THERMO CONTOROLER






当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。
この注意事項の記載が無いときに流用した者は、速やかに当方の許可を得るか、
該当 HP等を削除しなければなりません。








 ケースは TEISHIN TE-319を使用。





 基板の取付けは各々ビス 2ヶ所
 誉められたものではないですね。


 センサーはエポキシとアルミバンド
 で取付け
 アルミケース外側に FET取付け
 





回路図
 15℃〜65℃の温度範囲を 0.1℃で設定可能な恒温槽です。もっとも室温より低い温度には設定出来ません。 構成としては、恒温槽のアルミケースに取付けたセンサーの出力と設定値を比較して、発熱素子としての FETを ON・OFF制御する方式です。発熱素子はサイズ・使いやすさ・誘導雑音等の面から色々探してみた のですが適当なものが見つからず、本来の使い方ではありませんが FETを使用しています。 FET 1石当た りの損失は最大電源電圧において 3.2Wですが、許容損失は使用温度で十分余裕のあるのものである必要 があります。本器では手持ちがあったため Pd 100W (at 25℃) の 2SK695を使用しています。
 FETはアルミケースの外側に一つづつ取付けています。当初、恒温槽内部に発熱体を置いた場合はどうかと 色々試してみましたが、恒温槽内部に温度差が生じ、また恒温槽外部の温度変化の影響を受け良い結果は得 られませんでした。 FET をアルミケースの外側に取付けることにより外部温度の影響を受けにくくなり、また内部空間が局所的 に熱せられることも少なく、スペース的にも有利となります。本器では更に内部温度の均一化を図るため FET 取付部のアルミケース内側に発泡スチロールを貼っています。
 センサーは -8mVの温度係数を持つ S8100Bです。 S8100Bの検知温度が設定温度より低い時、コンパレー タ LM311の出力が HIGHとなります。この出力を分圧しマイナスの温度係数を持つ S8100Bの出力電圧 と加算することにより、FETの制御電圧を変化させ全温度範囲にわたりほぼ一定の電流が FETに流れるよ うにしています。本器では FET 1石あたり 200mAです。温度設定は VRでの設定を容易にするため 15〜40℃と 40〜65℃に分けています。尚、この VRの接続は右回りで電圧が低下する方向です。VRの出 力電圧は 3/4 LP-324でマイナスの固定電圧と加算し、更に 1.25倍して 10mV/℃の電圧として出力され ます。従ってこの出力を内臓の電圧計で表示することにより直接温度として読むことが可能になります。
 3/4 LP-324の 2Kで電源電圧や S8100Bの個体による出力電圧の違いを吸収しています。2/4 LP-324の 5Kで S8100Bの温度係数が -8mVでなければ調整可能ですが、 S8100Bの温度係数はほぼ正確です。
 電圧計は定番の ICL7137CPLを用いたものですが、最大入力が 650mVのため 4桁目の LEDは接続しており ません。尚、DPは 2桁目を使用します。
 FET の電源電圧は 8V・12V・16Vを切換えられるようにしています。設定温度が高い場合は電源電圧を 16Vに して発熱量を大きくし早く目的の温度になるように、また設定温度が低い場合は発熱量を小さくして恒温槽 の温度振幅が小さくなるようにします。
 EXT・INTの切換え SWは INTで設定温度を表示します。 EXTは恒温槽内の基板に LM35を取付け内部温度を 直接測定するために設けたものですが、恒温槽を使用しないときは温度計としても使用出来ます。
 恒温槽内の基板取付けネジはポリカネジを使用しています。

使ってみて
 65℃迄上がるのに 20分位かかります。 FETの電流をもう少し増やすか、アルミケースの残りの面にも FETを取付け 4ヶにした方が良かったと思われます。温度を下げるときは自然冷却ですので時間がかかり ます。それでも温度が高い時はまだ良いのですか、室温に近づくにつれ遅くなります。この為、設定温度は 室温より少なくとも 2〜3℃以上高くないとうまく設定出来ません。夏はクーラーは必須です。

