健康とは..... 肉体と精神と霊性のバランスが大切

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殺し屋たちから身を守ろう
 私達のからだの中に潜んでいる「殺し屋」たち、「ガン・脳卒中・心臓疾患」。日本人の死亡原因のトップ3である三大疾患の予防法を考えてみました。

A.心臓発作を起こさない方法

 虚血(冠動脈)性の心疾患は遺伝の支配を強く受けます。特に男性においてはそうです。男性で、同姓の親族(父親・祖父・伯父・兄弟)に60歳未満で心臓発作を起こした人がいれば、心臓病になりやすい悪質な遺伝形質をもっていることになります。遺伝そのものに対してはどうすることもできませんが、遺伝が破壊的な力をほしいままにするのを未然に防ぐことはできます。心臓発作にとって、遺伝は数多くあるリスクファクター(危険因子)のひとつにすぎません。リスクファクターは他にもたくさん有り、それらはすべてライフスタイル(生活様式)に関係があります。ライフスタイルを変えれば発作のリスクを減らすことができます。親族のだれかに心臓病があるなしにかかわらず、とにかく間違ったライフスタイルを改善することをお奨めします。
 虚血性心疾患の発病を促すもう一つの遺伝因子は糖尿病です。糖尿病は動脈硬化の進行を早め、早い段階での心臓発作など、それにつづくさまざまな障害をもたらしやすくなります。もしあなたが糖尿病に罹っていれば、食事の改善・エアロビック(有酸素)運動・ストレスリダクション(ストレス緩和法)などを実行していただくことが一層大切になります。

 

1.血清コレステロールを低水準に
 心臓発作の予知因子でもっとも重要なものは、高濃度の血清コレステロールです。血清コレステロール値が高くなると冠動脈(心臓を動かしている筋肉を栄養している血管)の内壁にコレステロールが沈着して、いわゆるアテローム性動脈硬化へと進行するからです。その過程が進行すると動脈の内径が細くなり、内壁もでこぼこになって、心筋への血液供給に支障を来し、血塊が動脈を完全に塞いでしまう危険性が高まります。動脈が塞がれると心筋の一部が壊死してしまいます。その状態のことを心筋梗塞と言います。
 コレステロールのコントロールには、「何を食べればいいか」より「何を食べない方がいいか」に関係があります。血清コレステロールの濃度を直接的に左右しているのは、摂取した飽和脂肪の量なのです。したがって最も大切な予防法は、食事に占める飽和脂肪の比率をできるだけ小さくすることです。そのためには、肉、卵、バター、ミルク及び乳製品、動物性脂肪や熱帯地方の油(ヤシ油、ココナッ油)を使った加工食品をできるだけ食べないことです。それだけでほとんどの人は血清コレステロール値を大幅に下げることができます。
 詳しくは食事とコレステロールをご覧ください

 

2.タバコはやめよう
 タバコはさまざまな方法で心臓と動脈に悪い影響を与えます。
◇ 全身の動脈を収縮させて血液のスムーズな循環を妨げ、血圧を上る。
◇ 血液の酸素運搬能力を低下させる。
◇ 血液の粘度を高め、固まりやすくさせる。
◇ 神経系に作用して心臓を直接的に刺激し、その負荷を高める。
◇ 交感神経を刺激して不整脈や冠動脈の攣縮を起こしやすくさせ、心臓発作の引き金になりかねない。
 要するにタバコの吸引は虚血性の心疾患、心筋梗塞になるリスクを高めます。自分ではタバコを吸わない人も間接喫煙の影響があるから、愛煙家と一緒に生活や仕事をしていればリスクは同じです。

 

3.カフェインは控えめに
 カフェインの常用は心臓や動脈に負担をかけることになります。心臓の作業負荷を高め、交感神経と副腎を刺激し、不整脈を生じさせやすくなります。リラクセーションの妨げになり、血清コレステロール値を高めます。興奮剤としてカフェイン、特にコーヒーを愛飲したいという人は、何げなく習慣的に飲まず、興奮剤を使うという目的意識をもって、ほどほどの頻度で飲むことをお奨めします。

 

4.エアロビック(有酸素)運動をしよう
※ 有酸素運動とは「ハァハァ」と息が切れるような激しい運動のことです。
 週5日、1日30分のエアロビック運動は心臓のホンプ作用を強化し、全身の動脈系を整え、血清コレステロール値を低下させ、異常な凝血ができる機会を減らし、自律神経のバランスを整えます。エアロビック運動をしている人は、普通の人に比べて心筋梗塞になりにくく、なっても完全に回復する確率が高いそうです。

