home ブーゲンブ村通信

ブーゲンブ村通信バックナンバー(おすすめバックナンバー)

号数 発行日 内     容
40 01/08/13 どちらにすればいいか迷ったとき
43 01/09/09 「相手の立場に立つ」ということ
44 01/09/17 可能性は「1つ」じゃない
56・57 01/12/14
〜12/22
「不安」の取り除き方(1)(2)
68 02/03/17 気が滅入るとき、気が晴れるとき
120 03/04/19 一つずつ
127 03/06/14 占いがやってはいけないこと
143 03/10/18
147 03/11/15 苦しいとき
164 04/03/20 積み上げ
170 04/05/01 全体をみる
182 04/07/31 B/C(びーばいしー)
184 04/08/14 いつか来た道
190 04/10/02 組み合わせ
第40号 2001年8月13日発行 - top
−−−−                   −−−−
****  どちらにすればいいか迷ったとき  ****
−−−−                   −−−−
 人生いろいろな場所で選択を求められることがあります。進学にしても
就職にしても、恋愛や結婚にしても、家をどこに建てるかにしても、いろ
いろな選択肢のなかから1つを選ばないといけません。さて、これらの選
択のとき、私たちはどのように考え、選択するのでしょうか。
 まず、自分にとって一番いいものを選択するというのが、何かを選択す
るときの前提条件でしょう。例えば進学なんかの場合、自分の適正や興味、
将来の就職なんかを総合して決めるんでしょうが、どんな選択の場合でも、
どうしても無視できない要素があります。
 それは、自分自身の「好き嫌い」です。これを抜きにしては、選択はで
きません。具体的な条件がどんなに有利でも、自分が「嫌い」な選択は、
あまりしたくないものです。
 この「好き嫌い」というのは結構面倒で、「合理的な考え方が正しい」
と思っている私たちの場合、「好き嫌い」の感情を押し殺してしまう傾向
があって、自分でも、この「好き嫌い」が分からなくなってしまうことが
よくあります。「好き嫌い」を必要以上に押し殺してしまうと、心が蝕ま
れてしまうことがありますので、自分の「好き嫌い」には忠実になった方
がいいでしょう。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回は、この、押し隠された「好き
嫌い」をはっきりさせる方法を紹介したいと思います。
 例えば、恋愛で、気になる人が2人できた。どっちの人がいいだろう?
なんてことは、よくありますよね。中には2人同時につきあっちゃうとい
う剛の人もいるでしょうが、たいていは、どちらにするか迷うものですよ
ね。
 こういうとき、占いで相性診断をしてどちらにするか決めたりすること
が結構あるみたいなんですが、占いの結果で、っていうのは、やはりしっ
くりいかないものがありますよね。私もこういうタイプの占いの依頼を受
けることがあるんですが、そういうときは、例えば次のように答えること
にしています。

Q.「A君とB君の2人が気になります。どっちとつきあうのがいいでし
  ょうか?」

 この場合、例えばこんな答え方をします。

A.「まず、ジョーカーを抜いたトランプを1組用意して下さい。そのト
ランプを良く切って、1枚を選びます。もし、選んだカードが赤だったら
A君、黒だったらB君です。
 もし、この結果に、満足がいかなかったり、不安がある場合は、念の入
れ方が足らなかったのかもしれません。そういうときは、もう一度トラン
プを良く切って下さい。そして、もう1回カードを引いて下さい。やはり、
赤が出たらA君、黒が出たらB君です。それでもまだ不安が残るときは、
もう一度カードを切って・・・・・」

このように、納得がいくまで何度も繰り返す。そういうことをお勧めして
います。
 からくりが分かってしまうと効果が薄れるので、状況に応じて手を変え
品を変えしてますが、この方法は、未来をシミュレーションしてみて、そ
れに対して自分がどう思うか、というのを何回も何回もやることで、心の
奥底に隠れている自分の本当の気持ちをあぶりだそうという方法なんです。

 さっきの例だったら、何十回もやっていくうちに、「赤が出ますように」
とか「黒が出ますように」と、心の中で思うようになってくると思います。
それが、自分の本当の気持ちなんです。
 本当の気持ちが分かってしまえば、あとは、その気持ちに正直になって、
行動あるのみ!です。

 この方法はいろんなことに応用出来ると思いますので、悩んだとき、迷
った時は、この方法で自分の本当の心に正直になって、悔いのない選択を
するといいのではないでしょうか。

第43号 2001年9月9日発行 - top
====               ====
**** 相手の立場に立つということ ****
====               ====
 アマチュアとはいえ、占いをやっていると、時にはどうしても説教めいた
ことを言わなければならないことがあります。私は出来るだけ説教くささを
和らげようとは努力しているんですが、相手のことを真剣に考えれば考える
ほど、どうしても説教めいた話になってしまいます。
 今回は、その中でも、非常に多くのケースで言わなければならない上に、
誤解を招くことが多い、「相手の立場に立つ」ということについて取り上げ
てみたいと思います。

****
 「人のことを考えなさい」「相手の立場になって考えなさい」、よく、い
ろんなことで言われる説教の代表みたいな言葉ですよね。この言葉に対して、
条件反射的に反発を覚える人も多いことでしょう。というのも、普通、この
言葉は、「他人に配慮しなさい」とか「他人の為に行動しなさい」みたいな
意味でとらえられることが多く、実際、この言葉を口にする人も、そういう
意味でこの言葉を使っていることが多いと思います。ですから、こういうこ
とを言われると「自分より他人を優先しなさい」「他人の為に自分を犠牲に
しなさい」ということを強制されているような気がして、言われる方はほん
とにイヤなものです。

 ところが、「相手の立場に立つ」ということの本当の意味は、そうじゃな
いんです。
 多くの人が、この言葉を自己犠牲的にとらえているので、私も説明すると
きに苦労するのですが、例えば、次のような例を考えてみて下さい。

====
 例えば、将棋を指していて、次にどういう手を指そうか、というとき、将
棋盤をひっくり返してみて、対戦相手の方から見てみるということをしてみ
るんです。で、自分が対戦相手になったつもりで、相手がどう来たときどう
思うかを考えるんです。すると、「こうこられるとイヤだなあ」とか、「こ
う指してくれるとラッキーだけどなあ」というのが分かってきます。そうい
う風に、相手の立場で将棋盤を見ると、どう指したら相手が嫌がるか、どう
指したら相手が喜ぶか、というのが、何となく分かってきます。それが分か
れば、こっちとしては相手が一番嫌がる手を指せば自分が有利になるわけで
すから、自分の方からだけ盤面を見て指すよりも、自分が有利になる手を選
んで指すことができるわけです。
====

