灰色の部屋―オリジナル選択小説
挿話 -Ravum(灰)


ダレが黒で、ダレが白か‥‥、謎に包まれた灰色の迷宮へようこそ(笑)!?

※この話は現代版で選択式ノベルです♪
※この話は恋愛がメインです(そして一部妖しいところがあります)
※この話の一番の黒幕を探してみて下さい♪
※毎週、いずれかの選択肢(投票の多かった方)を更新していきます。
※この朱色挿話の人物関係は本編とほぼ同じです。
※ときどき男同士や女同士になったりします
↓最新更新分へとぶ  ↓推理&感想♪ ↑TOPへ戻る  ↑異世界トリップへ


↓ここが入り口です♪それではスタート♪






 長年仲良しだった親友が、今日結婚式を挙げた。

 仲間内では一番童顔で、性格も身長も小さくて、結婚なんて出来るのか
と心配されていた彼女は、今日は白いウエディングドレスに身を包み、恥
ずかしそうに俯いている。
 相手の男は本当に彼女の相手なのかと疑うほどに鋭く冷たい瞳を持つ、
ほっそりとした黒髪の青年だった。
 相手の家はかなりの金持ちだったらしく、披露宴は一流ホテルの巨大ホ
ールに何百人も集めて行われていた。しかし、その中で親友側の親戚の姿
はなく、見知った友達も他にいなくて、どこか異様な感じがする。
 居心地の悪い中で格式の高い披露宴が何とか無事に終わり、煩い肩書き
を持った者たちを二次会、三次会で殺ぎ落とそうとしたところで減らない
人口に閉口したラフィエは親友と語らうことはできそうにないと諦めて席
を立った。
「あ、ラフィエ、帰るのか」
 同じように居心地悪くしていたのか、友達のココが目ざとく見つめて駆
け寄ってくる。
「ああ‥‥‥シーウィも、私たちに気を使っているようだしな」
 人だかりに囲まれている花嫁に申し訳なく軽く手を上げながら入り口に
向かう。
「これだけの人数がいる中でニ十分も話せたんだ。これ以上はあいつにも
迷惑がかかる。ずっと気を使わせるのも悪いし、私たちはいつでも会える
からな」
「そっか、そうだな」
 ココはごく自然にラフィエの半歩後ろから後をついてくる。
 ホテルの外へ出るとラフィエはほっと息をついた。


選択♪
B→二人きりになったココとラフィエは‥‥ ※こちらを選ぶと赤・緑路線ページに移動します
C→残されたシーウィは‥‥(青路線)
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C


C→残されたシーウィは‥‥



 親友のラフィエとココが戸口の向こうに消えると、瞬く間に会場の雰囲
気が変わった。

 賑やかな宴会の気配は掻き消え、参加者のフリをしたSPたちが、次々
と立ち上がり部屋を出て行く。戸口には鍵をかけられ、会場は片付けられ
始めた。
「シーウィ様」
 黒服の一人の男が傍らで膝をつき、名を呼んだ。
 シーウィは返事を返すことも忘れたままラフィエが消えた戸口を眺め続
ける。
「これで心残りはございませんね」
 シーウィは答えられなかった。
 心残りなんて、いつまでたってもなくなるはずがない。
「二人には、何もしないで‥‥‥お願い‥‥‥‥」
 目尻には涙が浮かび、それだけ言うのがやっとだった。
「約束は守ります。あの二人が余計なことに首を突っ込んで来ない限り、
こちらから手を出したりは致しません。では参りましょうか、花嫁殿。花
婿殿が待ちわびておられます」
「‥‥‥ええ」
 シーウィは『夫』の部下のフェレツに連れられ、式場を後にした。

