一年間闘争(笑)        '00.11.15

さて、どこから何処まで書けばいいのやら。

元彼、仮名としてノブ君としましょうか。ノブ君とは
学生時代からのお付き合いでした。
19〜23ですか。実質5年ってことになりますねぇ。
その間、半同棲を入れると4年間、一緒に暮らした
計算です。
もう、「結婚」の文字も見え、お互いの相手の家庭
に…主に向こうの家庭に…実にしょっちゅう泊まり
に行くような間柄でした。
私達を知っているヒトはみんな、私達の結婚はまだ
かい?と聞けるような。
会社でもみんな知ってましたし。
「公認の仲」として、順風満帆やったわけです(笑)。
結婚資金を溜めるため、私は自分の給料を生活
費にあてて、ノブ君に貯金をさせていました。



99年 2月
私に「大分県土木、竹田土木事務所」に一年間の
出向、の話が持ち上がりました。
 一年間の期限付き、
 ノブ君も大分土木に出向中だったこと
を考えて、迷った挙げ句にオッケーします。



  4月
竹田に通い始めました。が、大分市から竹田市
までは車で約1時間。
私は、今までにそんな距離を通勤したことがなかった
のですぐに挫折(笑)。
ゴールデンウィーク中に、竹田に家を探すんやわ!
と周りに豪語したのです。
……しかしいざとなったら面倒になりましてねぇ。
滅多にない長期の休みやし。
竹田に通うのなんて、ま、なんとかなるわ〜と、
楽観的に、また働き始めたのです。
ところが。



  5月
ノブ君はもともと、私との同棲を大分土木では内緒にして
いました。理由はあったのですがね。
で、ゴールデンウィークあけぐらいから
「悪いけど今から土木の人が来るから、アンタ、何処
かに行ってくれない?」と言われるようになったのです。
最初は納得して、本屋に行ったりしていたのですが、
その間隔が段々と、月1から週1,週2,3となり、それに
伴って、彼らが来る時間も遅くなっていきました。
さらに従って、私の機嫌も悪くなっていって。
だって夜の8時とか9時、最終的には11時ぐらいに
やってくるのですよ?それも、平日の。
最初は、「もう帰ったよ〜」と車に呼びに来ていた
ノブ君も何回目かになるともう呼びに来ず、っつーか
彼は独身や、と言ってあるので、みんな深夜になっても
帰らない訳ですよ。
で、毛布を渡されて、車で寝るのです。
ええトシした、若い女が(笑)。
……むかつかないわけがないって(笑)。
家賃も生活費も、私が出しているのですから?
何故にそんな仕打ち?と。

で、聞いたわけですよ。「車でお泊まり、を初めて経験
した日に、『私のことを、土木の人に言いなさい』と
言ってあったけど、アレはどうなってるの?と。
すると「言ったけど…」と歯切れ悪く呟き、
「大体、恭子が悪いんやわ」と言い始めたのです。
驚いて聞き返すと、私がゴールデンウィーク中に出て
いくと思っていたので、土木のヒトに「来てもイイよ」
と言った、と。
「やけん、今更「来ちゃ駄目」って言うわけにはいかん
やん?
「それなら、どうして彼女が来てるって言わないの?」
「したら会わせろって言うもん。みんなが」
「会わせたら駄目なん?」
「恭子、馬鹿なヒト、キライやろ?」
「キライ」
「だって臨時は馬鹿やし。でもキライっちゅーのを顔に
出されても今度は俺がイヤなん」
「……ちょっと待ちなさい。……臨時ってことは、したら、
この家には女の子が来てるの?あたしの知らない子が」

私の剣幕に驚いたらしく、ノブ君は目を逸らして頷き
ます。
これが、私が出て行くことになった決定打でした。



  6月から7月
竹田での家を決め、引っ越しをぼちぼちする予定でした。
しかし、ノブ君にそう伝えたところ、彼は「引っ越しは
俺とオヤジでするし」と言うのです。
結局、私が仕事で留守にしていた間に、ノブ君はおじ
さんと二人で竹田の家に私の荷物を置いていました。


土日には大分に帰り、掃除や片づけをする毎日。
そんなある日、ノブ君が「この部屋にクーラーを入
れる」と言い始めました。
ですがその件は、買わないことで既に決着している
はず。今になってそんなことを言う理由は…と考え、
問いつめると、やはり
「土木のヒトに言われたし…」と答えるのです。
いい加減に私も切れて、
「そう、それなら勝手にすれば?アンタのお金から
買えばいいやん」と売り言葉に買い言葉。
結局、クーラーが我が家に来る羽目になりました。

それからしばらくして、クーラーとほぼ同じ過程で、
カーペットとソファが家に来ました。部屋は全て畳敷き
なのですが(笑)。
それで、堪忍袋の緒が切れた私は彼に聞いたわけです。
「ココは、あたしの部屋でもあるんやけど。アンタ、結局、
土木のヒトにあたしのこと、話してないよね?」
「……いや、一人には話したよ」
「話した?!話してどうして事態が変化しないの??」
「…アンタも、無理言わんでよ!」
「無理????」
「俺には俺の、付き合いっちゅーもんがあるんやで!?」
で、その台詞を聞いて、私がマジ切れしたのですよ。

出て行け、と言いました。今、あたしはココに住んでない
けど、あんたが住むこともまかりならん。
出て行け、と。
すると、「わかった」と彼は言い、その言葉通りすぐに違う
アパートを見つけ、引っ越したのです。
その際、クーラーからソファ、パソコン、洗濯機や冷蔵庫
などの家電を持っていったのはさすがでしょう(笑)。
がらんとした部屋を見て、自嘲が止まりませんでした。