 つまり、自分の立場だけでなく、相手の立場からものを見ることによって、
考え方のバリエーションが多くなる。その結果、自分の行動の選択肢が増え、
結果的に自分にとってよりよい選択ができるというのが「相手の立場に立つ」
ということの本当の意味なんです。決して自己犠牲ではなくて、自分のため
に「相手の立場に立つ」んです。

 「相手の立場に立つ」のはけっこう難しいものです。でも、あくまでも、
「自分のため」と思って、「相手の立場に立つ」練習をしてみると、自分の
人生が豊かになるのかもしれません。
第44号 2001年9月17日発行 - top
====               ====
**** 可能性は「1つ」じゃない  ****
====               ====
 私は、占いをするとき、「未来はこうなる」的な、確定した結果を出すこ
とはあまりしないタイプなのですが、どうもそれでは納得しない人がいて、
「結局どうなるの!?」みたいに詰め寄られる時があります。どうも、占い
は未来を確定的に予言しないといけないみたいに思っている人が多いみたい
で、占い結果の説明にかなり苦労することもあったりします。

 さて、ここで問題です。
===問 題===
 A,B,Cの3つの宝石箱(大きさも形も同じ)が目の前にあります。
この中の一つに高価なダイヤが入っています。
 精密なはかりでそれぞれの宝石箱の重さを量ったところ、
A −205g
B −205g
C −207g
でした。
 さて、目の前の宝石箱から確実にダイヤを手に入れるにはどうすればいい
でしょうか?
=========












 素直な人なら「Cの箱を開ける」と答えるでしょうし、ちょっと疑い深い
人なら、何か裏があると思ってAやBを選択するかもしれません。
















 それでは、正解です。
 正解は
 「A,B,C全部の箱を開ける」
 です。
 思わず石を投げたくなる人もいるでしょうが、1つしか箱を開けてはいけ
ないとはどこにも書いてありません。ですから、ダイヤを確実に手に入れよ
うと思えば、全部の箱を開ければいいわけです。

 これは、クイズなので、正解にたどり着いた人も多いでしょうが、実際の
私たちの生活の中では、意外と、この「全部の箱を開ける」ということを忘
れてしまう事があるのではないでしょうか。

 例えば、自分の恋人が他の人と楽しそうに歩いているのを目撃した。それ
で、相手が浮気していると思いこんで、喧嘩になったり、果てには別れ話に
なったりする。よくある話ですが、一緒に歩いていた人が、実は何でもない
という可能性もあるわけで、それを「相手が浮気している」と思いこむのは、
さっきのクイズで「Cの箱だけを開ける」のに似ていると思いませんか?

 私たちは、ある程度有力な可能性が見つかると、それが正しいと思いこん
でしまい、他の可能性がまだ残されているということを忘れてしまうことが
あるようです。それで、最初の結論が実は違ってたというときに対応できな
くて、折角のチャンスを逃したり、大きな痛手を被ったりするということが
あるのではないでしょうか。

 私が占いをするときに、未来を確定的に言わないのは、「未来にはいろん
な可能性がある」という考えを持っているからなんです。占いの結果、今ま
でどうだったのか、これからどうなるのかというのは、おぼろげに見えてき
ます。ですが、それは、あくまでも未来の可能性のうち有力なものの1つで
あって、他の可能性はいくらでもある。そういうふうに考えているからなん
です。

 占いは、はずれることもあります。これは残念ながら事実です。理論を積
み上げていった推理や未来予測ですら100%ではないのですから、占いで
未来を確定的に予言してしまうのは危険なんです。
 ですから、あくまでも、「いろいろな可能性がある」ということを前提に
して占い結果を整理していく。そうやって出た答えは確かに曖昧ですっきり
しない場合もあるのですが、少なくとも占い結果に固執して他の可能性を考
えない危険を冒すよりはいいのではないか、そう思うわけです。

 一つの有力な予測にとらわれずに「全部の箱を開ける」。これができるよ
うになれば、私たちはより多くの幸せをつかむことができるようになるので
はないでしょうか。
第56・57号 2001年12月14・22日発行 - top
====                     ====
****   「不安」の取り除き方(1)(2)  ****
====                     ====
 景気の低迷、凶悪犯罪の増加、世界情勢の不安定、最近、何かと不安なで
きごとが多いですね。こんな中、漠然と将来に不安を抱えている人は少なく
ないと思います。
 反面、これだけ危機的な状況ながら、とりあえず日本ではほとんどの人が
それなりにちゃんと生活できています。自分の現状だけをみれば、意外とそ
んなに悲観するような状態ではないのかもしれません。
 それでありながら、「不安」というものは私たちの心を揺さぶってしまう
ものです。今回は、この「不安」というものを考えてみたいと思います。

 不安は、だいたい3種類に分けられます。その3種類というのは、

1.成功を手にしようとしているときに感じる不安
  −もしかしたら成功を取り逃がすかもしれないという不安
2.平穏な状態で感じる不安
  −もしかしたら今の平穏が崩れてしまうのではないかという不安
3.病的な不安
  −病気やストレスなどで、精神的に感じてしまう不安

の3つです。このうち、3.については、精神科医に任せるとして、ここで
は1.と2.について考えてみたいと思います。
この1.と2.に共通して言えることは「現状は決して悪い状態ではない」
ということです。現状が悪い状態、例えば、失敗してしまったり、事件に巻
き込まれてしまったときは、とにかく目の前の事態を何とかしなければなら
ない状態だったり、落ち込んでしまった状態なので、「不安」を感じる余裕
がないものです。つまり、「不安」というのは、あくまでも現状が悪くない
ときに起きるものなんですね。
 高い所にいれば「落ちるかもしれない」という不安がありますが、最初か
ら低い所にいればそういう不安は感じません。それと同じで、不安を感じる
ときには、現状は決して悪くないんです。
 ですから、不安は感じるだけ損なことが多いんです。もっとも、不安の中
には、潜在的に、現状を悪くする要因を感じていることがあるので、不安な
気持ちをすべて否定してしまうのは危険です。が、不安にとらわれて成功を
逃す場合の方が、不安を無視して失敗の原因を見逃す場合より多いというの
は、皆さんも経験上なんとなくわかると思います。ですから、「不安」とい
うものは、何とかして取り除かなければならない。