◇ ◇ ◇

「ヤッホ〜♪ サーテュ、結婚オメデト」
 真っ白のスーツを着て、黄色い薔薇を腕いっぱいに抱え入ってきたのは
悪友のエディアルだった。
 サーテュスはちらりとエディアルを見ただけで挨拶もせずにパソコンへ
視線を戻す。
 カタカタカタと規則正しく刻むリズムを心地良く聞きながら、エディア
ルは遠慮なく部屋へ足を踏み込んだ。
「今日式だったのに、モウ仕事? そんなんじゃ花嫁さん泣くよ?」
「‥‥‥アレはいつも泣いている」
 サーテュスは手を止めると、眼鏡を外し曇りを拭う。
「花嫁さん、生きてた?」
「無事だ」
「‥‥‥‥ま、あれだけSP入ればネ」
 会場の半分はSPだったジャン、とエディアルは拗ねる。
「にしても、本当に結婚しちゃったんだね」
 可愛かったなあ‥‥ウエディングドレス姿。
 エディアルうっとりと今日の式を思い返す。
「人のモノって、なんか燃えるよネ」

 はっきりと残忍、とわかる笑みにサーテュスは何も答えなかった。


選択♪
SA→サーテュスはシーウィに声をかける‥‥
SB→エディアルはシーウィにさっそく悪戯‥‥
→眼鏡のサーテュス♪(絵)


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SA


SA→サーテュスはシーウィに声をかける‥‥


 結婚式が終わり、夜にもなるとサーテュスはすっかり通常の状態に戻っ
ていた。

 リレイナはいつもどおりにコーヒーを入れ、そっとサーテュスの机の隅
に置く。
「宗主、本日の式は無事に終わり本当に安心致しました」
 頭を下げてリレイナが告げると、サーテュスは頷きもせず視線はパソコ
ンの画面から離さぬまま片手でカップを手に取る。
 それをリレイナは気にも止めずに微笑んで見つめていた。
 本当に、今日の日が無事に済んでよかった。
 サーテュスはリウゼン一族を率いる宗主の座についている、一族のトッ
プだ。リウゼン家といえば世界中の裏取引と通じているといわれているネッ
トワークを持つ内にも外にも毒蛇だらけという家で、もちろんこのサーテュ
スも父と兄を殺して今の位置についた、『実力』の持ち主だ。
 だからこそ敵も多く、飼っていた愛玩動物のシーウィと結婚するとサー
テュスが言い出してからの内部は大混乱状態だった。
 大概の者は人との接触を嫌うサーテュスが、結婚を避けるためにこんな
行動を取ったのだと思っていたが、リレイナはサーテュスの行動をそのよ
うには取っていなかった。
 サーテュスは、肌に触れることができたというだけで結婚しようと、ま
してや一生側に置こうと思う性格ではないと知っていたし、無言な彼がど
ことなく満足な様子を見せるたびに、リレイナまで心が温かくなり安心す
るのだ。
 満足して、席に戻ろうとリレイナが足を踏み出したとき、扉が僅かに開
かれて閉じられた。
「シーウィ‥‥‥?」
 リレイナは声を掛けた。
 この場所まで許可なく入ってこれる者はシーウィしかいないのだ。
 だからリレイナはそう予想し、そして躊躇いがちに開かれた扉の先にい
たのははやりシーウィだった。
「‥‥‥どうしたのですか?」
 何かを堪えるように俯きながら入ってくるシーウィに、リレイナは近寄
る。肩に触れようとするとびくりとシーウィは震え、リレイナから離れた。
「な、何でもないの」
 シーウィは無理に微笑む。
 リレイナが何かを言いかけた時、サーテュスが仕事の手を止めてシーウィ
を手招きした。
 シーウィは息を呑む。
「サーテュス、あ、あの私‥‥‥‥」
「来い」
 言葉はそれだけで、手を伸ばされる。
 シーウィは戸惑った。


選択♪
SC→シーウィは耐え切れず飛び出した。
SE→シーウィはおそるおそるサーテュスに近づいた。
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SB