しかし、それで別れたわけではなかったのです。
ノブ君に確認したところ、竹田に出向中の一年間は
「お友達」なんだそうで。
彼氏彼女に戻るかは、終わってからまた考えよう?と
言うのが結論だったみたいですね。
まだ怒ってるの?のサインと共に、猫を飼い始めた私の
部屋に、ノブ君が夕食を持って遊びに来るようになりま
した。
私も怒り続けるのが面倒になり、それを許容。



  10月
ある日、電話口でノブ君が「俺等も長くなったね」とか、
うにゃうにゃと言いました。
なんとなく、電話や態度から察した私は、
「そう。それで?土木の臨時はそんなに可愛かったの?」
「え??」
「や、だから。その子とお付き合いしたんでしょ?」
「………うん」
「で?」
「…え??」
「え、やないでしょ?その子とまだお付き合い、するの?」
ノブ君は無言になり、向こうにも彼氏がいるし、うーん…、
と唸ってます。
私は、馬鹿らしい…と思いつつ、アンタのそう言う態度は、
私にも相手にも失礼だよ?と怒り付けました。
すると突然、ノブ君が泣き始めるのです(笑)。

「アンタは、俺には勿体ないくらいイイヒトだ」とか、「俺は
果報者だ」みたいな事を言うわけですよ。
マジで馬鹿らしくなり、
「私を選ぶんなら、キッチリと片づけてからにして」と宣言。
俺もアンタがいいよ…と呟くのを聞いてから、電話を切り
ました。
しかし、電話は何回か続き、どうやら向こうの女の子に
「子供が出来たらどうする〜」など言われていたようです。
ノブ君はそんな攻撃に慣れておらず(笑)、非常に混乱
していましたよ。
挙げ句、私からは「向こうに子供が出来たのなら、責任
とっておろさせる、もしくは結婚しなさい」って言われる
しね(笑)。


そして、通算何度目かのプロポーズが、10月の中旬。
いくらなんでも即座にオーケーは出来ず(笑)、…やっぱり
不信感があって(笑)。
今年度イッパイは待って、と返事をしました。
わかった、との返事に、私も決意。
竹田が終わったら結婚か〜としみじみ思っていたのですよ。

電話があったのは、その一週間後のことでした。
またもや泣きながら、ノブ君が電話してきたのです。
ノブ君の相手はいよいよ、「子供が出来た」みたいな事を
言ってきた、どうしよう…と言うのが、電話の内容でした。
身に覚えがあるの?と聞けば、「ナイ」と答えるノブ君に
「じゃ、突っぱねれば?」と答えると、電話は切れました。



  12月
ノブ君が、晴れ晴れとした声で
「俺、結婚するから」
と言いました。
私と、ではなく、向こうの子、と(笑)。

会いたい、とノブ君が言うので会うことにしました。
忘れもしない、「ジョイフル事件」です(笑)。
12月も終わりの頃。

向こうは私に罪悪感を抱いているらしく(当たり前ですが)
「ごめんな?」と何度も謝ります。
しかし、私にしてみればプライドを踏みにじられたのです
から。怒りは既に冷えて固まり、冷淡でした。
私は、別に謝られてもなんにもならないことを説明。
それよりも、長い間一緒に暮らしていたので共有財産が
あるけど、アレをどうするのか?と聞きました。
ノブ君が持っていった家電は、餞別代わりにやるから。
だけど、一緒に溜めてたお金は、半分にしよう…と。
彼の給料から天引きで溜めさせていた分も上げる。
……今考えると太っ腹ですな(笑)。

しかし、彼は首を横に振るのです。
彼女が流産しかけて、その入院費に貯金を使ったので
ナイ…と言われたときの私の気持ち(笑)。
しかも、聞けば聞くほど彼らの計画性は、ありませんでした。
彼の手取りでは、家族3人が暮らしていけるかどうかは
アヤシイのに、ってーか確実に出産費用もナイ。
なのに具体的に貯金をしているわけではない。
彼女はまだ21歳かそこらで、彼女にだって貯金はない。
しかも家族と同居しているので家事全般は不得意。
「アンタ、馬鹿だよね」
と私が言ったとしても、不思議はないでしょう(笑)。
実際、目眩がしましたとも。馬鹿らしくて。


「まだ、俺等は友達かな?」とノブ君が聞きました。
「あたしが幸せになるまで。連絡も何もかもまかりならん」
「もう、友達にもなれんの??」
「アンタ、自分のしでかしたことは理解してるの?
あたしは、アンタの顔も見たくないよ」
「そうなん?ごめんな??」
……普通は男女の役割が逆なのになぁ…と思いつつ、
ファミレスの中で言い聞かせ続けます。
ノブ君はぽろぽろと泣いていて、私は仏頂面で。
周りの席のヒト、みんなの耳がダンボになってました(笑)。
結局はヤツの泣き勝ち(笑)。
ノブ君の会社のヒトからは同情の顔をされ、私の友達は
怒り狂い、そして私の親は「アンタが悪い」と言い放ち
ました(笑)。



で、お終いです。
いやぁ、簡潔にまとめようとしたんですけどねぇ。
無理でした(笑)。
こういうのって、記憶の劣化と共に自分に都合のいいように
改竄して行くじゃないですか。
だから、まだ記憶が完全なウチに書いておこうと思ったの
ですよ。

やれやれ、長かったですけど。
以上です。

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