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道のりの一つのピークである結婚式当日。このレポートは前日から
始まります。


11/22
午前中まで仕事。
花嫁なのに前日まで仕事ですか?!と言う声に見送られつつ、
「明日は宜しくお願いします」と課長達に頭を下げて12時に退社。
本日は忙しい予定なのです。
そう、俗に言う「前日の花嫁」なのですよ。


まずは当日に持ち込むための荷物をチェック。

1.和装洋装用の下着
2.当日のお菓子かおにぎり
 …花嫁は披露宴で食べることが出来ないので、着替えの合間に
 控え室で食べるための食事を用意して、と言われるのです。
 勿論、一口サイズ。
3.「親への挨拶」。
 …涙の別れがなければ花嫁じゃないし!むっちゃイヤやけど!!!
4.顔剃り。
 …花嫁は、顔の産毛はもちろんのこと、うなじから背中まで、むだ
 毛の処理が必須なのです。今回の私は前日に顔剃りしましたけど、
 ほんとは2、3日前がベスト。
5.ネイルアート
 …どうせ手袋に隠れるとは言いつつ(笑)、コレが花嫁の準備、って
 ヤツですわ。

これらを大体終わらせて、家族揃って最後の晩餐の予定。これが花嫁
前日、当初の予定…でしたが。


実は私達の二次回の幹事、私だったのですよ(笑)。だってほら、ありが
とうって言いたいじゃないですか。
今までお世話になりましたこれからもヨロシク、って。
みんなに。
だからもう、いっそ自分たちで幹事しよう?と決めたのです。日付が
せまっていたって点も大きいですけど(笑)。
で、予約と時間をアナウンスだけでイイや〜と歌っていたのですが、
この前日に「二次会とはビンゴをするものなのでは?!」と急に天啓を
受けたのです。まるで水に触ったヘレンケラーのように。

それから大忙しでビンゴセットの借り出し、景品の検討、準備。
しかし、ビンゴカードがデパートに売って無くて。焦る焦る。
そうか、世間様の花嫁とはこんなに忙しいのか…とキレながらの前日
だったのです。
で、足りない景品を補ったり自分のゲームを買ったりしてるウチに、
ネイルの予約時間が来た、と。


顔剃りとネイルアートを昼からする…となれば、帰宅時間も比例して
遅くなるのですね。顔剃りが一時間程度、ネイルが一時間半。
ちなみに顔剃り、フェイシャルエステも同時にしたのですが…これが天国
のように気持ち良かったです(笑)。自分が綺麗になっていくのがわかる
ですよ。←言いすぎ(笑)。


結局、私が家に帰ったのは22時を回ってからでした。しかも猫が帰って
こなかったので私、単品です。
家の人間はほぼ寝てしまっており、「遅い!」と10年振りくらいにオヤジの
げんこつを貰ってしまいました。コレがまた痛いのなんの。

結局この日、挨拶は出来ず。
違う意味で涙を流しながら、就寝です。



11/23(金)
当日は5時半起き。目覚ましでイッパツ、目が覚めました。年に何回も
ないことです(笑)。緊張してました。

さて、昨日し損ねた挨拶をせねば。父はまだ寝てましたが決行です。
襖を開けて寝ぼけ顔の父に頭を下げます。
「今までお世話になりました」というと、
「……昨日は帰ってくるのが遅いよ、馬鹿」
なんて、半泣きの笑顔付きで言われました。

着物の着付けがあるので7時までにと言われたので、眠い目をこすり
つつ、会場入り。うう寒い…。
着付けの方はもう来てました。今日はヨロシクの挨拶と着付けの方への
心付けはこのタイミングで渡します。いや親が(笑)。
私はコンタクト着用の後、すぐに着付けに。化粧と合わせて大体1時間
ほどで着付け終了。うーん、実に立派な体格の花嫁です(笑)。

打ち掛けは重いのでまだ着ないようにして、式の始まりを待ちます。が。
親族が来た…と言うことで「挨拶に行け」と母からシレイが来ます。
この母、実にじっとしていないオンナでして。会場入りしてから披露宴
終了まで私と一緒にいた時間は正味で20分もないのでは。


10時からの式ですが、9時ぐらいにはそうしてみんなと話していたのです。
私側の受付をしてくれたまこちゃん達もキッチリ来てて、少しだけ話が
出来たし。
で・も。
ここでトラブルの一つ目。「新郎側の受付がまだ来てない」。