SB→エディアルはシーウィにさっそく悪戯‥‥


 シーウィは高層マンションの自分の与えられた部屋へ帰り着くとようや
く監視から逃れることができてため息をついた。
 リレイナの姿が見当たらないところをみると、サーテュのところへ行っ
ているのだろう。
 シーウィはソファーに倒れ込むように崩れた。
「ラフィエ‥‥‥‥」
 結婚式で思い返すのは新郎でも親戚でも式場でもなくて、朱色の髪の親
友の姿。
 本当は、もっと話したかった。
 二人でいたかった。
 でも何て遠くなってしまったんだろう。
 シーウィは視線を落とし、頬ずえをつく。
 その時、カチャリと扉が開いて誰かが入ってきた。
「やァ」
 その声に、シーウィは立ち上がる。
「エディアル」
 戸口に立っていたのは、白い髪白いスーツの青年だった。気だるい笑み
を見せながら眼光だけは鋭い視線に捉われて、シーウィは息を呑む。
「‥‥あ、あの‥‥‥帰ってください」
 シーウィは精一杯強い声で言った。
「ナンで?」
「‥‥私、サーテュスのところへいかなくちゃ」
「イイでしょそんなの後で」
 エディアルは無視して歩み寄ると、逃げる間もなくシーウィの身体を抱
き上げ、抱き締めてソファに座る。
 シーウィは震えた。
 これから何が始まるか、嫌というほど身体に覚え込まされている。
「あ、あの、私、結婚したから、もうこんなのは‥‥‥」
「あんなの形式だけって知ってるでしょ」
 エディアルは柔らかい水色の髪に口付けをしながら腰にまわした手を服
の中に差し入れる。
 シーウィは息を詰めた。
「や‥‥‥めて‥‥‥」
「おやめ下さいご主人サマ、でショ」
 最後まで覚えなかったね、とくすくすエディアルは笑う。
「せっかく俺が苦労してキミを手に入れたのに、サーテュスときたらそれ
を横から奪っていくんだから酷いよネ」
 言いながら、柔らかい首筋に後ろから噛み付く。
 シーウィは唇を噛み締め痛みに堪えた。
「ま、サーテュはキミという道具をうまく使ったから、これで誰からも結婚を
強要されずに済むケド。」
 道具‥‥‥。
 ずきりと胸が痛み、シーウィは俯く。
「じゃなきゃ結婚なんてサーテュスが言い出すはずないでショ? 親戚婚
約者連中に殺されなくてよかったネ」
 エディアルは微笑みながら心に剣を突き刺していく。
 シーウィはエディアルが怒っているのだとは感じたが、何に怒っている
のか理解できないまま痛みと快楽に引き摺りこまれていった。


