民間活力を取り入れながら維持管理の経費節減に努めてまいりたいと考えております。



加藤忠芳助役 お答えをいたします。
 水害時の職員体制についての御質問でございますが、合併後、人事異動で本庁へ異動した職員のうち、消防団員でもある職員十一名と避難所へ配置する職員など十二名、合計二十三名の職員を水害時には優先して高岡総合支所へ配置するなど、必要な人員の確保に努めているところでございます。



小野寺晃彦財務部長 集中改革プランに掲げる収納率向上のための対策についてお尋ねがございました。
 市税等の滞納を整理し税源確保を図ることを目的といたしまして、平成十六年十二月に歳入確保対策本部を設置いたしました。市税のほか、使用料、手数料、負担金など、現在、八部局十三課にまたがる三十の歳入項目を対象に、収納率のアップに向けた取り組みを全庁的に実施しているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、年度ごとに定めます歳入確保に向けた基本方針と目標収納率に沿って滞納整理強化月間の設定、文書や電話による催告、口座振替の推進、収納率の定期報告等を実施しており、平成十七年度は対前年比〇・三九%の増加となり、一定の成果を上げているところでございます。さらに、今年度から納税管理課内に特別滞納整理室を設置いたしまして、公法上の債権である市税、国民健康保険税、介護保険料、保育料のうち、再三にわたる納付催告にも応じず、かつ滞納額が高額なものなどに対しましては、給与、不動産等の差し押さえ、公売を重点的に行うこととしております。また、新たな財源の確保を図るため、既に広報紙について広告の掲載を開始したほか、その他の印刷物、ホームページなどに、民間企業等の宣伝広告を有償で掲載する広告事業の本格導入に向けた準備を実施しております。今後も、歳入確保対策本部を中心に、これらの収納対策を講じながら、集中改革プランに掲げてあります数値目標の達成に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



浜崎和男都市整備部長 災害危険区域に関する条例の制定の今後のスケジュール及び指定区域住民への説明はどのように行うかとのお尋ねでございますが、災害危険区域に関する条例の制定につきましては、現在、条例案を作成し、関係地域に条例案の概要説明を行っております。今後、十月中旬にパブリックコメント等を行い、平成十八年十二月議会に上程する予定としております。
 また、災害危険区域指定につきましては、現在、国土交通省において指定区域の選定のために調査測量、作業を行っておられまして、区域案が決まり次第、国土交通省宮崎河川国道事務所とともに、該当する区域の住民の皆様方に説明をすることといたしております。区域指定に当たりましては、本条例案第三条第二項において、事前に当該区域の関係住民の意見を聞くことと規定しておりますので、区域の皆様方の御理解を得ながら災害危険区域指定の作業を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。