 

5.リラクセーション法を身につけよう
 内部にたまっているストレスは、さまざまなメカニズムを通して心臓発作の引き金を引きます。血清コレステロールと凝血をも増やします。またストレスホルモンを分泌する副腎と交感神経の活動を促進して心臓に余計な負担をかけ、不整脈や冠動脈痙攣が起こるリスクを高めます。心筋梗塞で死亡した人の解剖所見には、冠動脈が完全に閉塞していない例も見られるそうで、動脈が痙攣して、機能的な閉塞が起こったとするのが定説になっています。交感神経及び副腎の過剰な刺激が、この種の悲劇を引き起こすのです。
 リラクセーション法のいずれかを身につけて、交感神経支配の状態や副腎の活動を緩和すれば、ストレスによる危険から心臓を守ることができます。心筋梗塞や突然死のリスクは、自分自身で減らせるのです。
 詳しくはリラクセーション・休息をご覧ください。

 

6.標準体重を維持しよう
 太り過ぎは心臓の負担を増やし、エアロビック運動をする意欲を失わせやすく、また糖尿病を招きやすく、糖尿病はアテローム性動脈硬化の進行を早めます。
7.標準血圧を維持しよう
 高血圧は動脈系へのストレスとなり、心臓の負担を高め、アテローム性動脈硬化を促進し、交感神経系と副腎の活動を異常に活発化させることが多いのです。初期及び中期の高血圧の多くは、ここに書いてあるようなライフスタイルに変えるだけで、薬を服用せずに治すことができるはずです。

 

8.血液を「薄く」しよう
 血液を薄めるための最も自然で安全な方法のひとつは北方の海で捕れた油分の多い魚(サケ・ニシン・イワシ・サバなど)に含まれる「オメガ3」脂肪酸をとる食事です。心臓に対するオメガ3の効果は、血清コレステロールの低減よりも血液凝固システムへの干渉によるものかも知れず、その点についての研究はまだ進んでいないようです。いずれにしても、魚を多く食べている人達に心筋梗塞の発病率が低いことは確かです。
 生のニンニクやタマネギを定期的に食べると、凝血傾向を減らし、からだが自然に血塊を溶かす能力を高めます。しかし、その作用機序はまだ分かっていません。
 もう一つの方法はビタミンEです。ビタミンEには抗酸化作用に加えて天然の血液希釈作用があります。脂溶性のビタミンのため、ある程度の脂肪を含む食事と一緒に摂取すれば消化管から吸収されやすくなります。 最後に「木の耳」「耳たけ」などの別名をもつキクラゲがあります。米国のミネソタ大学のある研究者によって偶然、その抗凝集作用が発見されました。その研究者は自分の血小板を観察していて、特定の中国料理を食べた翌日は凝集作用が弱まることに気が付き、そこで追跡調査を始め、犯人がキクラゲであることを突き止めたそうです。

 

9.ハートをひらこう
 世界中の人が心臓は感情の座であると考えています。人々はあらゆる言語で「胸のときめき」や「胸の痛み」について語っています。それは偶然の一致ではありません。心臓は物理的にも感情の嵐に激しく対応し、自律神経と密接につながっているからです。多くの研究者が心筋梗塞になりやすいタイプを突き止めようとし、その成果から浮かび上がってくる人物像には、衝動的、リラックスできない、怒りを抑制できず、思うようにならないと感情を爆発させる、こまやかな愛情を与えたり受けたりできない、などの特徴が見られます。

 

B.脳卒中を起こさない方法

脳卒中の発作には出血と梗塞(閉塞)の二つのタイプがあり、ともに脳への血液供給が阻害されて脳の神経細胞が壊死を起こす原因となります。
この話は短いものになりそうです。なぜなら、脳卒中を起こさない方法とは、
 心臓のためにいい食事をする、運動をする、リラクセーションを行う、高血圧に注意する、タバコをやめるなど、上に紹介した「心臓発作を起こさない方法」とほとんど同じだからです。
日本人は世界的に見ても脳出血型の発作は多く、塩分の過剰摂取による高血圧がよく指摘されています。他にも原因が分からない本態性高血圧、脳動脈の先天的な奇形、血液凝固メカニズムの障害などが含まれます。 梗塞型の発作には二つのタイプがあります。凝固した血液(栓子)が障害の部位で形成された「血栓」と、他の部位で形成されて障害の部位に運ばれてきた「塞栓」の二つです。血栓発作は最も一般的にみられるタイプで、その原因はアテローム性動脈硬化によるものがほとんどです。頭部と頸部の主要動脈にコレステロールが沈積して内径が細くなり、石灰化や瘢痕化の作用で動脈の内壁がザラザラになって、凝血塊ができやすくなります。動脈が完全に塞がれると脳組織の壊死を起こします。梗塞発作のリスクファクターには糖尿病・高度の血清コレステロール・運動不足・喫煙・高血圧などがあります。見覚えのあるファクターばかりではないでしょうか。血液の粘度を高めるようなものはすべてリスクの増大につながります。
くどいようですがもう一度、心臓及び脳卒中の発作を起こさない方法をまとめてみました。