選択♪
SC→こんな姿じゃ会えない。シーウィはサーテュスのところへ行かず閉じこもった
SA→何もなかったように振る舞えば‥‥。シーウィはサーテュスの元へ行った


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SC


SC→こんな姿じゃ会えない。シーウィは閉じこもった。


 シーウィは肌が赤く腫れるほど強く擦って穢れを流し、ふらつく足でシャ
ワー室を出ると服のボタンも止めないまま自分のベッドの上に崩れ落ちた。
 ゆっくりと深い呼吸をするだけで、酷使された身体が僅かな痛みを返す。
「う‥‥‥」
 シーウィは身体を丸めて震える指を噛んだ。
 無理矢理封じ込めた嗚咽が目から滴となって零れ落ちる。
 僅かに開いたカーテンの向こうから、暗い室内に高層ビルの明りが漏れ
入りシーウィの濡れた瞳を照らした。
 帰りたい。
 目を閉じると、溜まっていた熱い滴が頬を伝い降りていく。
 もう、帰ろう。
 ここにいても、苦しいだけだ。
 式を挙げても何も変わらない。自由に出入りできるエディアルには陵辱
され、サーテュスは自分を道具としか思ってくれなくて。
 そんなのは辛すぎる。もう、これ以上耐えられそうにない。
 だから、ここから出よう。
「シーウィ?」
 突然、部屋の明りが甦った。
 静かな部屋に、気遣うようにゆっくりと入ってくる気配。
 シーウィは咄嗟にシーツを手繰り寄せ、泣きはらした顔を隠した。
「シーウィ‥‥‥気分でも悪いのですか」
 リレイナは寝室の寝台の上に、シーウィの姿を見つけて安堵し近づいて
くる。ベッドの上に腰を掛けると、そっと水色の髪を掬い優しく声を掛け
た。
「シーウィ、何かあったのですか?」
 リレイナの眼差しは優しかった。
 シーウィは泣き腫らした目でリレイナを見上げる。
「私‥‥‥帰りたい」
 その言葉にリレイナは軽く目を開いた。
 シーウィの身体を起こしてやり、俯く彼女の顔を上げさせる。
「何を言うのです。宗主もお待ちですよ」
「嫌なの」
 シーウィは震える声で言った。一気に感情が溢れてくる。
 リレイナを見つめたまま縋りつき、シーウィは叫んだ。
「もう、ここにいたくないの」
 シーウィの目は真剣だった。
「帰りたい。ねえ、家に返して、リレイナ‥‥‥‥」
「シーウィ‥‥‥」
 リレイナはシーウィを抱き締め、落ち着かせようと背中を撫でた。
「シーウィ、貴女は今日やっと結婚式を挙げたところなのですよ」
「そんなの。‥‥ただの、‥‥‥‥形式だけなんでしょう?」
 そう呟くシーウィの声は弱々しかった。
 リレイナは軽く息を吐くとシーウィを抱き上げた。
 シーウィはサーテュスの元へ連れて行かれると思い動揺する。
「なぜそのようなことを」
「だって‥‥‥サーテュス、私のことなんて道具ぐらいにしか思ってない
んでしょう! だったらいなくなったって‥‥‥」
 リレイナは新たな涙を零すシーウィをきゅっと抱き締めると、小さく呟
いた。
「何を馬鹿なことを‥‥宗主は‥‥‥いえ、宗主に会いにいきましょう」
 リレイナは歩き出した。


選択♪
SD→シーウィはリレイナを引き止める。「傍にいて‥‥」(※危険(笑))
SE→リレイナはシーウィをサーテュスの元へ連れて行く。

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SD


SD→シーウィはリレイナを引き止める。(※女同士が苦手な方は飛ばしてお読みください‥‥)


