CRANIO SACRAL THERAPY

頭蓋仙骨治療

 1939年にアメリカのオステオパシー医師であるウィリアム・サザーランド博士によって
公表され、生粋のオステオパシー医師により今に伝承されている治療法の一つで、その
治療効果は多岐にわたるものとして注目されています。

 サザーランド博士の洞察は次にあげるものです。
 □ 頭蓋骨を構成する26個の骨を連結する接合部(頭蓋骨の縫合)の運動
 □ 脳の両半球の膨張と収縮
 □ 脳と脊髄を覆う膜組織の運動
 □ 脳と脊髄を浮かべる脳脊髄液内部の流体波動
 □ 頭蓋骨と連動した仙骨(尾骨)の微細な不随意運動

 ザザーランド博士は頭蓋仙骨システムのリズミックな膨張と収縮は呼吸運動に似てい
ると考えました。しかし、脳脊髄という最も致命的な最重要器官に生じている運動なので
彼はそれを「一次呼吸」と呼び、身体機構のヒエラルキーにおける優先性を指摘すると
同時に、胸筋・横隔膜・肺の働きでガス交換を行うおなじみの運動、すなわち「二次呼
吸」と区別しました。そして、中枢神経系が他のすべての器官を統制している以上、十全
な健康には「一次呼吸メカニズム」の損傷のない自由な運動が必要であり、その運動の
いかなる拘束も何らかの病気につながると考えたのです。
 現代医学の医師の多くは頭蓋骨の接合部(縫合)は固着しており可動性はないという見
解を示してきました。が、最近になってアメリカのミシガン州立大学オステオパシー医学
校の研究者がエックス線透視下で生体の頭蓋骨が心臓の拍動とも二次呼吸のリズムと
も違う、まったく固有のリズムで動く事を確認し公表しました。
 

 「一次呼吸メカニズム」が損傷をうけると早ければ数時間後から、遅ければ数年から数
十年後に溜まりに溜まったひずみの結果として多様な障害が発生します。
頭を触診して一次呼吸が感じられない時はひどい頭痛やめまい、睡眠障害またはもっと
重大な病気を疑わなければなりません。子供であれば過行動症、自閉症、慢性中耳炎
や学習不能の兆候である場合が少なくありません。

 原因の多くは外傷であり、三つの種類があります。

 @ 出生外傷。
胎児は産道を通過するときに圧縮されて誕生してきます。そして、うぶ声をきっか
けに小さく縮んだ姿勢が緩み全身の骨格がリセットされます。このとき、最初の呼
吸が完全に行われないと自力で頭蓋骨を広げる事ができず、人生のスタートから
頭蓋のリズムが拘束されてしまいます。

 A 身体的外傷
息が止まるような激しい落下や転倒によって一次呼吸サイクルが妨害されます。
一瞬でも息が止まるような衝撃を受けるとそれが原因で生涯、一次呼吸メカニズ
ムが制限されることがあります。

 B 心理的外傷
特に幼児期に受けたこころの傷、愛する人の死、離別、離婚...etc.なんであれ悲観
にくれるような状態によって一次呼吸メカニズムは障害されることがあります。ま
た、過度のストレスは一次呼吸のリズムを減衰させてしまいます。


 一次呼吸は直接手で頭や仙骨(尾骨)に触れる事によってリズムの強さ、速さ、左右の
同調性を感じ取る事ができます。その運動の振幅は正常な人でも250ミクロンと非常に
小さいものです。運動に何らかの制限を感じれば頭部へのやさしい手技によってその制
限を解放し、正常なリズムに回復することができます。

頭蓋療法は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを調整するのに顕著な効果が
期待できます。


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