16時間タイマー




当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。
この注意事項の記載が無いときに流用した者は、速やかに当方の許可を得るか、
該当 HP等を削除しなければなりません。



   

 画像ではアクリル板を載せているが、現在はケース内に取り付けている。アクリル板の穴あけは 印刷した図面を両面テープで貼り付けて行う。アクリル板はシンナーに侵されないので都合が良い。
 ケースの底の内側に、バラックで動作テストしていた時に使用した 1.5mm 厚のアルミ板を取り付けている。 負荷電流 10A でも冬期、ケースが僅かに暖かくなる程度 (キットを買って作ったら動作したといって 喜ぶ類のオモチャの製作ではありませんので、そういうレベルのお子チャマは当 HP は 見ないように)。
ケースはタカチ MB-3。




 当方にとって参考になるサイトはまずないのでネットでこのような分野を検索する ことはほとんどないのですが、先日本当に久しぶりに(ひやかし半分で) "タイマー 製作" で検索して みたところ、案の定どうしようもない子供のオモチャの製作ばかりでした。困ったもんです。よく 恥ずかしくもなくわざわざネットに載せるものだと感心。画像撮影したりかなり労力もかかるだろうに。 当方なら恥ずかしくてとてもとても・・・。能力は無いけれど自分の存在を社会にアピールしたいので しょうね。

 本器は時計用のクリスタル(音叉?)を使用しているため精度は極めて高く、最大の16時間でも誤差は 1秒とありませんが、当方のようなクリスタルを使用した精度の高いタイマーが(使いやすいマイコンが 登場するまで)アマチュアによってほとんど製作されてこなかったことには理由があります。通常の ロジックファミリーにタイマー用として都合の良い 6進のダウンカウンター(10秒、10分の桁で使用)が ないのです。アップカウントであればバイナリーカウンターでも BCD カウンターでも 任意の進数のカウンターにいとも簡単に出来るのですが、ダウンカウントはそう簡単ではありません。 10進のカウンターを RESET で何とか 6進に出来たとしても、プリセットした桁のデータのカウントが 0 になれば、次は 5 でなく 9 からカウントしてしまいます。 本器では表示しておりませんが、カウント中のデータを表示したいとなれば大きな問題です。本器では 6進で正しく動作しておりますので表示しても全く問題ありません。

 マイコンを使用したサイトが何件かありましたが、当方は敢てマイコンは使用せずロジック IC で 製作しています。マイコンでなければタイマーなど出来ないものと考えている初心者には、ロジック回路 とはどういうものかを理解する上で参考になると思います。マイコンを使用すれば構成は驚くほど簡単になります。プログラムも極めて簡単なものです。 しかしながら難しくとも他人の出来ないことをすることに意義があります。トランジスタの使い方も 分からずにアナログ IC を使う、ロジック IC の使い方も分からずにマイコンを使うでは真の技術力は 付きません。いつまで経っても他人の作ったものを 1 から10 まで真似するしかないでしょう。他人の 作ったプログラムの書き込まれたマイコンを(基板も自分では作れないので他人の作った基板を)使って タイマーが出来たとしても、他の人によってプログラムや基板の作られていない機器は製作できません。 温故知新・・・、

 設定は 10秒、1分、10分、1時間ステップです。最大タイマー時間は 15時間 59分 50秒となります。 留守中や就寝中に充電池にやさしい 0.1C 充電をするのにも丁度良いタイマー時間です。また時間が正確 ですのでプリント基板の露光に便利です。 "何分にスタートしたから何分まで" などと言いながら、時計と 或いはストップウオッチと睨めっこしている必要がありません。
 操作スイッチは停止・設定時間取り込み・タイマースタートの3つで何れもタクトスイッチを 使用しています。
 ○タイマー動作中にタイマー時間の設定をやり直したい場合は停止スイッチを押し、タイマー時間再設定後、 設定時間取り込み・タイマースタートスイッチを押します。
 ○電源を入れなおした後にタイマー設定時間を取り込む場合は停止スイッチを押す必要はありません。
 ○タイマー動作中に停止スイッチを押すとカウントは一時停止となり、再度タイマースタートスイッチを 押すとカウントを再開します。
 ○OFF→ON モードでは、タイマー設定時間が 0 の場合(当然タイマーのカウントが 0 になった場合も)は 停止・タイマースタートスイッチにて単純に負荷の ON ・ OFF を制御できます。ON-→OFF モードでカウント 終了後再度 ON にするためにはタイマーを再設定しなければなりません。
 表示は停止・タイマー動作中の2つで低電流でも何とか光ってくれる小型の LED を使用しています。
 OFF→ON、ON-→OFF モードの切替はスライドスイッチを使用しています。タクトスイッチでは 動作状態を LED 表示しなければならず消費電流が増えてしまいます(変更する可能性はあります)。