要するに、今回は私の実家が津久見からなので結構早めにみんな
到着したのですよ。
しかも私が受付を頼んだ友人、まこちゃんと利都は時間に正確。
ちょいと早めに来て正解…と言った風情だったのです。が。
時間にややルーズな新郎側の友人は、「予定時間ぴたり」に来たの
です。
よって、「新郎側の受付は、客が来たのにまだ来ない」と言ったトラブルに。


来ないよ〜と言っていた10分後ぐらいに「来たよ」の報告を受け、ホッと
したのもつかの間、今度は私のカツラが痛み始めます。どうやら地毛を
巻き込んで止めたのでズレて痛い…と原因を突き止め、着付けのヒトに
アイコンタクトするも、非情なアナウンスが。
「ただいまより…」式を始めます、とのことです。
ま、我慢できないほどの痛みじゃないし…と式会場にはいるために並び
ました。
コレがトラブルの第二弾。カツラの痛み。
さらに間髪入れず第三弾がここで勃発。なんと母がいないのです(笑)。
式場の方が探し回るのですが見あたらず。しょうがなしに場内アナウンスで
呼び出します。前代未聞の母。
結局、携帯で話していたとかの母が合流する頃には、私のカツラの
痛みは最高潮に。ずきずきと怪我をしたみたいに痛いのです。

緊張も感動も、この痛みの前ではどうだってイイ。


結婚式は神前でした。ええ、神道です。アタマが痛かったのでほとんど
覚えてませんが、御神酒が異常に美味しかったことだけは鮮明。
三三九度の時にお酒をちょっとしか注いでくれなくて、せめてこの一滴
だけでも…と唇を伸ばしたら杯にクッキリと紅が残ったりしてました(笑)。

酒が回って痛みが消えるかと言えばソレは逆でして、親族写真を撮る
頃に至ってはもはや引きつり笑いしかできません。周りの人に心配を
かけながら無事写真撮影が済み、式会場から披露宴会場へ移動。
移動っていっても式会場と披露宴会場、建物が違うし(笑)。
なので寒空の下アスファルトの上を移動です。白無垢のまま、ね。
会場に着くやいなや、まずは我慢も限界だったアタマを着付けの方に
お願いして、なおしてもらいました。

ああ、痛みがないって素晴らしい。

カツラを被りなおしたら、今度は披露宴出席される人に対しての挨拶です。
「お出迎え」形式でなく、ウェイティングルームでの立ち話、的にしました。
コレが結構忙しいものけど、みんな楽しそうなのです。ホッ。
と、出席者がほぼ出そろったところで一旦会場の扉は閉められる時間に。
……ですが。そう、トラブルの第4弾はココ。なんと余興枠の中で長時間
取ってあった二人がまだ来ない。
来ない。もう新郎新婦入場の時間やのに。
白無垢から色打ち掛けに着替えたワタクシ共が顔を見合わせた頃に、
結局、滑り込みセーフで登場。ホッとして会場へ入場。
さぁ、私達の一世一代の見せ物がスタートです。


白無垢よりも重たい色打ち掛けは、なんと真っ直ぐに座ることが出来
ません。重さで後ろにひっくり返るのです(笑)。ご存じでしたか??
なので浅く、前傾姿勢を保って座ります。腹筋を使って座るので絶えず
腹式呼吸。キツ。
立ったり座ったり、他人様のスピーチの中、ようやく乾杯です。
なのに。
乾杯のビールと共に運ばれてきたストロー付きのウーロン茶。コレは
何やん??
馬鹿にしてんのか…と不適に笑って、ビールを飲むのです。コレがまた
美味い!!ワタクシ好みの味です。うはは。つまみも沢山あるしさぁ。
花嫁は食べられない…とは、みんなに聞いていたのですが、実はコレ
ワタクシは「時間制限のため、食べられない」のだと思っていたのです。
実際は「胸がいっぱいで」食べられないらしい。

てへ(照)。


ま、そんな感じでお腹がペコペコの私は乾杯の後、すぐに着替えのために
出ていったり、入ったり、を繰り返しつつ、チラチラと料理を平らげていきます。
なんだか、私の知ってる花嫁さんて、みんなはお酒を注がないものなんじゃ…。
でもワタクシのコップはいつ見ても満杯に近いのです。ぬぅ。
注がれたものは飲まなければ…と、新郎に負けない量を飲み続ける私。
空きっ腹に飲むと酔いますから、当然つまみもガツガツ喰らう。
「仲人の料理まで食った」事は、後になり伝説になったそうです。全員が
「こんなに喰う花嫁は初めてだ」と言うなか、兄がぼそりと相方に
「わしゃぁこげな喰う花嫁を見るのは初めてじゃ。恥ずかしくてならん。
……すまんのぅ、こんな妹でのぅ」と謝ってます。