 

◎ 血清コレステロールを低水準に!
食事に占める飽和脂肪の比率をできるだけ小さくする。肉、卵、牛乳及び乳製品、動物性脂肪を使った加工食品などをできるだけ食べないようにする。特に牛乳の脂肪(乳脂肪)は、あらゆる脂肪のうちで心臓と動脈に対して最も危険です。牛の生乳にはベラボウな量の飽和脂肪酸とコレステロールが含まれ、アテローム性動脈硬化症を起こす主犯であることは疑いありません。牛乳がチーズになると、タンパク質も濃縮されますが乳脂肪も濃縮されます。多くのチーズには重量比で50〜70%の脂肪が含まれていて、タンパク源というよりは脂肪源になっています。乳製品を口にするときは必ずラベルをよく読んで、脂肪の含有量を調べましょう。ついでに牛乳についての私の個人的な考えをもう少し。乳業界はわたしたちに「牛乳は自然がくれた最高の完全食である」と信じさせようとしていますが、その説は考えものだと思います。実際のところ、牛乳に含まれる栄養素は、多くの病気の原因になり得るものがあります。また、乳糖が消化できない人が多いのは、乳糖を代謝する酵素のラクターゼが欠乏しているためで、ラクターゼがないと、消化器系に入った乳糖が消化されず、下痢になったり、腹が張ったり、ガスが出たりして、消化機能の障害になります。そのような乳糖不耐症の人でも、ヨーグルト・バター・チーズなど、微生物によって作られた乳製品なら食べられるのは、微生物が乳糖を分解してくれるからです。牛乳のタンパク質、つまりカゼインも悪いいたずらをします。粘液産生量を増やして、喘息・気管支炎・副鼻腔炎などを悪化させる原因になり、さらに免疫系を刺激して、免疫過剰の状態(アレルギー・自己免疫疾患)をつくり出すこともあります。また、骨粗鬆症の予防のために乳製品をとるのも問題がありそうです。乳製品にはタンパク質が多く、それらが骨からカルシウムを奪う速度を早めます。高タンパク食によって骨からカルシウムが失われるという事実は生化学者なら何年も前から知っていたことですが医師や患者の注目するところとはならなかったようです。医師も患者も、若いころから食生活と運動に気を配って予防するよりも骨粗鬆症になったら薬を飲めばいいと考えているのです。骨粗鬆症は食べた食物中にカルシウムが不足しただけで起こるわけではないし、カルシウム剤を飲んで治るものでもありません。骨粗鬆症は、遺伝・運動不足・性ホルモンの低下・それに食生活が複合して起こるものなのです。牛乳が完全食品なのは子牛にとってであって、人間にとってではありません。牛乳と乳製品の消費量をもっと減らせば、現代人の多くはもっと健康になれるはずです。

 

◎ タバコはやめよう!

 

◎ カフェインは控えめに!

 

◎ エアロビック運動(有酸素運動)をしょう!
エアロビック運動とは心拍数と呼吸数を上昇させる運動のことで、ハアハアと荒い息をして汗をかく運動だと考えてください。必ずしもフィトネスクラブなどで教えているエアロビクスのことだけではありません。エアロビクスはエアロビック運動のひとつであり、エアロビック運動には、ランニング・ウォーキング(早歩き)・サイクリン
グ・水泳・登山・縄跳び・ダンス・階段登り・・・など、他にもたくさんあります。

 

◎ リラクセーション法を身につけよう!

 

◎ 標準体重を維持しよう!

 

◎ 標準血圧を維持しよう!

 

◎ 血液を薄くしよう!

