梅干しの作り方


材料
 梅:1Kg(少し熟れた、傷の少ないのが好ましいですよ。少し熟れたほ
   うが塩をした時に萎びません)
   品種にはこだわったほうがいいです。南高梅は肉が厚くてやわらか
   いです。いくら見た目が良くても、種が大きいのはいただけませ
   ん。
 酢:カップ1
 粗塩:カップ1(梅の重さの15〜20%)
    伯方の塩を使ってね
 氷砂糖:カップ1(好みでね。蜂蜜でもいいよ)
     中日本氷糖の馬印氷糖を使ってね
 焼酎又はアルコール:少々

 赤じそ:葉だけで400g〜600g。新鮮で葉がちぢれて両面が赤紫
     色のチリメンジソという種類が最適。色を濃くしたい場合は多
     めに入れる。
 赤じそ用粗塩:20g〜40g(赤じその重さの20%)

1.梅を傷つけないようによく洗い、たっぷりの水に4、5時間〜一晩水
  につけてアク抜きをする。熟した梅は短め、青い梅は長めにつける。
  つけすぎると梅が水を含み、塩に漬けた時にその水がしみ出てカビの
  原因となります。

2.梅をザルにあけて水切りをし、爪楊枝などで梅のへたを取り除き、乾
  いたふきんで一粒づつ水を拭き取って焼酎またはアルコールをまぶ
  す。
  これを怠ると、カビが発生する場合がある。
  熟れた梅のへたは、すでにカビが出ている時がありますよね。

3.容器の底に塩をふり、梅と粗塩と氷砂糖を交互に入れ、最後に酢を入
  れる。
  (蜂蜜を使う時は、まず蜂蜜を梅にまぶしてから、塩を入れてね。)

4.押しぶたをし、梅と同じくらいの重さの重石をする。(熟した梅は軽
  め、青い梅は重め。塩分が多い時は軽め、少ない時は重め)

5.白梅酢が上がるまで新聞紙などの紙で蓋をし、ひもで縛って冷暗所に
  保存。

6.2〜5日して白梅酢が梅にかぶるくらいに上がったら、重石を梅が浮
  かない程度に軽くして、再び蓋をして冷暗所に保存。白梅酢が上がら
  ない場合は梅の上と下を入れ替えてみる。

7.赤じその葉を摘み取りきれいに洗い、水気をきっておく。

8.赤じそをボウルに入れ、半分の塩を葉に振りかけ、両手でよくもみ、
  汁を絞り捨てる。残り半分の塩で同じようによくもみ、充分に汁を絞
  ってアク抜きをする。

9.絞った赤じそに白梅酢を表面が浸る程度入れてもむと、鮮やかな紫紅
  色に変わる。梅の表面に紫紅色に変わった赤じそを広げて入れる。
  残った紫紅色の汁も入れる。

10.再び押しぶたと軽い重石(梅酢がかぶる程度)をし、蓋をして土用ま
  で保存。

 途中ですが、土用の語源をご存知ですか?陰陽五行説で、木(もく)火(か)土(ど)金(ごん)水(すい)のことを五行といいます。五行は万物の根源であるという、中国の思想です。水は金より生じ、金は土より生じ、土は火より生じ、火は木より生ずるというものです。
 この中で隣接するもの、例えば木と火、金と水は相性が良く、これを五行相生といいます。隣接しないもの、例えば木と土、火と金は相性が悪く、これを五行相剋といいます。五行のうち土を中央に置き、東に木、南に火、西に金、北に水を配置します。東は季節は春、色は青、守護神は竜、南は季節は夏、色は朱、守護神は鳳凰、西は季節は秋、色は白、守護神は虎、北は季節は冬、色は玄(くろ)、守護神は玄武(亀と蛇が合体したガメラのような架空の生き物)。
 青春、青竜、朱夏、朱雀、白秋、白虎、玄冬、玄武という言葉の語源です。古墳の内部には北に玄武、東に青竜、南に朱雀、西に白虎が描かれていますよね。また相撲の土俵の屋根の青房、赤房、白房、黒房はおのおのの方角を表します。
 土は色は黄金、中央にあるので元来天子の場所です。またまた脱線ですが、「春宮」と書いて「とうぐう」と読みます。東宮御所のことです。
 さて、話を戻して土用ですが、もともと年4回の季節の変わり目を土用といっていました。今一般的には夏の土用だけが残っています。先程の五行相生によって、隣接する火と土と金、すなわち夏の土用だけが残ったそうです。絵に書いてみるとわかりやすいですよ。
 陰陽を兄(エ)弟(ト)とし、これを五行に掛け合わせます。例えば木のエ、木とト、火のエ、火のト・・・2×5=10、これを十干といいます。
十干×十二支=60。一回りすると還暦ですよね。
 話のついでですから、ラテン語の数字をちょっと見てみましょうか。1(モノ)2(ジ)3(トリ)4(テトラ)5(ペンタ)6(ヘキサ)7(セプタ)8(オクタ)9(ナノ)10(デカ)と読みます。
1はモノクロームとかモノレール
2はジレンマ等
3はトリオ、トライアングル、トライスター等
4はテトラポッド等
5は有名なペンタゴン等
6はヘキサゴン等
7はセブン、セプテンバー
8はオクトパス、オクトーバー
9はナイン、ノベンバー。
10はデカメロン、ディセンバー、デシミリリットル
等々の語源です
 でも7月(ジュライ)8月(オーガスト)9月(セプテンバー)10月(オクトーバー)11月(ノベンバー)12月(ディセンバー)ですよね。2個づつずれています。7月と、8月が変ですね。
 何故かというと、ジュリアス・シーザーが7月に、アウグスツスが8月に自分の名前をつけたからです。シーザーは天文学に興味があったんでしょうね。ユリウス暦というものがあるくらいですから。
 ということで、ノストラダムスの予言ははずれましたけど、7の月はセプテンバー・・・つまり9月なんですね。何にもなくて良かったですけど。
思いっきり話が脱線してしまいました

11.土用(7月中旬以降)になり、晴天の続く日に、ザルやすだれなど風
  通しのよいものの上に汁をきった梅と赤じそを並べて3日間昼夜天日
  に干す。

(1日目)最初の日は干したあと梅酢に戻す。一度梅酢に戻す事によって
     梅の色がもっと濃くなる。もちろん一緒にシソも干す。
(2日目)ざるに干したまま一晩外に置き、夜露にさらす。(夜露にあて
     る事で梅が柔らかくなる)
(3日目)もっと梅を柔らかくしたい場合は夜露にあてるが、そうでない
     場合は、夜のうちに取り込む。
●なるべく日光が直接あたる場所を選び、こまめに返してやる事で、梅干
 全体に日光をあてるのがコツ。

12.赤梅酢を容器からとりのけ、干した梅に焼酎を少量振りかけながら入
  れると皮がしっとりする。
  上からカップ1杯ほどの赤梅酢を入れ、赤じそをのせて蓋をし、冷暗
  所で保存。年を越せば味もなじみおいしく食べられます。
  梅を柔らかくしたい場合は、赤梅酢の中に梅を戻して保存する。

   
   赤梅酢が余ったら、生姜を漬け込んで紅生姜を作りましょう。
   紅生姜のスライスしたのを天ぷらにするとおいしいですよ。

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