占いは、この「不安」というものに大きく係わってきます。占いによって、
不安がウソのように解消することもあれば、さらに深刻な状態になってしま
うこともあります。

どんなときに不安が解消し、どんなときに不安が深刻になるのでしょうか。
一例に過ぎませんが、私が経験したことを紹介して考えてみたいと思います。

***
 あるとき、えらく落ち込んでいる二人組の女性の手相をみたことがありま
す。この二人は、街の手相占い師に手相を診てもらって、ものすごく悪いこ
とばかり言われたのだそうで、それで落ち込んでいたんだそうです。私は手
相は専門外なのですが、基礎だけは分かるので、その二人の手相をみること
にしました。

私は二人の手相を一見して、

 「ああ、これなら大丈夫だ」

 そう言いました。そして

 「女の子は手相の線がしっかりしていないことが多いから、手相占いでは
 悪い結果が出ることが多いんですよ。この程度なら別に普通だから、何に
 も心配することはありません。」

と言ったんです。実際に、このとおりの傾向があることは間違いないのです
が、手相が専門外の私にとって、半分以上はハッタリでした。
 それでも、その二人の女性は、いままでの落ち込みがウソのように明るく
なってくれました。実際に、彼女たちの運勢は、少なくとも私が手相をみる
前よりは格段によくなったでしょう。

============

この例では、まず、街の占い師に手相を診てもらった二人の女性は、不安が
増大し落ち込んでしまっています。そのあと、私が再度みたときには、不安
がウソのように消えてしまいました。そのポイントは、いったい何なのでし
ょうか。

 まず、占いで不安を増大させるのは簡単です。「〜の危険がある」「〜と
いう悪い相が出ている」など、悪い占い結果を出せばいいんです。深刻な表
情をして結果を告げればその効果はてきめんでしょう。これは、ライバルを
蹴落としたりするときには使えますが、筆者としてはおすすめできない占い
のやり方ですね。

 それでは、占いで不安を解消させるのはどうでしょうか。不安を増大させ
るやりかたとは逆に、いい占い結果を出せばいいのでしょうか。
 いい結果を出せば、それなりに不安を解消させる効果はありますが、人間
の心というのはやっかいで、悪い方に物事を考えがちなうえ、だいいちいい
占い結果が出るかどうかはわかりません。悪いのにいい結果だとウソをつい
たら、その場はよくても後で取り返しのつかないことになります。

 最初の例では、不安を解消させるポイントが2つあります。
 ひとつは「大丈夫ですよ」と言う点。これは、占い結果がいいという意味
に限らず、悪くても何とかなりますという意味にも使えるので、「大丈夫」
ということばは非常に便利です。私の場合、占い結果が悪い場合にはどうす
ればその悪い結果を回避できるかという観点で占いを考えますので、悪い結
果が出たからといって、「悪いです」では終わりません。悪い結果のときは、

「〜(悪い結果)になる危険性があるけど、〜(対策)すれば、それを避け
ることができそうだ。」

という占い結果を出します。こうして、とにかく「大丈夫」ということを相
手に印象づける。これが一つです。

もう一つは、不安が起きる理由を理論立てて説明することです。前の例では、
「女の子は手の線が薄いから、手相占いで悪い結果が出ることが多い」
というふうに、悪い理由を説明しています。不安というのは、何かわからな
い、はっきりしないということから出てくるもので、不安の根元には、「わ
からない」という感情が必ずあります。ですから、不安を解消させるには、
この「わからない」をなくすこと、これが大切なんです。

例えば、夜、窓に不審な影が見える。それが何か分からないと、誰かが襲っ
て来るんじゃないかとか、幽霊かもしれないだとか、そういう不安がわき上
がってきます。ところが、その影の正体が、外に干してあるTシャツの影だ
とわかれば、全然怖くありません。

 このように、不安を取り除くためには、「不安の理由を説明する」ことが
大切なのです。これは、説得力さえあれば、極端に言えばウソでもかまわな
いんです。最初の例で私が説明したのも、半分はハッタリです。でも、それ
で例の二人の女性は安心し、おそらく運勢も向上したでしょうから、ハッタ
リが必ずしも悪いわけではないんですね。

 これで今年のブーゲンブ村通信は最後になります。来年からも引き続き、
「おうち」占いの運勢をはじめとして、いろいろ変な話をどんどん書いてい
きますので、皆様ご愛顧のほどをよろしくお願い申し上げます。
第68号 2002年3月17日発行 - top
====                   ====
****  気が滅入るとき、気が晴れるとき  ****
====                   ====
 ここ数年、私の身の回りには気が滅入る出来事がいろいろ起きています。
反面、ブーゲンブ村通信を読んでくれる人が増えたときとか、占った人が恋
愛とかで成功すると、ほんとに晴れ晴れした気分になります。
 当たり前のことですが、いやなことがあると気が滅入るし、いいことがあ
ると気が晴れるものです。ところが、人間というのは不思議なもので、同じ
ことがあっても気の持ちようで気が晴れたり気が滅入ったりするものなんで
すね。

 よく、私が占いをしてあげた人が「これで気が晴れました」というような
ことを言ってくれることがあります。嬉しい限りなんですが、実は、私が占
いをしたからといって、相手の身の回りの現実というものは変わってなかっ
たりするわけです。ということは、人間というのは自分に降りかかっている
状況が同じでも、気が晴れることもあれば、気が滅入ることもあるわけなん
ですね。

 同じ状況なのに、気が滅入ったり気が晴れたりする。気の持ちようと言っ
てしまえば身もフタもないんですが、気の持ちようだからといって、自分で
気が晴れる方向に自分を持っていくことはなかなかできるものではありませ
ん。気を晴らすためにはやはり一人では無理で、誰かの力を借りないといけ
ないみたいですね。

 私が占いをするときには、「占う人の気が晴れる」ということをかなり重
視します。運というのは不思議なもので、気が晴れたときは運勢も上向くも
のなんですね。私は占いで幸せをつかむということを一番に考えて占いをし
ますので、「占う人の気が晴れる」ことは非常に重要なことなんですね。