 

 最後にもう一度だけ、心臓と血管の病気、特に虚血性の心疾患と脳卒中は、我が国の三大死亡原因の二つを占めているということを強調しておきます。いずれは何らかの原因で死すべき運命にあるとはいえ、生をまっとうしないうちに動脈を詰まらせたり、傷つけたり、硬化させたりして、命を落とすこと避けたいものです。心臓血管疾患のほとんどは避けがたい運命によってではなく、間違ったライフスタイルによって起こっています。

 

C.ガンにならない方法

 ガンの家系という言葉をよく耳にしますが、遺伝するのはがんそのものではなく、ガンになりやすい傾向、つまり疾病素質です。疾病素質が表に現れるためには、他のリスクファクターの存在を必要とします。例えば、最近急速に増加傾向にある大腸ガンも家族性に発生することはありますが、同時に食生活、特に脂肪や動物性タンパク質、精製した澱粉のとりすぎ、野菜や繊維質の不足にも関係があります。
 ほとんどの大腸ガンはポリープから生じます。ポリープは腸壁から突出したキノコ状の良性腫瘍ですが、頻繁にできる人もいれば、全くできない人もいます。最近の研究では、ポリープの形成には遺伝が関係していることが分かってきました。したがって、ポリープ形成の遺伝子をもっていない人は、大腸ガンになる確立はゼロに近いと言えます。その遺伝子をもっている人は、食生活の質によってリスクの大きさがきまってきます。ポリープの表面を覆う組織の細胞は不安定で、悪性のものに変わりやすい傾向がり、その傾向を促進したり抑えたりするのは腸内の細菌環境、及び科学的環境なのです。高タンパク・高脂肪・低繊維食の人の腸内と、低タンパク・低脂肪・高繊維食の人の腸内とでは、化学的環境が全く異なります。
 同じように乳癌も家族性に発生しやすいようです。母親か母親の姉妹に乳癌になった人がいる女性は、リスクが大きいと考えなければなりません。その遺伝の仕組みはよく分かっていませんが、環境的な要因が作用している事は確かだと言われています。
 男性であろうと女性であろうと、係累にガンになった人がいればリスクは大きくなり、もし両親それぞれの家系にガンの経験者がいればリスクはさらに大きくなります。しかし、それはあなたがガンになるということではありません。それが意味するのは、以下に紹介してある情報によく注意を払って、それを実行に移した方がいいということです。

 

1.女性の場合
 血液中にエストロゲン(女性ホルモン)が増えたら、乳房及び生殖器系にガンが発生しすいということは知っておいた方がいいでしょう。エストロゲンがそれらの部位の細胞を刺激して、増殖を促すからです。35歳までに出産する・標準体重を維持する・定期的にエアロビック運動をする・低脂肪で菜食に近い食事をするなど、ホルモンの代謝を正常に保つ生活をすることによって血中エストロゲン値をコントロールし、リスクを減らすことができます。牛・豚・鶏の肉・乳製品が多い食生活は安全とはいえません。なぜなら、それらの食品には、飼育の過程で成長を早めるために用いたエストロゲン様のホルモン剤が残留しているおそれがあるからです。

 

2.健康にいっそう気を配ろう
 言うまでもなく、皆さんが健康に気を配っていなければこの健康情報に目を通すこともないはずですが、もしあなたがガンになるリスクファクターをもっているとしたら、特別に気を配る必要があります。放射線・化学物質・ウイルス・物理的刺激・遺伝など、ガンを促進する因子の数々についてはよく知られていますが、それらがどのように作用するのかについては、まだ正確には分かっていません。共通している最終経路は突然変異を起こしてDNAを変化させ、からだの他の部分との協調関係を無視し、正常な活動周期を終えても死なない、通常の成長メカニズムから逸脱した細胞郡を生み出してしまうという事らしいのです。突然変位が起こるとDNAの中に誰もが持っている休眠ガン遺伝子が活性化され、腫瘍から身を守ろうとする調節遺伝子を蹴散らして、さまざまな障害をもたらすことが分かっています。
 ここで大切なのは、DNAに突然変異が起こって悪性細胞が生まれても、それだけでガンになったわけではないということです。細胞の悪性変性は恐らく四六時中起こっているでしょう。からだにいくつの細胞があるのか(約60兆?)、毎秒どのくらいの数の細胞が死に、生まれてくるのか、体内と外部環境にどれほど多くの変位誘発性物質が存在するのかを考えれば、分かっていただけるでしょう。体は異変に気づき、ほとんどの場合はその異形細胞をきれいに処理してしまいます。それが免疫系の働きのひとつです。だから、異形細胞が生き延びて検査に引っ掛かるような腫瘍にまで成長するには、からだの防衛システムである免疫系(自然治癒力の構成要素の一つ)の低下が起こらなければならないという事です。防衛システムをスムーズに働かせる最良の方法は、全身を健康状態に保つということなのです。

