健康と病気の原理
健康と病気に対して留意すべきこととは
より健康に生きることを望む人は誰でも自分の健康を自分で守り、生まれつきからだに備わっている自己修復能力をよく理解し、医療への盲目的な依存から生じる危険を回避する智恵の獲得を目標にしなければなりません。
健康と病気、そして治癒についてウオッチングしてみました。
1..完璧な健康は達成できない
自然界にあるものは全てリズム(周期、波動)があり、人間のからだもリズムの上に成り立っています。健康とは、心身ともに平衡の取れた状態であり、健康という平衡(バランス)作用は一時的なものでしかありません。なぜなら変化に対する基盤を再構築するために平衡は必ず崩れるようにできているからです。平衡が破られる期間、相対的に健康という「二つの山の期間」に挟まれた病気という「谷の期間」が必ず存在します。この病気という「谷の期間」は必ずしも床に伏したり医師の治療を必要とするということを意味しているのではありません。倦怠感、数時間の消化異常、入眠困難などちょっとした体調不良も相対的に病気という「谷の期間」に含まれます。しかし日ごろの健康状態が良くないと、この病気という「谷の期間」から健康という「山の期間」に移行するエネルギー(自己治癒力)がブロックされ、いつまでも「谷の期間」からぬけきれず、ぐずついた状態が続くことになります。健康管理の行き届いたからだは本人がさほど気にするまもなく「谷から山へ」変化するものです。
2..病気になっても大丈夫
病気を何らかの理由によって身に降りかかった災難や不運だと考えるのは、あまりにも安易すぎます。病気は次に訪れる「健康な期間」への途中経過であり、夜がなければ昼がないのと同じく一方がなければ他方が存在しないのです。病気に対する怒りや罪の意識は「完璧な健康を達成する」といういたずらに不可能な夢を抱くことになるばかりか、次の平衡状態に変化する過程の妨げにもなります。実際、この否定的な思考が神経やホルモンを介してからだの変化に転化し、からだが行っている再調整という微妙な仕事を余計に複雑なものにして必要な時間を長引かせてしまいます。
3..からだには自然治癒力がある
治癒は外からではなく内からやってきます。しかし、病気という「谷の期間」から自力で抜け出せなくなっている人には助けが必要です。医療で治癒へ向けての手助けをすることができます。が、治癒そのものを与えることはできません。
4..病気の動因は病気の原因ではない
病気の動因はいたるところにあります。ウイルス、細菌、原虫、昆虫、毒性植物、発ガン物質、アレルゲン等々、無数の潜在的刺激物として存在しています。「健康という山の局面」でしっかりと平衡を保っている人はそうした動因と遭遇しても発病の確立は低くなります。動因との係わり方を決定するのが内部因子である以上、病気の真の原因は内部にあり、それは非物質的なものであるということです。外部の物質的なものは感受性のある宿主に特異的な症状を起こす機会を狙っている動因でしかないのです。
5..心身相関
心とからだは人間存在に伴う、非身体的および身体的な二つの極であり何処までも完全にひとつに結びつき切り離しては存在し得ないものです。
6..病気には必ず軽微な初期症状がある
初期の段階で見逃すということが病気を悪化させ慢性化させる主要原因のひとつになります。早く対処すればそれだけ手もかからなくても済むし、たどる経過も大きな波を描かず治りも早くて済みます。手を打つのが遅くなればそれだけ強攻策をとる必要が生じ、時間と費用かがかさみ、成功する確率も低くなります。
7..からだは人によって異なる
人のからだは形態と同様、機能においても異なっています。ちょっとした遺伝的な相違で、ある食物の味がわかり消化する人もいれば、味もわからず消化もできない人もいます。「甲の薬は乙の毒」ということわざは事実なのです。例えば、ある種類のキノコは多くの人がそれを食べてひどく具合が悪くなるため「毒キノコ」とされています。しかし、そのキノコを食べても何の害もなく、むしろ好んで食べる人たちもいます。その人たちは統計上「例外」として扱われますが、からだが人によって異なるという事実を物語っています。
私にとって最良の食事はあなたにとっても、一年後の私にとっても最良とは言えないかもしれません。
8..どんな人にも弱点がある
誰でもからだのどこかに弱点があります。その弱点を知っておくと役に立ちます。それが間もなく健康状態が崩れるという警告として知らせてくれるからです。この「からだからの声」は、ちょっとした頭痛であったり、過敏な胃であったり、関節や筋肉の痛みであったりと色々で、病気に対する感受性が高まりかけるとその弱点が信号を出してくれます。その信号に気づくように意識すれば軽微な段階で病気に気づくようになり、ちょっとした工夫でバランスを回復させるチャンスが大きくなります。
9..血液は治癒エネルギーの主要媒体である
治癒を促進する最も効果的な方法のひとつは、できることなら、からだの病んだ部分に届く血液の量を増やすことです。からだの多くの組織は血液によって栄養されています。栄養なくしては治癒も滞ってしまいます。