 占いで気が晴れるにはどうすればいいかというのは、第56回、57回の
ブーゲンブ村通信で書いた「不安の取り除き方」に通じるものがあるんです
が、気が晴れるためには、だいたい次のようなことが必要になってきます。

1.自分の現在の状況がシンプルに整理されて分かること。
2.自分が何をするべきか明確な目標ができること。
3.現在の状況を乗り切るメドを立てることができること。

 まだあるんでしょうが、要するに「ハッキリ分かる」ことが「気が晴れる」
ためには必要なんですね。不安の取り除き方の時も書いたと思いますが、不
安になったり気が滅入ったりするのは、「分からない」という要素が主にな
っているようです。ですから、気が晴れるためには、この「分からない」を
少しでも減らすことが大切なんですね。

 占いをすると、この「分からない」に対して、何らかの答えをだすことが
できます。それがいい結果であれ悪い結果であれ、「分からない」を少なく
することができるんです。ですから、占いというのは、上手に使えば、この
「分からない」を少なくして気を晴らすことにつながるんですね。

 そういうわけで、占いは気分を晴らすにはいい方法なんです。気分が滅入
ってしょうがないという方、「おうち」占い掲示板でも、メールでも占いを
やっておりますので、気軽にメールなりカキコなりしてくださいね。

第120号 2003年4月19日発行 - top
====            ====
****    一つずつ    ****
====            ====
 筆者は自他共に認める食いしん坊で、子供の頃にみかん1箱(約15kg)
を2時間ちょっとで平らげたという記録をもっています。そういう食いしん
坊ですから、目の前にごちそうがたくさん並んだらさぞ幸せなはずなんです
が、なぜかそういうときは思ったように食べることができないんですよね。
それで、母親から「あんたはごちそうを出すと食べんね」と言われてました。

 ですが、目の前にたくさんごちそうを並べると思うように食べられないと
いうのは、何も筆者に限ったことではないみたいですね。あるテレビ番組で
「バイキング料理をたくさん食べる方法」というのをやっていたことがある
んですが、たくさん食べるためにはいっぺんに料理を持ってこないで、少し
ずつ持って来て食べた方がいいのだそうです。目の前にたくさんの料理を並
べてしまうと、見ただけでおなか一杯になってしまって、たくさん食べるこ
とができないということなんですね。

 これは何も食事に限ったことではなくて、目の前にたくさんのものが並べ
られたら、それだけで脳が飽和状態になってしまうみたいです。

 例えば、やらなければならない仕事が山のようにある。で、その仕事を全
部いっぺんに目の前に並べてしまったら、どうしていいかわからずパニック
になってしまいます。やる気も失せてしまうでしょう。

 ですから、仕事が山のようにあるときは、バイキングでたくさん料理を食
べる方法にならって、目の前に少しずつ仕事をもってきて、少しずつやって
いったほうがいいのではないかと思われるんですね。そうやって少しずつ仕
事をやっていけば、結果的にはいっぺんに目の前に仕事を並べたのよりは効
率的に仕事をすることができるのではないでしょうか。

 仕事に限らず、いろんなこと、悩みとか、問題とかをたくさん抱えている
場合ってけっこうあります。そういうとき、そういう問題を全部いっぺんに
考えようとすると混乱してわけが分からなくなります。ですから、そういう
ときは、とりあえず解決できそうなことを少しずつ考えて、ひとつひとつ解
決していく方がよい結果を招くでしょう。

 今は社会が低迷期なので、いろんなところで問題に直面していることが多
いと思います。そういうとき、自分に降りかかった問題をいっぺんに考える
のではなく、一つずつ解決していく。そういう姿勢でいたほうが、難局を乗
り切るためには有効なのではないでしょうか。
第127号 2003年6月14日発行 top
====                     ====
****    占いがやってはいけないこと    ****
====                     ====
 yahooの掲示板に、「四柱推命について話しませんか」というトピが
あるんですが、最近このトピに四柱推命の専門家とおぼしき人が来てくれて
いろいろと鑑定をしてくれます。おかげでこのトピはけっこう盛り上がって
いるんですが、鑑定結果を見ていると、時々「おや?」と思うようなことが
書いてある場合があります。

 どうも、四柱推命で鑑定すると、鑑定結果が決めつけ的になってしまいや
すいみたいですね。

 私が持っている四柱推命の本にも「利己的で慈悲の心を欠く程度は、劫財
(ごうざい)の数に比例する」なんてことが書いてありますが、こういう、
「決めつけ」的な占いをやることは非常に危険です。

 以前、ブーゲンブ村通信の36号でも書いたんですが、占いというのは一
歩間違うと深刻な差別を起こしてしまいます。前回も書きましたが、占いの
結果で「決めつけ」を行ってしまうと、こういう差別につながってしまいや
すいんですね。

例えば、「劫財(ごうざい)を持っている人は人格が劣る」とか、「ひのえ
うまの生まれは家庭に波風をもたらす」とか、こういう判定はするべきでは
ありません。第36号でも書きましたが、占いの結果にはかならずいい面、
悪い面の両面があります。例えば、劫財は正財を剋し、財運を落とすという
側面がある一方、自分自身を強化するという側面もありますし、ひのえうま
には気性の激しさという面と、積極的で明るいという面があります。

 このように、占いの結果には、必ず両面の見方があります。ですから、一
面的な見方で、決めつけ的なことをやるというのは、占いの解釈としては必
ずしも正しくないんですよね。

 占いに限らず、私たちは答えは一つしかないというふうに思いこんでいる
ことが多いようです。ですが、人間の本質を一つの答えで決めてしまうとい
うのは元々無理なのではないかと思います。ですから、占いをやる場合には、
特に人の性格とかの場合、こうだというふうに決めてかかるのはやめたほう
がいいと思いますね。

 世の中には、占いを信じる人は差別主義者だと言い切ってしまう人たちも
います。そう言われないためにも、占いで人を決めつけるということは厳に
慎まなければならないのではないでしょうか。

第143号 2003年10月18日発行 top
====         ====
****    形    ****
====         ====
 私たちは、ある程度の分別がつくようになると、自分の思ったことをス
トレートには表現しないようになります。例えば、ものすごく嫌っていた
人が亡くなったとしたとき、本音ではほっとしていてもお葬式では「惜し
い人を亡くしました」と言うのが普通ですし、結婚式で花嫁の衣裳(余談
ですが、結婚式の衣装は「衣裳」って書くみたいですね)がダサダサだと
思っても「きれいですね〜」って言うものです。