内藤泰夫教育長 まず、学校における児童の体力向上に関する取り組み状況についてお答えいたします。
 文部科学省が毎年実施します児童生徒の体力、運動能力調査によりますと、児童の体力は年々低下傾向にありまして、平成十七年度の結果を見ますと、本市の児童につきましては、男子の立ち幅跳び、低学年男女の反復横跳び等を除くほとんどの種目について、全国平均を下回るという現状にあります。このことからしましても、児童生徒の体力向上を図る取り組みは大変重要なものであると認識しております。現在、市内すべての小中学校におきまして、児童生徒の体力、運動能力の実態に基づいた体力向上プランを作成しまして、学校の教育活動全体で計画的、継続的な体力向上に取り組んでおります。また、小学校におきましては、毎年、水泳競技大会、陸上競技大会、初心者水泳教室を開催するなど、さまざまな取り組みを行っております。教育委員会では、新たな取り組みといたしまして、宮崎大学と連携しまして、リズミカルな音楽に合わせて楽しく体を動かす中で、おのずと体力を高めることができるダンスとしてMキッズエクササイズを制作しまして、今後、小学校を中心に普及に努めてまいりたいと考えております。本事業は、来年度から本格実施の予定でありますけども、本年度、既にすべての小学校に事業の概要を周知いたしまして、運動会の準備運動や体育の授業での活用、休み時間に児童に親しませるなど恒常的な活用など、各小学校それぞれに有効活用を図られていくものと期待しているところでございます。今後とも、本事業のさらなる充実を図りますとともに、他の事業との関連等も考慮しながら総合的に取り組みを進めまして、児童の体力向上の一助としてまいりたいと存じます。
 次に、食育についての質問でございました。食育は、知育、徳育、体育の基礎をなすものとして重要なものでございます。ことしの三月に国の食育推進基本計画が策定されまして、食育への関心や朝食摂取率の向上などの数値目標が設けられましたが、本市におきましても、今年度、生目小学校が県の食育推進モデル校に指定されまして栄養教諭が配置されたところでありまして、今後の食育推進に大きな力になるものと期待しています。中でも学校給食では、食育の生きた教材として食べることの大切さや楽しさ、望ましい食習慣を身につけさせまして、食事を通しての健康管理ができるようにするためのマナーの指導等を行っておるところでございます。楽しいはずの学校給食が、給食費の未納等が原因で一部の児童生徒にとって楽しくないものになっているのではないかとの御指摘でございますが、各学校、PTAとも、児童生徒への教育的な配慮やプライバシーの保護に十分に努めながら、給食費の未納解消に取り組んでいるところでございます。また、経済的な事情から給食費の支払いが困難な保護者に対しましては、就学援助制度の申請を促すよう各学校に案内しております。今後とも、学校給食につきましては、給食費の未納の解消に努力しますとともに、児童生徒にとって楽しくておいしい給食になるよう配慮しながら、各学校、PTAと連携をいたしまして取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。



有岡浩一議員 ただいま、市長を初め、質問事項四項目に対しまして、それぞれ答弁をいただきました。
 それでは早速、要望を含め、第二問目に入ります。
 まず、市長の政治姿勢についてであります。市長の、市民党の立場で公平公正な市政を堅持する強い信念を伺い安心いたしました。そこでお尋ねいたしますが、市長を取り巻く助役、部長、課長や関係者におかれましても、市長の政治信条を十分理解し、市長を支えていると考えてよいのか、市長の見解をお尋ねいたします。
 次に、質問事項の二、水害対策について再質問いたします。私自身も消防団員のころ、水門の開閉操作に携わる中で、内水、外水の差による逆流など、大変判断が難しく苦慮していました。また、トラブルが起こることもあり、大変な不安と緊張の夜を過ごしていました。操作に対し百点満点の操作は困難ですが、操作立会人をお願いする中で、水門の開閉操作はマニュアルどおりに行えるのかお尋ねいたします。
 また、水害時の職員体制について要望いたしますが、二十三名の職員を優先的に配置すると答弁いただきましたが、計画のための計画であっては困ります。一つの例としまして、なぜ不安視するかということで、六月の議会の答弁の中でありましたが、川原田、赤谷の無堤防地区の対策というふうな表現がありましたが、高岡に住んでおる私どもは、川原田には堤防はできております。現状は楠見と赤谷の無堤防地区ということだと思いますが、やはり地理的な不安がどうしても残るという意味で、地理的なものをある程度熟知した者でなければ、緊急時にはなかなか対応できないというふうなことも危惧しております。そこで、本日、執行部は市長を初め各部長もおられます。ここで申し上げます。災害時、行政がやるべきこと、最優先課題は市民の命を守ることです。災害時はちゅうちょすることなく職員に指示していただき、市民の命を守ることが一番の職務であることを強く伝えていただくことを要望いたします。
 次に、行財政改革の宮崎市集中改革プランについて申し上げます。平成十七年度決算意見書では経常収支比率が八六・五%で、前年度比〇・九ポイント上昇し、既に危険ゾーンに入っております。一般財源の確保や市債等の適切な管理に努める必要があると指摘されております。先ほどの答弁では、前年度比収納率三・九%増加し成果を上げているとの答弁ですが、合併により収入額がふえた分で実数を見てまいりますと、収入未済額は現年度分、前年度比一三・一%の増、滞納繰り越し分、前年度比一〇%の増となっており、十七年度収入未済額は三十七億円を超えております。これは自宅の十けたの電卓で、やっと計算できるほどでありました。また、最近話題になっております不納欠損額も約四億円となっており、課題は山積しております。そこで、やはり数値目標の設定が必要であり、集中改革プラン、十七年度から二十一年度の目標数値に各担当課が近づけることが、本市の行財政改革の基礎となると考えます。集中改革プランの成果とともに職員の皆様方に期待するものであります。
 次に、施設の維持管理について再質問をいたします。今後、古くなった施設の更新など課題が山積する中、PFIのような民間活用型の資本整備を求めておりますが、そこで高岡西部地区コミュニティー施設においては、すべて行政が計画しつくり上げていく一方通行の手法ではなく、民間並みの費用対効果も考慮すべきであり、整備目的も計画の段階から利用する側の住民への周知を十分行い、施設が生かされるよう行政側の工夫や仕組みづくりが必要と考えますが、見解をお尋ねいたします。
 次に、児童の体力向上について要望いたします。県が進める体力向上健康推進モデル校の報告等も近く行われます。ぜひ参考とし、宝である子供たち、すべての児童が体力向上となるきっかけにしていただきたいと思います。また、給食費未納についても、子供たちのためにも未納者ゼロを目指して努力されることを強く望みます。
 以上で、二問目の質問を終わります。