「待っ、待ってリレイナ!」

 連れて行かれそうになったシーウィはリレイナを振り解いて逃れた。
「私‥‥‥私、こんな姿じゃサーテュスに会えない」
 伸ばされた腕から距離を取り、シーウィは真剣な表情でリレイナを見上
げる。
「シーウィ‥‥‥」
 何かを言いかけたリレイナをシーウィは遮った。
「だって私」
 シーウィは頬を赤く染めながら、そっと前を開く。
 ふくらみの少ない胸‥‥その上の鎖骨の辺りに散らばる、赤い印。そし
て白い肌に残る痛々しい噛み跡。
「私さっきエディアルに‥‥‥」
 やっとのことでそれだけ言うと、シーウィは手を震わせる。
「だから。こんな姿、サーテュスに見せたくないの」
 シーウィは小さな声で言うと、逃げるように寝室へ駆けていった。
「シーウィ‥‥‥」
 リレイナは伸ばした手を握り締める。
 サーテュスから、なかなか現れないシーウィを連れてくるようにと言わ
れた。自分はその命を果たさなければならない。しかし‥‥。
 寝室に入ると、シーウィがうつ伏せで枕に顔を埋もれさせていた。
 リレイナはそっとシーウィの髪を掬いながら柔らかな首筋に口付けた。
「リ、リレイナ‥‥?」
「私が清めてさしあげます」
 リレイナは微笑むと、シーウィの身体を起こして胸に唇を落とす。
「あ‥‥‥」
 愛撫の手が深くなり、シーウィの背が弧を描いた。
 リレイナは綺麗に微笑む。
「全部、私が塗り替えてあげます。何も考えずに身を委ねなさい」
 リレイナの瞳も声も普段と変わらぬ優しさで、だからこそシーウィはど
うしたらいいのかわからなかった。
 戸惑いを見せる間にリレイナの指が服を取り去り、柔らかい肌を羞恥の
色に染めていく。
「あ‥‥や、め‥‥‥」
 リレイナは隠された中心に辿り着くと、そっと指を沈めた。
 内部が熱く絡みついてくる。
「やぁっ‥‥‥ぁ‥‥‥‥」
 細くてきれいなリレイナの指が、容赦なく狭い箇所を擦り上げてくる。
 中途半端な刺激を注ぎ込まれ、それが口から途切れ途切れの吐息となっ
て漏れていく。シーウィは足の先まで力を入れて必死で堪えようと首を
振った。
「可愛いですよ」
「っ‥‥‥ぁ‥‥‥‥やだ‥‥ぁっ」
 増やされた指が更に追い詰め、シーウィは引き攣った悲鳴を漏らした。
「ぁあっ‥‥あ、ぁ! アッ」
「ここですか?」
 浅い場所を小刻みに突きながら一番感じる所を刺激してやると、腕の中
の身体は水色の髪を振り乱しながら、白い布の上で悶える。
「や、そこ‥‥やだッ、やだぁ‥‥ァッ‥!」
 新たな涙を振り撒きながら、シーウィはもはや抵抗する事も忘れ、され
るがままに身悶える。
 リレイナは赤く染まる頬に唇を落とすと、弱い箇所を激しく突き上げた。
「ヒぁ‥あ―――‥ッ!!」
 シーウィの喉の奥から、悲鳴とも取れる嬌声が迸る。小さな身体は寝台
の上でびくびくと跳ね、そしてリレイナの腕の中へ落ちていった。


選択♪
SH→「エンディング」サーテュスとシーウィ
SI→「エンディング」リレイナとサーテュス&シーウィ

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SE


SE→シーウィはおそるおそるサーテュスに近づいた。(シーウィはサーテュスの元に残された)


 シーウィは結局、いつもの低位置に座らされていた。
 定位置というのは、仕事をするサーテュスの隣だったり膝の上だったり、
とにかく手を伸ばせば触れられる範囲内ということで。
 シーウィは深くため息をつきながらサーテュスの胸に寄りかかる。
 そのまま時間だけが過ぎていった。
 サーテュスはシーウィを片手に抱きながら、仕事を続けていた。一体、
どうしてそんなに仕事があるんだろう。
 このままではまたいつものように一日が終わってしまう。
 シーウィは決意してサーテュスの腕から抜け出し、向かい合った。
「ねえ、サーテュス‥‥‥‥」
「何だ」
 サーテュスは顔も向けない。
 シーウィは思い切って言った。
「私、ここから出たいの。出て、帰りたいの!」
「なぜだ」
 サーテュスはまだ顔も向けない。
「だって‥‥‥サーテュス、結婚したくないから私を利用しただけなんで
しょう? それに、結婚式を挙げたって、何も変わらないし‥‥‥。お互
い好きでもないなら、離れた方がお互いも幸せになると思うし‥‥」
 サーテュスはようやく手を止めた。
 そして顎に手を当て、シーウィの告白について考えてみる。
 結婚すると告げた。人を集めて盛大に式も挙げた。
 まだ何か抜けていたのだろうか。
「ああ‥‥‥指輪がまだだったな」
 サーテュスは淡々と告げる。
「サーテュス分かってない!」
 シーウィは涙目で叫んだ。
 サーテュスは初めてシーウィの方を見た。
 シーウィが目尻に涙をためて自分の方を見るその姿に満足しながらも、
原因を追求するために口を開く。
「お前の説明は理解し難い。何が条件に合わないのだ」
「だから、条件とかじゃなくて‥‥‥!」
 必死に涙を堪えて肩を震わせるシーウィを引き寄せ、サーテュスは抱き
締めてやる。
「もういい、お前に聞くと時間が掛かる」
 サーテュスはテーブルの上の薬を口に放り込んだ。
「先に寝ていろ」
 そっと口付けて、薬を流し込む。
「サ‥‥‥テュ‥ス‥‥‥」
 抱き締めている柔らかい身体から力が抜けた。
 サーテュスはシーウィの髪を撫でながら、シーウィがどの時点から現在
の心情に変化したのかを確かめるため、シーウィの部屋の監視カメラをチェッ
クし始める。それからしばし思考し‥‥‥。
「エディアルを呼べ」
 サーテュスは内線で指示を出した。