 こういうのは、社交辞令というか、礼儀というか、そういうものなんで
すが、私たちは、社会で生きていく上で、このように自分の思ったことと
違うことを言ったりすることがままあります。

 どうしてこういうことをするかというと、思ったことをストレートに言
っちゃったらケンカとかトラブルになってしまうからというのが主な理由
なんでしょうけど、それじゃあこんな社交辞令を相手は真に受けるかと言
うと、そうじゃないことも多いんじゃないでしょうか。

 例えば、「きれいですね〜」と言われたとして、それをそのまま受け止
める人もいないわけじゃないんでしょうけど、たいていは「どうせ社交辞
令でしょう」って思うのではないでしょうか。最初の例の、嫌いな人が亡
くなった例なんかでも、その人が亡くなった人を嫌っていることを知って
いる人なら、「口ではあんなこと言っているけど、内心は喜んでるくせに」
って思ってしまうでしょうね。

そうすると、最初のお葬式の例のやりとりはこんな感じになってしまいま
す。

−建前−「このたびは惜しい方を亡くしました」
−本音−(やっと死んでくれたよ、せいせいする)

−建前−「ご丁寧にありがとうございます」
−本音−(本音では喜んでるくせに、よく言うよ)

このように、実際に交わされる言葉と、テレパシーのように伝わる(言わ
なくてもこういうことは伝わるでしょう)本音とが全く異なるなんて例は
こういう場合でなくても多いでしょうね。

 それでは、この例の場合、この2人はケンカになるでしょうか。そうで
すね、ケンカにはなりませんね。お互いが本音で思っていることは痛いほ
ど分かっていたとしても、実際に発せられる言葉がそうではないから、ケ
ンカするきっかけというか、そういうものがないから、ケンカにならない
わけです。

 私たちは時々、見え見えの社交辞令なんてそらぞらしいだけだと思って
しまうこともありますが、この例のように、例え見え見えの社交辞令であ
っても、それによってケンカとかトラブルとかを回避できるわけですから、
そういうものが必ずしも意味ないというわけではないんですね。

 このように、心にもないことを形に出すという行為、一般的にはそうい
うのは不誠実だとか偽善的だとか言われることが多いのですが、そんなに
否定的なことばかりではないのではないかと思います。

 私も身内にイライラするような言動ばかりする人がいて、相当ストレス
が溜まることがあるんですが、そうやってストレスがたまったときは、意
識してその人に優しい言葉をかけるようにしています。そうすると、本音
ではストレスとか不快感があるにもかかわらず、そういうストレス、不快
感がかなり軽減されてくるんです。言葉に出す、形にするということは、
それ自体が心にも影響を与えるんですね。

 ですから、例えば母親がイライラして子供を虐待するとかいう場合、イ
ライラしたときに無理矢理子供に優しくするという訓練をすれば、そのう
ちイライラそのものが少なくなっていくのではないでしょうか。

感謝の気持ちを持ちたい人は「ありがとうございました」と口に出して言
う、きれいになりたい人は、「私は美しい」と声に出して言う、そうすれ
ば、本当に感謝の気持ちを持ったり、きれいになったりするのではないで
しょうか。

形から入って中身が伴わないものを批判する人は多いのですが、それでも
形を作ってみるということには意味があるのではないでしょうか。

第147号 2003年11月15日発行 top
====             ====
****    苦しいとき    ****
====             ====
 最近はリストラにあったり、過重な労働で体をこわして仕事をやめたり
するなどして、職を失う人が増えています。昨年までは筆者のところにく
る占いの依頼は恋愛がダントツだったのですが、今年は恋愛よりも仕事、
特に就職とか転職に関することが多くなってきています。
 また、恋愛についても、仕事がらみのものが多くなってきています。例
えば「彼氏がリストラにあった、どうしよう」などという依頼が多くなっ
てきています。

 今は特に若者に対して厳しい時代になってきてしまいました。こういう
厳しい時期がいつまで続くのかわかりませんが、とにかく私たちはこの厳
しい時代を何とか乗り越えなければなりません。

 さて、こういう苦しいとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。

 例えば、重さ10kgまで耐えられるロープが2本あり、これに荷物を
掛けるとします。掛ける荷物の重さは、次のとおりとします。

       1日目  2日目  3日目  4日目  5日目
ロープA   5kg  8kg 12kg  9kg  7kg
ロープB  12kg  9kg  7kg  6kg 11kg

このように荷物をかけていったとき、ロープAは3日目に10kgを超え
ますので、このときにロープが切れてしまいますし、ロープBは1日目で
切れてしまいます。つまり、このように荷物を掛けていったら、ロープは
2本とも切れてしまいます。

それでは、このロープが切れないようにするためにはどうすればいいでし
ょうか。

そうですね、ロープAとロープBを合わせて、2本で一緒に荷物を支えれ
ばいいですね。その場合、耐えられる重さは20kgになります。で、
かかる重さは次のようになります。

        1日目  2日目  3日目  4日目  5日目
ロープA+B 17kg 17kg 19kg 15kg 18kg

これなら、ロープAもロープBも切れないですみますね。

このように、1人ではどうしようもない状況でも、2人で力を合わせれば
何とかなるわけです。

ですから、苦しいときはみんなで助け合って乗り切るのがいいんですね

・・・・・

と美しい論理で終わればいいのですが、それでは次のような場合はどうで
しょう。

       1日目  2日目  3日目  4日目  5日目
ロープA   5kg  8kg  9kg  9kg  7kg
ロープB   8kg 16kg 12kg  6kg 10kg

この場合、ロープAとロープBがバラバラなら、ロープAは切れずに、ロ
ープBは切れます。
そこで、さっきと同じように2つのロープで力を合わせてみましょう。

        1日目  2日目  3日目  4日目  5日目
ロープA+B 13kg 24kg 21kg 15kg 17kg

となってしまい、2日目に重量オーバーで両方とも切れてしまいます。
つまり、この場合は、バラバラならロープAは助かったのに、一緒にやっ
たためにロープAもロープBも切れてしまうという結果になってしまいま
す。