 回路図

 回路図をそのまま載せようかとも考えたのですが勿体ないのでブロックダイアグラムといたします。  (^^♪
 バカでも出来るようなオモチャなら回路図をそのまま載せても良いのですがね。

表示
 カウント中のデータや入力データ等の表示は一切しておりません。タイマーに都合の良い時計用の LCD が 入手出来ない (腕時計用を除いてほとんど製造されていないと思われる) ことが主な理由ですが、時間を監視できる 状況にあればそもそもタイマーは必要ないわけで (この極めて当たり前の常識が無視されるのはお子様のオモチャの 場合)、設定した時間が百発百中で正しく取り込まれればカウント中の データや入力データ等が表示されなくとも問題ないと判断しました。7seg LED では消費電力が増えてしまい、トランス 或いは ACアダプタ等が必要となります。またマイコンを使用してキャラクタディスプレイを表示したのでは本末転倒です。 マイコンを使用した場合、簡単なタイマーでも表示装置なしでは設定時間の入力も通常出来ません。
 しかしながら将来、ダイナミック点灯にて各桁にデータがあるかないかだけでも LED 表示することも考えています。

電源
 電源は AC 100V を直接整流しています。このため消費電力は約 0.1W となっています。SSR が ON でも OFF でも消費電力は変わりません。SSR が OFF 時にはツェナーダイオードとレギュレータで SSR 制御電力分が 消費されます。
 トランスを使用した場合、 鉄損・ヒステリシス損・銅損等のためこのような低消費電力とすることはまず不可能です。低消費電力の負荷を 制御するのに負荷の機器よりもタイマーの方が消費電力が大きかったら?、消費電力は大きくないとはいえ 精神衛生上あまり良いものではありません。多少の誤差はあっても機械式の (例えば松下電工の TE311、所持しています) タイマーに軍配を上げる人もいるでしょう。
 実用の機器を製作して雑誌やネットに発表するのであれば消費電力にまで配慮しなければなりません。 さもなければ実用には耐えない (仲間内だけで盛り上がって喜んでいるくだらない) 子供のオモチャです。
 AC 100V を直接整流して微小電力機器の電源としている方もいるでしょうが、その消費電力を計った方は殆どいない と思います。使用する直列コンデンサの値や出力電圧・負荷電流にもよりますが消費電力はおよそ 0〜0.1W です。 当方の HP は参考になりますね。

SSR
 20A の SSR を使用しています。SSR 自体に小型のヒートシンクが付いていますので、更にヒートシンクを 付けなくとも 5A 迄の制御は可能ですが、金属ケースに取り付けることにより 20A 迄制御することが出来ます。
 ゼロクロスタイプですので突入電流の心配は不要ですが、実際の機器では整流回路の平滑コンデンサ充電期間の 一部で極めて大きなサージ電流が流れます。消費した電荷分を補う期間整流ダイオードが導通するということです。 メーカー関係者以外機器のサージ電流の測定をした方はまずいないでしょうが、当方は仕事でサージ電流の測定を したことがあります。驚く無かれ機器によっては平均電流の数十倍というサージ電流が流れます。 特に AC 電源をを直接整流平滑している (整流平滑回路から見た電源側のインピーダンスが極めて低い) 機器で その度合いが大きいようです。SSR のような半導体で制御しているタイマーではサージ電流に十分注意しなければ なりません。本器使用の SSR は繰り返しサージ耐量約 100A ですが、仮に 30 倍のサージ電流が流れる機器では 3A 強しか制御できないことになります。
 出力保護にバリスタとスナバを内蔵していますので、通常の使用では更なる保護回路は不要と思われます。
 IC から SSR を直接制御することも可能ですが念のため TR を追加しています。
 僅か数 mA の電流で大電流を制御できる SSR は素晴らしい。フォトトライアックの開発者はもっと賞賛されて良い。 メカリレーでは AC 100V を直接整流した電源を使用することは出来なかったでしょう。

カウンター IC
 カウンター IC には昔購入した 4522B と 4526B を使用しています。両方ともダウンカウント用で 4522B は 10進、4526B は 16進です。既に述べましたがタイマーに使用する場合、10秒・10分の桁ではカウンターを 6進としなければなりません。 アップカウントであれば 6 になった瞬間にリセットをかけることにより簡単に 6進カウンターとなりますが、 ダウンカウントは簡単ではありません。9-8-7-6-5 とカウントして 4 になった瞬間にリセットをかけることにより 擬似的に 6進となりますが、BCD の 4 の桁のみが "1" であることを検出するにはゲート IC が2段重ねで必要になるでしょう。 例えば BCD の 1 の桁と 2 の桁が "0" であることを NOR ゲートで検出し、NOR ゲートの出力と BCD の 4 の桁の 出力を AND ゲートに入力する方法です。うまく検出してリセットをかけたとしてもカウント中のデータを表示した 場合、例えば 10 分の桁では 90分-80分-70分-60分-50分-0分となってしまいます。
 本器ではこの問題を二重にプリセットをかけることにより解決しています。即ちスタート時にはタイマー設定時間を カウンターに取り込み、その後は自動的に 6進のデータを取り込んでいます。このためカウント中のデータを表示しても正常な データを表示します。ここは書くかどうか迷ったのですが、"二重にプリセットをかけると口で言うのは 簡単ですが" ド素人が実際の回路で実現するのはまず不可能だろうと判断いたしました。 (^^♪