◇ ◇ ◇

 現れたエディアルに、サーテュスは単刀直入に述べた。
「エディアル。今後シーウィに触れることを禁じる。‥‥‥変わりに俺が
相手をしよう」
 衝撃の申し出にエディアルは目を見開いた。


選択♪
SF→サーテュスの申し出をエディアルは喜んで受ける。
SG→サーテュスの申し出をエディアルは複雑な表情で辞退する。


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SG


SG→サーテュスの申し出をエディアルは複雑な表情で辞退する。


「フーン‥‥」

 エディアルはゆっくりと歩み寄り、デスクのサーテュスを見下ろした。
「本気に取っちゃうよ。イイの?」
「ああ」
 サーテュスはエディアルの赤い瞳を平然と見返す。
 エディアルはそっと頬に手を添えた。
 サーテュスは身動ぎもしない。
 そっと唇を重ねる。エディアルはゆっくりと唇を合わせては離し、乱れ
のないサーテュスの呼吸を味わった。そして‥‥‥。
「ヤメた」
 突如、エディアルは離れてそう言った。
 サーテュスは何事もなかったかのように平然とエディアルの様子を伺う。
 エディアルは肩をすくめた。
「‥‥‥シーウィはサーテュにあげる。コレでいいんでショ?」
 薄く笑みを浮かべたまま、かなり不本意な口調でエディアルは告げる。
「俺だって、まだ死にたくないシ」
 サーテュ、俺殺すつもりでしょ。
 抱いたら。それを冥土の土産にして。ここを出ると同時に。
「ホントに全てがどうでもよくなったら、抱きにくるよ」
 エディアルはそれだけを言うと手を振って出て行った。
 サーテュスは浅く息を吐くと、シーウィを呼ぶ。
 待機していたシーウィはすぐに部屋に入ってきた。
「サーテュス‥‥‥」
「今の話を聞いていたな」
「ハ、ハイ」
「これでもう奴がお前に手を出すことはない」
 サーテュスは淡々と報告をする。
 シーウィはサーテュスの視線を受けて俯いた。
「あの、‥‥‥‥」
 シーウィは手をもじもじさせながら小さな声で言った。
「ありがとう」
「これでいいか?」
「え?」
「これで、お前はこの場にいられるか?」
 顔を上げると、サーテュスは至極真面目にシーウィを見つめてくる。
 シーウィは頬を赤らめた。
「う、うん」
「では俺は仕事に戻る。コーヒーを入れてくれ」
 通常通りの、飲み慣れた味で。
「‥‥はい!」
 シーウィは顔を輝かせて頷いた。
 元気になった足音に満足したサーテュスは、その日の仕事を順調に進ま
せた。