 

3.有害な放射線を避けよう
 電子を軌道から叩き出すほどの力をもつ電離放射線はDNAを損傷し、突然変異を起こしてガンの原因になりうります。X線・放射線・核エネルギーなどはこの電離放射線ですべて危険なものです。放射線は細胞に悪性の変異を起こしてガンを発生させる一方、免疫系を損傷させて、ガンに対するからだの防衛力を弱めるのです。しかしながら、両方とも、その影響が現れるまでには長い時間がかかります。ガンの原因としての放射線に対する人々の認識が遅れ、その危険を軽視する人が多い理由の一つには、原因が結果となってあらわれるまでに長い年月がかかるということが上げられます。また、研究者の話によれば放射線の安全照射量などというものはなく、遺伝子及び免疫系損傷のリスクは、生涯にわたって受けた放射線の総量に左右され、どんなに少量でも、それが蓄積さ
れてリスクを高めていくということです。

 

4.紫外線から皮膚を守ろう
 UV(紫外線)は電離放射線ではありませんが、皮膚の細胞のDNAを損傷する恐れがあります。黒人か、生まれつき黒人なみに色の黒い人は大丈夫ですが、太陽及び太陽灯の光線に含まれる放射線は一般に皮膚ガンになるリスクを高めます(皮膚の老化も早める)。日焼けはその危険性を少なくするためのからだの防衛反応であり、健康の印ではありません。日に焼けると、皮膚の特定の細胞が活性化してメラニン色素を作り出し、それが紫外線を吸収するのです。日焼けが健康の印だと誤解されているのは、健康的なアウトドア活動をしているときに日に焼けやすいからなのでしょう。健康を促進するのは活発な運動・きれいな空気・リラクセーション・楽しい気分のほうであって、紫外線ではありません。
 もちろん、よく晴れた日に太陽の下にいるのは気分がいいものです。しかし、太陽が真上にあるとき(特に夏至前後の日の真昼)は、太陽光線が大気圏を通過する距離が短く、有害な波長がカットされないまま地表に達するので、肌の白い人は日に焼けないように注意する必要があります。海岸や水辺にいるときは反射光に注意し、高地では気温の低さにだまされて安心しないように注意しましょう。
 皮膚ガンや老年期に悩まされる白内障の大部分は紫外線に関係しています。いかに安全だと宣伝されていても、日焼けサロンを含めて不必要に紫外線を浴びるような愚は避けたいものです。

 

5.有害な化学物質を避けよう
 あまりにも発ガン物質関連のニュースが多すぎるので、最近では多くの人が慣れてしまい、関心を失いつつあります。サッカリン・赤色二号・タバコ・ダイオキシン・PCBをはじめ、疑わしいとされる物質の名前を聞き飽きているのでしょう。「気にしても仕方がない。なにもかもが発ガン物質なのだから」と言う人もいます。
 しかし、実際は、すべてが発ガン物質だというわけではなく、発ガン物質と知られているものはわずかであり、その多くは限られた化学物質の仲間に属しています。要するに突然変異を起こす可能性のある化学物質が、ガンを起こすリスクの高いものということです。
 発ガン物質の詳細は、まだすべて解明されているわけではありません。ある成分はDNAに直接作用して突然変異を起こさせ、細胞を悪性変性への道に追いやります。タバコやコールタールにはその種の物質がたくさん含まれています。
 疑わしい物質のうち、どれが本当に有害なのかを特定することが難しい理由の一つは、原因となった接触と、結果であるガンの発病との間に、長い時間が経過しているということでしょう。原因から結果までに5年から30年という時間が経過し、因果関係の特定が難しくなるからです。

 

《生涯を通じて化学物質に用心深くなろう》
 直接的にガンを起こす化学物質ではなくても、免疫系へのストレスとなることによって間接的にガンの発生に関与します。からだに望ましくない物質が入ってきても、たいがいは肝臓がそれらを代謝し解毒するという、大役を果たしてくれます。肝臓は免疫系の一部ではありませんが、免疫系と密接に協調して、それを守っています。アルコール中毒などで肝臓が衰弱すれば、免疫系を構成する諸器官が抵抗力を失い、機能低下をきたします。
 21世紀は肝臓にとって受難の時代といえます。ただでさえ、あらゆる天然の毒物に対処しなければならないのに、今や無限とも言える人口の毒性分に立ち向かわなければならないのです。医薬品・慰安用薬物・食品添加物・空気や水の汚染物質・職場や家庭で接触する危険な化学物質など、数えれば切りがありません。そうした化学物質によるストレスの総和が、長い時間をかけて、ガンに対する免疫系の防御力を弱めていくのです。
 すべての有害な化学物質との接触の機会を減らし、使うときは適切な衣服を着け、顔を防護し、接触後にはきれいな空気をたくさん吸い、きれいな水をたくさん飲み、入浴し、汗をかいて毒素を排出し、休息と栄養を考えたいい習慣を身につけましょう。