トリガーパルス
 安定な動作をさせる上でプリセットデータ取り込みのためのトリガーパルスは重要です。特に本器のように二重に プリセットをかけている場合は尚更です。また取り込まれたデータを表示していない場合は百発百中でプリセットした データが正しく取り込まれなければなりません。不安定なトリガーパルスでは正常に動作しないことを高い確率で 保証いたします。(^^♪

 本器で使用のトリガーパルス発生回路です。74HC74 はワンショットマルチを構成しています。手持ちの資料に 74HC74 を 使用したワンショットマルチがなかったので仕方なく当方で考えたものです。C1・R1 の時定数で定まるパルス幅の間、いかなる おかしなタクトスイッチの押し方をしてもトリガーパルスは一発しか出ません。C2・R2 はダウンエッジ検出用時定数、 C3・R3 はパルス幅決定用時定数。
 図の接続で、74HC74 の CK 入力パルスのアップエッジでトリガーパルスが出力されますが、C2 を 74HC74 の Q 出力に接続することにより Q 出力のダウンエッジでトリガーパルスを出力することが出来ます。
 実際の回路では 74HC74 の前にパワー・オン・リセットをかけたシュミット・トリガー・インバーターが接続されます (PRS スイッチも移動)。また C2 は Q 出力に接続しています。

0.1Hz クロック発生部
 15 Stage Divider には、5036B が入手出来なかったので 4060B と 4040B を使用しています。4040B は 1/2 分周しか しておりませんので極めて勿体ない使い方です。これはポピュラーな 74HC74 でも良いのですがピン配置が使いやすいため 使用しています。しかし 15 Stage 専用の Divider がないのは不思議です。発振部付きの 15 Stage Divider があれば 32.768KHz クリスタルと合わせ IC 1つで 1Hz クロックが得られるのですが・・・。時計屋さん以外 1Hz クロックは ほとんど必要とされないということでしょうか。時計屋さんは小型且つ安価そうな専用 IC を使用しています。 なお 32.768KHz クリスタルは通常の常識的な定数では発振してくれません。最適な定数を見つけ出す必要があります。
 1Hz クロックはタイマーの動作確認に便利です。1時間以上の動作確認は大変ですが、1Hz クロックを使用することにより 1時間を 6分で確認できます。

基板
 基板パターン面を1枚お目にかけましょう。

 ドリリング前のコントロール部及びトリガーパルス発生部基板。
 レジストを落とした後では基板パターン面の撮影は実に難しい。
 このガラエポでは、銅の光沢を画像に出そうとすればベークか紙エポのように写ってしまう。
 基板作製・撮影とも当方にとっては 50点程度の出来。

 最低この程度の基板が出来ない輩は電子工作は止めましょうね。
 基板も頭で作るものですから、電子機器の製作に向いている人は基板もそれなりに出来るものです。  出来なければ向いていないのです。
 楽天野村監督のいう 4番バッターやエースは作るものでなく 買ってくるものという言葉は 100% 正しい。どうも日本では能力(適性)はなくとも努力すれば何とかなる という間違った意識が強すぎる。

実装済基板
 基板サイズは全て 95 x 72mm、t=1.6mm、35μ。画像では色が違って見えるが全て同じガラエポ。


 コントロール部及びトリガーパルス発生部基板。
 デジタルスイッチとタクトスイッチの孔を開けた 2mm のアクリル板を挟んで、ほぼケースと 密着させるため IC ソケットは使用していない。

 デジタルスイッチは上から 10秒、1分、10分、1時間の桁設定。
 タクトスイッチは上からタイマースタート、設定時間取り込み、停止。
 

 カウンター部基板。
 基板サイズが小さいのと表裏の位置合わせが面倒なため、片面で作成したところ ジャンパーだらけとなってしまった。やはりほとんどのデジタル回路では最低両面基板が必要。


 0.1Hz クロック発生部及び電源部基板。

 実験・製作中は機器のグラウンドを商用電源のアース側としておいた方が良いでしょう。ビリッとくる 心配がなくなります。通常使用しているコンセントにはどちらがアース側か印を付けておくことを勧めます。 どうやって確認する? そういう人は即電気工作は止めましょう。向いていないどころか危険です。








- 8th Nov〜30th Nov 2007 -









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