選択♪
SH→「エンディング」サーテュスとシーウィ
W→失意のエディアルは夜の街で一人彷徨う


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SH


SH→「エンディング」サーテュスとシーウィ


 コール音が聞こえた。

 朝からの電話は大抵が緊急の要件である。
 サーテュスは一瞬考え、寝室を抜けてオフィスの方で電話を取った。
「何だ」
「サーテュス様。分家のカホク様がお話をされたいと‥‥‥」
「追い返せ」
 サーテュスはそれだけ言うと電話を切ろうとする。
「お待ち下さい。カホク様はシーウィ様の家族を拉致し、命と引き換えに
婚姻の無効を要求してきておりまして」
 サーテュスは下ろそうとした手を止めた。
「六時間以内に要求に応じない場合は人質を‥‥‥」
「殺せ」
 サーテュスは言った。
「は?‥‥いえ、しかし‥‥‥」
「殺せ。カホク家も人質も、もう用はない」
 それだけを言って、サーテュスは電話を切る。
 いちいちそれぐらいのことで朝から呼び出されるのは面倒だ。
 サーテュスは内線でリレイナを呼び出す。
「命令だ。シーウィに関わった者全てを始末しろ」
 電話の向こうで相手が息を呑んだ。
「それは」
「二言はない。連絡を待つ」
 受話器を置いて顔を上げる。人の気配を感じて振り向くと、シーウィが
戸口に佇んでいた。
 ふたりはしばし視線を合わせる。
「聞いていたのか?」
「あ、ご、ごめんなさい‥‥‥で、でも最後の一言だけで、他は聞いてな
かったから。サーテュス、朝ごはん、いつものでいいよね」
 シーウィはおずおずと言うと、部屋の方へ戻っていく。
 この愛玩物は致命的に頭が悪い。俺は今、お前の親友達全てを抹殺する
よう手配した。それに気付きさえしない。滑稽だ。
 いっそ知能の上がる(他系統はダウンする)麻薬などを投入してみよう
か。それでどうなるか興味はあるが、今のところ理解不可能な言動を繰り
返すアレが気に入っている。今はまだ壊す時期ではない。
 サーテュスは思考を打ち切ると仕事に取り掛かった。
 きっかり三十分経つと、シーウィが食事を運んできた。嬉しそうに向か
い側に座る。
 サーテュスが好きにしろ、と告げた日からシーウィはサーテュスに合わ
せた時間で一緒に食事を取り始めた。皿を並べながら、これは栄養あって、
こちらは旬の野菜で、と楽しそうに説明を始める。
「何故意味のないことを繰り返す?」
 サーテュスは興味に駆られて聞いてみた。
 はしゃいでいたシーウィは途端につらそうになり視線を落とす。
「だって‥‥私に出来ることって、サーテュスに温かくておいしいご飯を
あげることくらいだし、せっかく家族になったんだから一緒に食べたいし」
「家族だと‥‥」
 サーテュスは呟いた。
「それは俺に必要なものか」
「うん」
 シーウィは即答して微笑んだ。
「サーテュスが病気にならないように、元気でいてくれるように、お仕事
が思いっきりできるように応援するの」
 シーウィの視線は澄んでいて、真っ直ぐに自分を見つめてくる。
 サーテュスは数秒沈黙した。
「お前は俺の仕事内容を理解しているのか?」
「よ、よく分かんないけど。私もつらかったけど‥‥‥だけど、もういい
の。私、自分に出来ることをしようって決めたから」
 その言葉の意味は理解できた。
 人は自分にできることをするしかないのだから。
「‥‥‥好きにしろ」
 結局反対する理由も見当たらなかったサーテュスは同じ台詞を吐いた。

 その台詞の口調の柔らかさに気付く者は誰もいなかった。


                  サーテュス/シーウィ           END
======================================
これでラブラブなんです(信じてください泣)