つまり、場合によっては相手を見捨なければならないときもあるんですね。

今までは、苦しいときほど団結してみんなで乗り切るというのが常識でし
た。ですが、苦しさがある一定の限度を超えてしまったら、むしろ団結し
ないで、他人を見捨てた方が、結果として生き残る人が多くなるというこ
とになってしまいます。

逆に言えば、苦しいときほど人間の絆が深まると言われていたのですが、
苦しさも度が過ぎると、人間同士がいがみあうようになってしまうという
ことなんですね。

それでは、こういうときはどうすればいいのでしょうか。

1本のロープでは支えきれずに切れてしまうが、ロープ2本なら支えられ
るというのであれば、力を合わせて支えればいいわけです。

でも、2本で力を合わせても支えられないようなら、支えるのをあきらめ
てしまえばいいんです。

日本の食糧自給率は約40%、日本の農業生産額は年間約10兆円です。
この2つの数字から計算すると、国民全体で年間25兆円、一人当たり
約20万円あれば、今までと同じように食べていくことが出来ます。
つまり、月2万円あれば、とりあえず命をつなぐことは出来るのです。

自動車や宝石や服やブランドのバック、家などは、もし失っても、あとか
ら買い直すことができます。でも、命は今失ったら二度と得ることが出来
ません。人の信頼も、一度失ったらもとには戻りません。

苦しいときは、無理にいろいろ抱えようとしないで、必要最低限のものだ
けを守ること、失うと二度と得られない命や健康、人との信頼関係を大事
にして、生き延びるのがいいのではないでしょうか。

最後に、筆者が好きな言葉をあげて、今回のしめくくりとします。
これは、「ウイザードリー」というファミコンゲームの攻略本からの引用
です。

−生きていれば逃げることも、戦って敵を倒すこともできるのだから−
第164号 2004年3月20日発行 top
====            ====
****    積み上げ    ****
====            ====
 私は時々パソコンでプログラムを作ることがあるんですが、プログラ
ムを作るというのはかなり大変なことです。アルゴリズムを考えて、プ
ログラムを書いてみて、走らせてバグを修正して・・・・と、比較的簡
単なものでも結構時間と労力がかかります。それだけ手間と労力がかか
るものですから、最初プログラムを作ろうと思ったときは、本当にでき
るのか不安になるものなのですが、それでも頑張って作っていると、何
とかできあがるものです。

 このように、一見大変なことでも、頑張ってやっていれば何とかでき
るということは、結構あるんですね。

 ところで、最近のビジネス誌などをみていると、「当たり前のことを
やっていたのではダメだ」というようなことがよく書いてあります。こ
ういうことがよく言われるから、私たちの多くが、困難に直面したとき
に、「当たり前じゃないこと」をやろうとしているのではないでしょう
か。

さて、ここで問題です。

あなたは、東京から大阪まで歩いていかなければならなくなりました。
東京から大阪までの距離は約600kmです。さて、あなたはどうすれ
ばいいでしょうか?
































東京から大阪まで歩くなんて大変ですよね。ですから、何とか、とんち
か何かで楽したいと思うのは無理ありません。例えば、新幹線に乗って
その中を歩いて行ったとか、そんな感じのことを考えた人もいるのでは
ないでしょうか。でも、それはインチキですよね。

正解は
「とにかく大阪に向けて歩き出す」
ということです。

人間は時速4kmぐらいでは歩けますから、1日10時間歩いたとして、
1日に40km進むことが出来ます。すると、東京−大阪間の600キ
ロを歩くためには、

600÷40=15

で、15日あれば着くことになります。15日も歩き続けるのは、現代
人にとっては気の遠くなるようなことですが、それでも15日歩けば、
一見不可能に思えることを達成することが出来るんです。

東京から大阪に歩いて行けと言われて、素直に歩き出すのは、当たり前
のことで、工夫も何にもないと思うかもしれません。しかし、その当た
り前の工夫も何もないことを続けることで、目的を達成することができ
るんです。

仕事をするときの教訓に「ABC」というのがあります。これは、

「A−あたりまえのことを」
「B−バカにしないで」
「C−ちゃんとやる」

ということです。これはどんなことにも当てはまります。時には、魔法
のような逆転の発想が功を奏することもあるでしょうが、基本は当たり
前のことをちゃんとやることなんですね。

最近はテレビなんかで裏技とか魔法とか、そういうことばかりが取り上
げられていますから、素直に当たり前のことをやっていたのではバカみ
たいに感じるのかもしれません。ですが、世の中の大半のことは当たり
前のことを当たり前にやって出来上がっているんですね。

今行き詰まっている人は、何か逆転の発想をと考えている人も多いと思
いますが、まずは当たり前のことをちゃんとやる、そういう考え方で自
分を見直すといいのかもしれません。
第170号 2004年5月1日発行 top
====             ====
****    全体をみる    ****
====             ====
 日本のGDPは約500兆円で、このうちサラリーマンの給料は約200
兆円なんだそうです。そうすると、残りの300兆円は、会社や企業の収
益、個人事業者や農林水産業の人の収入ということになります。このうち、
個人事業者や農家等の申告所得額は、約40兆円ですから、残りの260
兆円は企業の収益になります。そうすると、法人税率を20%で計算して
も、全体の法人税額は約52兆円になります。ところが、実際に国庫に入っ
ている法人税は約10兆円ですから、差額の約42兆円が、本来国庫に入
るべきなのに、何故か国庫に入っていないということになるんです。

のっけから難しいことを書きましたが、このように、全体をみてみると、
いろいろとおかしなことが分かってきます。この例では、一つ一つの税金
の申告からは分からないのでしょうが、全体をみると、本来国庫に入るべ
き税金のかなりの部分が、実は国庫に入っていないというのが分かってき
ます。これが、制度の不備によるものなのか、脱税によるものなのかは分
かりませんが、全体的な見方をすることによって、一つ一つの事例をみた
のでは分からないことが分かってくるというのは結構あります。

 占いでも、似たようなことは起こります。例えば、天中殺ですが、年月
日のどれか1つ以上が天中殺になる日は、全体の4割以上になります。も
し、天中殺のときにはものすごく悪いことが起きるとすれば、ほぼ2日に
1回はものすごく悪いことが起きているはずです。ところが、実際は、天
中殺を意識しなくてもたいていは平穏無事にいられるわけですから、天中
殺だからといって、少なくともそんなに悪いことが起きるわけではないと
考えていいんですね。