てへへ(笑)。


さて、着物から洋服へ着替えるために退出したのですが、この時に祝電
が披露されるわけです。印象深い電報の全文はココの23日分日記。
聞いた瞬間、妹はうろたえて自分のコップを揺らし、司会者もうろたえて
「…えっと、コレは読んで良かったのかしら……」
と言っていたらしい。
でもそんなこと、着替えてる私は知らなったんですけどね。

白から色ドレスへの着替えはちらりと時間がかかります。
ちょいと遅れて退場した相方が「何か会場でガチャーンって大きい音が
したよ〜」なんて報告してくれます。何やと??
取りあえず状況を把握したい!と混乱しつつ、再入場をするために
会場の入り口に立つと、係の方が走り寄ってきました。
「すみませ〜ん、どなたかがウェディングケーキの台を倒してしまった
みたいで……ウェディングケーキ、無くなってしまったんですけど……」
そう。最後のトラブルはココで発生。

説明させて貰うと、ケーキというものがあまり好きでナイ私達は、ウェディ
ングケーキを大きくして、みんなに食べて貰う…よりもちっちゃなケーキを
たくさん用意して、ケーキバイキングみたいにしていたのです。
デザートとして、ですね。
ですから、ケーキを乗せた台が倒れたと言うことは、必然的に皆さんの
デザートが無くなった、と。
そう言う意味なのです。

ケーキ入刀はもう済ませていたので、ハッキリ言ってケーキが無くなった
ことはどうでもイイ。しかしウェディングケーキは二次会に持ってくつもり
だったのに。

ほんのちょっとだけ呆然とするも、そんな暇はないのです。深呼吸して
今度はキャンドルサービスのため、入場しました。
各テーブルを回っていると暖かい言葉が私に注がれます。
「太ったネェ」「もう寝坊して遅刻しちゃ駄目よ」
「食い過ぎ」「飲み過ぎだよ」「料理しろよ」「お前が主人じゃねぇぞ」
「この酔っぱらいが」
等の言葉が掛かります。ハハ、誇張ナシだよ。

うるせぇオマエら!いつか殺す!!!


てな感じで、実に殺気だったままにこやかに各テーブルを回って、
無事に全イベント終了。後は挨拶だけです。
本日はお集まり下さいまして…ってアレですな。花束贈呈の後、義父
から挨拶して相方が締めます。この相方挨拶、大体キーワードは以下の通り。

・今日は忙しいところを、ありがとです。
・死んだ母も随分とこの結婚式を見たかったでしょうに、見させられなくて
 残念です。
・父にも今まで育ててくれたことを感謝しますが、ソレよりも恭子さんの
 両親に感謝です。お付き合いして、恭子さんが愛情たっぷりに育てら
 れていることがすごく良くわかりました。
 貰っていくのに罪悪感を感じますが、これからは僕が幸せにしますので、
 どうか許して下さい。
…こんなとこですか。

これがですねぇ、うちの父方にえらい受けまして。結局、父の友人は
みんな、私ぐらいの年頃の娘を持っているわけですよ。ここんところに
ピンポイントで切り込んだみたいなのです。
続く「万歳三唱」は父の友人がすることになっていたのですが、彼が
「僕は他人の結婚式でこんなに感動したのは初めてだ」とかで泣くし、
父はもはや言うに及ばず泣きじゃくる。
ヤジまで飛んでましたからねぇ(笑)。



結局、ハプニングも数多く、そして笑いも感動も数多くあった式って
ことですか。平凡ですが、かけがえのない思い出ってこと。
そう言えば、最後のお見送りの時に、兄がまたもや相方に
「今日はイイ式やった。でも、あまりにもハプニングだらけじゃったのぅ。
まるでアンタはハプニングと結婚したみたいじゃね」
と言ったことが気に掛かります。
つまりナニか、私はハプニングなのか?!


でも他の人って、どのくらいのハプニングに見舞われるんだろう(笑)
とか言いつつ、取りあえず披露宴編はコレにて終了。読まれた方、お疲れさまでした。


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