 

6.タバコはやめよう
 今日、あらゆる環境因子の中で、喫煙はガンの最大の原因になっています。タバコには、放射性粒子に匹敵するほど多くの発ガン物質が含まれています。喫煙は、初期症状がない肺ガンの主要原因で発見されたときにはたいがい広汎に広がっていて、数年で宿主を死に追いやります。もちろん、肺ガンは喫煙習慣が引き起こすさまざまな病気の一つでしかありません。あなたがタバコを喫わなくても、喫う人のそばで生活や仕事をしていれば、リスクは同じです。
 タバコが特に危険視されているのは、中毒性が強く、多くの発ガン物質を含み、法的にも認可され、商品として世界中で販売されている薬物だからです。

 

7.アルコールの飲み過ぎに注意しよう
 酒飲みは口腔・のど・食道・胃などにガンができるリスクが高くなります。おそらく、アルコールが直接的に組織を刺激するためだと思われます。肝臓ガンにもなりやすい。よくアルコールを飲み、タバコを喫う人は、リスクが一層高まります。酒豪家は、ほどほどに飲むか、できるだけ少なくするにこしたことはありません。

 

8.発ガン性の食品を避けよう
 塩辛いもの・漬物・燻製品、特に動物性のそれをたくさん食べる人は、消化管のガンになりやすいようです。それらを食べるときはあまり食べ過ぎないようにしましょう。また、西洋マッシュルーム・セロリ・ピーナッツ及びピーナッツ加工品もほどほどに。カビが生えたもの、特にナッツ類・穀物類・たね類のカビには注意が必要です。
 亜硝酸塩系の保存料で処理した、赤い色の加工肉食品(ウインナー・ハム・ベーコン・コンビーフなど)は胃の中で発ガン成分を形成することがあります。その形成をブロックするのがビタミンCです。ビタミンCには食品中の発ガン物質を抑える働きがあるのです。焦げたタンパク質・酸化した油やそれで揚げた食品の危険性についても心得ておきたいものです。

 

9.ヘルシーな食事をしよう
 あらゆる種類の脂肪を避け、不飽和脂肪を少なくし、動物性タンパク質を減らし、繊維・果物・野菜を増やすことによって、「ガンに強い食生活」が確保できます。

 

10.抗酸化栄養補助食品を利用しよう
 フリーラジカルという言葉を最近よく耳にするようになりました。フリーラジカルはさまざまな酸化反応を通じて形成され、DNAを損傷して突然変異を起こし、細胞の悪性変性に
つながる恐れがあります。また、細胞分裂の速度を早めて免疫系を損ない、老化を早める原因の一つにもなります。フリーラジカルがガンの原因にかかわっているとする学説があるため、研究者はそれを中和する方法を探し始めました。じつのところ、からだにはフリーラジカルを排除する生化学的メカニズムがたくさんあり、体内で形成されたかどうかを監視し、見つけ次第、害作用を及ぼす前に破壊してくれています。ですから、私たちは抗酸化作用をもつ天然成分を補給することによって、からだの排除作業を助けてあげることができます。抗酸化成分にはフリーラジカルが形成される化学反応を抑え、すでにできてしまったフリーラジカルを吸収する働きがあります。もっとも安全で効果的な抗酸化成分としてあげられるのは、人体が必要とするビタミン類とミネラル類です。ベータカロチン・ビタミンE・ビタミンC・セレニウムなどがその代表で、それらが免疫系を強化し、老化を遅らせ、ガンの予防にも役立ちます。

 

11.運動をしよう
 定期的なエアロビック運動には抗ガン作用があることが分かっています。どのようなメカニズムでそうなるのかはわかっていませんが、運動により血中のエストロゲン濃度が下がり、女性が乳ガン・子宮ガン・子宮頸ガンにかかるのを防ぐこと、免疫系の効果を高めること、免疫性を抑制する否定的な気分を一掃することなどがわかっています。

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