健康を支える第一の柱 毎日の食事
医食同源
T 炭水化物、脂肪、タンパク質(三大栄養素)
U 食物繊維、飲料水、塩分、減量
V 免疫を高める
W サプリメント
X グリセミック指数
Y コレステロール
大食より少食を
研究によれば、政府機関の定めた標準必要量に相当する餌を食べた動物や、好きなだけ食べた動物にくらべて、標準より少なめのカロリーしか与えない動物のほうが長生きして、病気にも罹りにくいそうです。恐らく、標準必要量は栄養が高すぎ、慢性の栄養過多状態を引き起こして、それがからだに負担をかけるのでしょう。実際、一部の研究者は最近になって、健康と長寿を保つためには「少食」がいいといいはじめています。もちろん、少食にせよと言うのは簡単だが、それを実行するのは難しいものです。食べるということは単に身体に栄養を供給すること以上の、さまざまな機能に役立っています。それはシンボリックな行為であり、社会的な機能であり、快楽の源泉です。
私たちのからだは、長い歴史をつうじて飢餓の中で進化してきました。食べ物を得ることは容易ではなかったし、年中手に入るわけでもありませんでした。その中で環境に適応して生き残ってきた我々の先祖は、食べ物を探す能力、それを最大限に活用する能力を身につけた人達です。現代は量においても種類においても空前の食べ物がいつでも手に入る時代にあって、彼らから受け継いだ遺産は不都合に働きかねません。肥満に悩む人が増えるのも、ダイエットにとりつかれる人が増えるのも、「少食論」に人気がないのも、無理からぬ時代でしょう。にもかかわらず、さまざまな研究結果からみて明白なのは、大食よりは少食がいいということ、少食は本気で試みる価値があるということです。
食事の回数を増やして、少しずつ食べるのもいいでしょうし、ときどき断食をするのもいいかも知れません。もう一つのやり方は、好きな食べ物のカロリーを減らす方法を身につけることです。
知性ではなく感性で食べよう
味覚と嗅覚は何がからだにいいかを教えてくれる優秀なガイドです。それを信用しましょう。感覚を磨き、感覚に注意を払って、からだの智恵に耳を傾けましょう。嫌いなのに「からだにいいから」と考えて食べたとしても、身体の智恵に耳を傾けたことにはなりません。嫌いなものを、誰かに「からだにいい」といわれて無理に食べるのは、なおさらです。
何よりも自分の感覚に訴えるもの、からだが喜ぶものを食べるべきです。食べることは人生の偉大な快楽のひとつであり、たとえ現在好んでいる食べ物をやめる気になったとしても、楽しみを犠牲にするような食生活を始めるなら、健康とは言えないのでは。
味わいつくし、舌鼓を打って食べよう
消化器系は精神状態を反映する鏡です。だからストレスによって、実に多くの消化器疾患が生じています。怒っているとき、不安なとき、気が散っているときには、いくらいいものを食べても、からだが、十分に消化してくれません。いつもラジオでニュースを聞きながら、新聞やテレビを見ながら、あるいは仕事の話をしながら食べていては、栄養を頂いていることにはなりません。何を食べるかよりも、食べるときに何をしているかの方が重要かもしれません。消化活動は、食べ物を味わいつくし、食べることの快楽をこころゆくまで味わったときに、いちばん効率よく働くものなのです。
バランスのとれた食事を
私たちは耳にタコができるほど「バランスのとれた食事をしろ」といわれてきました。バランスのとれた食事とは何か? 要するに炭水化物、脂肪、タンパク質という三大栄養素が正しく配合された食事のことで、食べ物を賢く選ぶには、それぞれの栄養素について身体がそれらをどう使うのかを知っておきましょう。