 このように、ひとつひとつのことを見ていただけでは分からないことで
も、全体を考えると分かるということは結構あるんですね。

 私たちは、教育のせいか、ものごとを細かく考えるのがいいと思ってし
まうようです。細かく考えるのは悪いことではないのですが、あまりに細
かいことばかりに意識がいきすぎて、全体を見ることを忘れていることが
多いようです。このため、細かいところは正しくても、大きなところを間
違ってしまうということがよく起きます。
例えば、150.358という数字があったとき、これを150.357
というふうに間違えることは意外と少ないのですが、これを
1500.358というふうに間違えることは多いものです。もちろん、
150.357という間違いより、1500.358という間違いの方が
実際のダメージは大きくなります。

このように考えると、細かいところだけをみて、全体をみないということ
がいかに危険なことかというのが分かるのではないでしょうか。

全体を見るというのは、意識さえすればそんなに難しいことではありませ
ん。インターネットで調べれば、たいていの統計データは手に入りますか
ら、そのデータをみて、全体的に考えると占いなどの結果が正しいかどう
か、検証することが出来ます。

例えば、占いで、特定の日時に生まれた乳児は生まれてすぐに死亡すると
いう結果が出たとします。その場合は、まずその年の乳児死亡率をみて検
証するといいでしょう。
 2000年の日本の乳児死亡率(生まれて1年以内に死亡する率)は、
0.32%だそうです(厚生労働省調べ)。つまり、約300人に1人で
す。これを占いの結果と比べてみます。もし、生まれてすぐ死亡するとい
う結果が出た生まれ日が2000年中に3日あったとすると、この3日だ
けで、全体の365分の3、約0.8%になりますから、この結果は明ら
かにおかしいというのが分かります。

 細かいことに没頭してしまうと、どうしても全体が見えにくくなります。
ですから、占いでも、それ以外のことでも、物事が煮詰まってきたら全体
的視点から見直すという姿勢を持つことは、大きな間違いをしないために
大切なことなのではないでしょうか。
第182号 2004年7月31日発行 top
====                   ====
****    B/C(びーばいしー)    ****
====                   ====
 占いの依頼全体の中では少ないのですが、ときどき金運に関することを
占うことがあります。その中でも「おかねをどんどん使ってしまう」とい
う悩みがあるみたいですね。実は、「お金を使いすぎている」というふう
に悩んでいる人は、まずお金で問題になることはないんですね。本当にお
金で問題になる人は、自分が浪費しているという自覚がありませんから。

 さて、このように「お金を使ってしまう」という人には、タイトルにあ
げた「B/C(ビーバイシー)」という話をすることがあります。

Bはbenefit(便益)、つまり、役に立つ度合いのことで、
Cはcost(費用)のことです。
つまり、B/Cというのは、使ったコストに対してどのくらい役に立った
かというのを表すものなんです。もともとは、公共事業が役に立つかどう
かを判定するのに使うもので、道路公団の問題のときに、B/Cという言
葉が出たのを聞いたことがある人もいると思います。

たとえば、10000円の洋服を買おうとするとき、それに12000円
分の価値があると思ったら、

B/C=12000/10000=1.2

というふうになるんですね。逆に、10000円の服に8000円の価値
しかないと思ったら、

B/C=8000/10000=0.8

というふうになります。
このことからもわかるように、B/Cが1より大きければ、それは買う価
値があり、1より小さければ、買う価値はないということになります。

 さて、このB/C、具体的にはどう使うのでしょうか。

 たとえば、今欲しいものが3つあって、それが

 10000円の服
 15000円の靴
 20000円のバッグ

だったとします。このとき、欲しいものそれぞれについて、どのくらいの
価値があると思うかを考えます。たとえば

 10000円の服   − 13000円の価値があると思う
 15000円の靴   − 20000円の価値があると思う
 20000円のバッグ − 25000円の価値があると思う

とします。そして、それぞれについてB/Cを計算します。
この例の場合は

 服   13000/10000=1.3
 靴   20000/15000=1.33
 バッグ 25000/20000=1.25

となりますから、B/Cは靴、服、バッグの順に高くなります。
あとは、予算の範囲内で、B/Cの高い順に買っていけばいいんですね。
たとえば、予算が3万円だとすると、まず靴、服の順に買って、バッグは
次回に回すというふうにするわけです。

このように、B/Cを考えることで、お金を有効に使うことができるんで
すね。

 ところで、欲しいものの価値はどうやって決めるのがいいんでしょうか。
公共事業などの場合は、どのくらい利便性や安全性が増えるか、地域の経
済がどのくらい活性化するかなどを便益として計算しますが、個人の欲し
いという気持ちをどう算定するかは難しいですね。

 あくまでも一つの方法ですが、
「これを買うために○○時間残業がんばれるか」
というのを一つの目安にするといいかもしれません。

たとえば、10時間残業がんばってでも服が欲しいと思ったとします。
仮に残業代が1時間2000円とすると、2000円×10時間で、
20000円の価値があるというふうに考えるんです。

 ほかの方法としては、欲しいものがある場合とない場合を比べたときに、
生活がどのように違ってくるかというのを考える方法もありますが、これ
は、電気製品とか自転車などの実用品の場合でないとうまくいかないよう
です。

B/Cというのは、お役所で使う非常に固い概念ですが、個人の消費活動
に応用すると、結構役に立つのではないでしょうか。
第184号 2004年8月14日発行 top
====              ====
****    いつか来た道    ****
====              ====
 子供の頃、親の言うことに反発したことは、誰にでもあると思います。
そして、大人になって、

「あのとき親に言われたことは正しかったんだなあ」

と思うことって、結構あります。そうすると、今度は自分が親になったと
き、自分の子供に、同じことを言うことになるでしょう。
ところが、自分の子供に同じ事を言えば、おそらく、子供は、自分が子供
のときと同じように反発するでしょう。

このように、親に言われて子供が反発する、そして、その子供が大人にな
ると、親に言われたことを理解して、それで自分の子供に同じ事を言う。
こういう連鎖が続くことになるんですね。

 でも、よく考えてみると、自分が子供の頃に親に反発したのだから、自
分の子供も反発するというのはわかりそうなものです。それなのに、なぜ、
反発されるのに親は言うのでしょうか。

 例えば、ものすごく美味しそうなケーキがあったとします。実はこのケ
ーキはものすごくまずいのですが、それは、実際にケーキを食べてみない
とわかりません。見た目がものすごく美味しそうだったら、このケーキを
食べた人から