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SI


SI→「エンディング」リレイナとサーテュス&シーウィ


「失礼致します」
 リレイナはいつものようにサーテュスの部屋に入った。
 顔を上げたリレイナの視界に飛び込んできた光景は。
「はい、あ〜ん」
「!?」
 リレイナの視線の先では、朝からにこやかな笑顔を浮かべたシーウィが
卵焼きをサーテュスに食べさせていた。
 サーテュスはというと、通常と寸分違わぬ無表情で口に入った卵焼きを
もむもむと食べている。
 リレイナは衝撃のあまり手が震えた。
「そ、そんな‥‥‥!」
 あの激しく偏食で食事に手をつけないばかりか、放っておくと食事そのもの
を放棄しかねない宗主が自ら朝食を食べているなんて!
 足元から力が抜け、がくりと膝をつく。
 ううっ。
 リレイナは今までのつらい現状や実らぬ努力が走馬灯のように頭を過ぎ
り、目頭が熱くなるのを覚えた。
 宗主、私は長年お仕えした甲斐がありました。
 リレイナはそっと涙する。
「あ、サーテュ、ごはんつぶ」
 ちゅっv
 無邪気に頬にキスするシーウィ。
 !!!!!!
 リレイナ、10000のダメージ!!
 か、可愛い。
 くらり。
 リレイナはよろめいた。
 ああっ、ぜひこれを写真にとって毎日眺めたい! いや、取らなくても
これからは毎日この光景が見られるのだ。
(生きていてよかった‥‥!!)
 リレイナは胸の中が熱くなる。
 この二人の幸せ――(ひいては私自身の幸せ)のためならば、私はこの
先どのような凶悪な任務でも喜んで遂行していけるだろう。
「リレイナ」
「はい、宗主」
 主人に呼ばれ、脊髄反射で膝をつく。
「シーウィのことを頼んだぞ」
 真っ直ぐに凝視する主の鋭い視線。その中に含まれる信頼。
 ああっ‥‥‥。
 リレイナの中を快感が駆け巡っていく。
 感動に浸りながらも表情には出さず、リレイナは綺麗な笑みを浮かべて
手を胸に当てた。
「お任せ下さい宗主、この先お二人の仲を少しでも危うくする者があれば、
どのような手段を使ってでも不肖リレイナが排除してご覧に入れましょう」
 その台詞に頷くサーテュス。素敵‥と見惚れるシーウィ。
 何もかもが眼福至福。
 こうしてリレイナは最高の幸せと生きがいを手に入れた。

                             リレイナ&SS/ END


いつもサーテュ言葉が少なくてすみません(>< ←しかし全部監視カメラでチェックしてるサーテュ(笑)過保護だ。

登場人物容疑者一覧(笑)

緑:イシス‥執事の少年。主人に隠れて画策しやすい立場。
青:エディアル‥貴族で殺し屋。微笑みながら嬲り殺しなんて朝飯前。
緑:キーラ‥思いつめたら何でもする危うさをもつ美しい王子。
緑:ココ‥きさくな普通のサラリーマンだが意外と底が見えない。
青:サーテュス‥裏社会を牛耳っている少年。知的な犯罪向き。
青:シーウィ‥害がなさそうなちっこい少女だが実はハタチこえてる。
青:フェレツ‥裏社会の幹部。采配を振るう位置にいて手駒は使い放題。
緑:ヤオジール‥外資系に乗っ取られ気味の会社社長。嘆いている顔の裏には?
緑:ライデル‥人間嫌いなセレント財閥当主の老人。危険な趣味を持つ。
赤:ラフィエ‥てきぱきした性格の会社のOL。一応主人公。
赤:ラルフェル‥白馬の王子よりも完璧な財閥の跡取りの青年。
青:リレイナ‥裏世界のトップの秘書。唯一まともな人格に見えるが?

灰のひとこと感想フォーム
ご感想をどうぞ。作者に送られ更新状況に微妙に反映します(^^*ぽっ。
黒幕は !?
理由は
→どれくらい反映したか確認してみる!


まだ他に怪しいひと見つけたら教えてください(笑)

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