津村重光市長 公平公正な市政が職員にも徹底しているかという話でございましたが、公平公正というのは私が言わずとも、当然に職員が旨とすべき仕事における態度だと思いますので、御理解いただきたいと思います。



帖佐伸一企画政策課長 お答えをいたします。
 お尋ねの高岡西部地区コミュニティー施設につきましては、高岡町域西部地区の重要な基盤整備の一つとして計画されたものでございます。施設内容につきましては、庁内に整備検討のプロジェクトチームを設置をいたしまして、その機能や規模、建設場所のほか、維持管理のあり方につきまして検討を行っております。整備に当たりましては、議員御指摘の点も踏まえながら検討を加え、合併特例区協議会を初め、住民の皆様への説明も行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。



谷口和弘建設部長 水門の開閉操作についてのお尋ねでございました。
 水門操作につきましては、本川から支川等に逆流を始めますと水門を全閉し、その後、宅地側の水位が河川の水位より高くなり、順流を確認できれば水門を全開いたします。また、順流逆流の確認が困難な場合は、水門を開閉させながら内外水位差を観測し、順流逆流の確認を行うという操作マニュアルになっておりますので、今後とも、的確な水門の監視及び操作に従事したいと考えております。
 以上でございます。



有岡浩一議員 ただいま三点について御答弁いただきました。
 それでは、三回目になりますので、要望をさせていただきたいと思います。
 まず、答弁いただきました高岡西部地区コミュニティー施設につきましては、一日も早く座談会なり実施していただき、地区民の声を生かす努力を希望いたします。
 次に、水害対策でありますが、台風の多い宮崎県において避けて通れない課題であります。水害の責任がどこにあるかではなく役割分担をしっかりとし、みんなの協働により災害を最小限とする減災に努めなければなりません。水門を開閉する消防団、職員、さらに水門立会人が精いっぱいマニュアルに沿って操作しても、完全に水害を食いとめられるとは限りません。そのときは、行政がしっかりと関係者をサポートし守っていただきたい。そして行政から住民に対し、今後の対策を住民とともに検討する前向きな姿勢を示していただきたいと思います。そのことが、災害に強いまちづくり、住みやすい宮崎市となることと確信しております。宮崎市民のために役割分担を明確にし、関係者の連携を強く要望するものであります。
 最後に、市長の政治姿勢について、私の今後の見解を申し上げますと、市長の政治信念と相反する実態がある場合や耳にしたときは、ぜひ市長にお伝えしたいと思いますし、指摘してまいりたいと考えております。九州一の宮崎市を目指す市長の政治姿勢としまして、公平公正な対話と討論の宮崎市を取り組むということが三十七万市民の願いであり、今後とも、三十七万市民のリーダーとして信念を曲げることなく努力していただくことを願いまして、私の一般質問のすべてを終わります。


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