「このケーキはまずいから食べない方がいい」

と言われても、簡単には信用できないでしょう。そうすると、このケーキ
がまずくて、食べない方がいいということがわかるためには、実際にケー
キを食べてみるしかないわけです。

 親の言うことに子供が反発するというのは、これに似ています。親とし
ては、自分がまずいケーキを食べて失敗したから、子供には失敗して欲し
くないと思って、「このケーキはまずい」という訳ですが、いかにも美味
しそうなケーキを目の前にした子供はそれに納得がいかない。そして、実
際にケーキを食べてみて、身をもってまずいことを知る。こういうことに
なるんですね。

 つまり、親としては自分がしたような失敗は回避して欲しいと思うので
すが、子供は、それが失敗だとは分からないから、それを回避することが
できないということなんですね。
 この場合、子供が親の言うことを聞けば、失敗は回避できます。しかし、
身をもって失敗を知るという経験を飛ばしたままでは、いつまでも釈然と
しない気持ちが残るのではないでしょうか。
 致命的な失敗をして、後遺症が残るなど、将来に禍根が残るようでは困
りますが、そうならないような失敗をすることは、成長に必要なのではな
いでしょうか。

 筆者もいつの間にか歳をとってしまい、それなりにいろんなことを経験
してしまいました。そのためか、若い方を占うときに、

「これは失敗するなあ」

というのが分かるときがあります。そういう場合、親が子供に言うように、

「これは失敗するからやめた方がいいですよ」

と言いたいところなのですが、こういう場合は、やめなさいと言っても納
得してもらえないことが多いものです。

そういう場合、、以前は何とか工夫して説得しようとしていたのですが、
最近では、失敗することも重要な経験じゃないかというふうに思うように
なりました。ですから、最近では、そういう場合
(ただし、失敗が致命的にならない場合)

「うまくいく確率は低いですが、やってみてもいいのではないかと思いま
す。」

というように、煮え切らない返事になってしまっています。

 失敗を回避して、成功を手に入れるようにアドバイスするのが、占いの
役目だと思いますが、失敗というものを実際に経験して糧にするというこ
とも、必要な場合があるのではないでしょうか

第190号 2004年10月2日発行 top
====             ====
****    組み合わせ    ****
====             ====
たとえば、次のような、Aさん、Bさんという和食の料理人がいたとします。

Aさんは、魚をさばくのは天下一品だけど、味付けは下手で話にならない。

Bさんは、味付けは天下一品だけど、魚をさばくことができない。

 この二人の料理人、このままでは料理人としては失格といわざるを得ない
でしょうね。では、この二人は、料理人をあきらめるしかないのでしょうか?

 そうですね、この2人がペアになって、Aさんが魚をさばき、Bさんが味
付けをすれば、天下一品の料理人になりますね。

 このように、単独ではうまくいかないけど、組み合わせることによって、
うまくいくということはよくあります。

 さて、この組み合わせ、どのような場合がうまくいくのでしょうか。

 最初の例の場合は、この2人は、料理人としてものすごく優れた面と、致
命的な欠点を両方合わせ持っています。そして、2人が、相互にお互いの欠
点を補って、全体がうまくいく形になっているのがわかります。その結果、
お互いの欠点の悪い影響が無くなり、いい面がフルに生かされることになる
んですね。

 組み合わせが大きな効果を生み出す場合というのは、次のような場合があ
ります。

1.長所もすごいが、欠点もすごいという場合に、その欠点を補うものを組
み合わせ、長所を生かす場合。

2.単独では平凡だが、組み合わせることによって平凡な能力が大きく効果
を生み出す場合。

3.すごい長所があるが、そのままではそれが生かされない場合に、それを
生かせるような人(またはもの)を組み合わせる場合。

 さて、私たちが人同士で組み合わせを組む、一番基本的で重要なものは結
婚でしょう。今まで述べたように、人同士の組み合わせが大きな効果を得る
ことがあるのですから、いい結婚ができるかどうかは、自分を活かすことが
できるかどうかにかかわってきます。

 占いのテーマで、結婚というのは非常に重要で、結婚運を占うことは多い
のですが、今での占いの経験からすると、多くの人が結婚相手に求めている
のは、

「その人がいかに優れているか」

ということなんですね。優れている内容は、容姿だったり経済力だったり優
しさだったりと、さまざまなんですが、相手が「単独で」優れていることを
求める人が多いです。

 結婚相手が優れていることを望むというのは、よい結婚生活を送ることを
考えれば一理あるのですが、結婚というのは、自分と相手が一緒になること、
つまり、自分と相手の組み合わせを作ることなんですね。ですから、相手が
優秀な方が必ずしもいいとは限らないんです。

 例えば、こういう2人の男性がいたとします。

Sさん:仕事ができ、家事もこなせるが、ゴキブリが苦手
Tさん:仕事はあまりできず、家事もできないが、ゴキブリは平気

 この2人の場合、単独ではどう考えてもSさんの方が優秀でしょう。とこ
ろが、

U子さん:仕事ができ、家事も完璧、ただ、ゴキブリが出たら大パニックに
なり大変なことになる。

という女性がいたとします。もしこの人がSさんかTさんのどちらかと結婚
するとしたら、どちらが結婚生活がうまくいくでしょうか。

Sさんと結婚すれば、仕事も家事も完璧で一見いいようですが、家にゴキブ
リが出現したら、2人ともゴキブリが苦手なので、大パニックになります。

逆に、Tさんと結婚した場合、仕事や家事はU子さんができるので、生活に
は支障がありませんし、もしゴキブリが出た場合は、Tさんが的確に処理を
してくれます。

 そうすると、U子さんにとって、よりよい結婚生活ができるのは、Tさん
と結婚したときということになるわけです。

 このように、結婚生活がいい結果になるかどうかは、相手が単独で優れて
いることよりも、二人が組になったときにいい結果がだせるかどうかが大事
なんですね。

 組み合わせというのは、平凡な人を大物にしたり、ものすごい欠点の持ち
主をすばらしい人に変えたりすることがあります。そして、その逆もありま
す。
組み合わせは、カードゲームなどでは「コンボ」といいます。人生のいろん
な場面で、いいコンボを作ることができれば、よりよい人生が送れるのでは
ないでしょうか。