測定例
 
 25℃30℃35℃40℃45℃50℃55℃60℃65℃備 考
TL431C2.508
 〜9V
2.509V2.509V2.509V2.509V2.509V 2.509V2.508
 〜9V
2.508Vシャント・
レギュレータ
ツェナー
     5V
4.708V4.702V4.696V4.691V4.685V 4.679V4.673V4.667V4.661V-1.2mV/℃
ダイオード
    IS1588
0.602V0.591V0.580V0.570V0.559V 0.549V0.538V0.528V0.517V-2.1mV/℃
金属皮膜抵抗
    2.4KΩ
2.420K2.419K2.419K2.418K2.418K 2.417K2.417K2.416K2.415K-52ppm/℃


 製作当時、水晶発振子・定電圧素子・ダイオード他色々測定したのですが、データを紛失してしまいまし たので再度少し測定してみました。測定電流は全て 1mAの定電流です。測定方法は 65℃で 15分程エージ ングを行い、その後 5℃づつ温度を下げて測定。
 抵抗は常温で 2.415KΩだったものが、エージング後は 2.420KΩと抵抗値が少し大きくなっています。
 TL431Cの特性を見ると、温度補償されたシャント・レギュレータはさすがという感じです。しかし同時に 5個購入した内の 1つは特性が良くありませんでした。使用時、指で握ってみて端子電圧が変わらないことを 確認して使うことが必要でしょう。
 ツェナーは 4mA程流せば端子電圧が 5Vになるのですが、小さな体で 65℃ 20mWはしのびなく 1mAで測定し ています。
 抵抗は測定する予定はなかったのですが、間違って測定してしまいデータが得られたので載せておきます。




 上図は手持ちの X'talをいくつか測定してみたものです。コンデンサは温度係数 0 のものを使用していま す。 8.000MHzの X'talは良好な温度特性を持っています。全部の X'talがこのような特性なら使い易い のですが。
 4.096MHzは下が温度係数 0 のコンデンサ、上が温度係数 -750PPMのコンデンサを使用した時の特性です。 温度係数 -750PPMのコンデンサでどの程度温度特性が改善されるか試してみたのですが、期待した程は改善 されません。コンデンサによる温度補償は無理なことが分かります。
 10MHzの X'talでは 26℃比最大で 160Hzも低下します。温度補償コンデンサを使用することにより、 4.096MHzの X'talよりは改善が見込めると思われますが、とてもじゃないが基準周波数としての用途には という特性です。

基準温度計
 当方では基準温度計として -20〜100℃のガラス棒温度計を使用しています。安価なものではありませんが 正確です。温度計の液溜まり部を漬けるだけで氷水の中で 0〜0.1℃、沸騰水の中で 99.6〜99.7℃を表示します。 沸騰水でも完全に 100℃にはならないと言いますのでこんなものでしょう。事務所や工場の非常電源始動 用のバッテリー、船舶の非常電源バッテリーの保守用だったと思います。安価なものの精度は分かりません。  (^^♪
 この基準温度計で校正した市販のデジタル温度計 (センサー部が引き出されているタイプ) も使用。



JUNE 1999

 



少し大きめ恒温槽




 100mm x 100mm程度の大きさの基板は測定可能なように製作。
 ケースは 100円ショップの発泡スチロールケースを使用。サイズは外形約 W 25.8 x D 18.8 x H 11.5cm。
 測定温度は 40℃までを想定していますが 45℃まで測定可能。
 安定時温度振幅は 0。15℃から 40℃まで誤差 0.1℃以下。
 コントローラは THERMO CONTROLERのコントローラを使用。
 冬期室温 13℃、16V 500mAで 35℃まで上昇するのに 30分かかります。


 "FET入力 OP-Amp の自作" や "FET Buffer" の製作で使用したもの。
 センサーには THERMO CONTROLER製作時購入した S8100Bを使用。内部温度測定に同時期に購入した LM35DZを使用しようとしたがどうもおかしい。1℃程度低く表示される。調べたところ LM35DZの問題。 確かスペックでは誤差 0.5℃だったと思うが・・・。常温で長期間保管しても特性が変わることは 考えにくい。工場出荷時全数は検査されていないのだろう。
 ついでに S8100Bも測定。こちらは温度係数 -8mVジャストで正確。日本製は律儀に出荷時全数検査して いるのでしょう。
 なお温度の測定は難しい。ICの足も同じ温度にしなければなりません。足の温度が 異なると測定結果はかなりずれてきます。これは常識ですね。このような常識も 知らずに温度係数がどうのこうのとネット等に発表してはなりません。メーカーには大変な迷惑です。 室温の測定やこのような恒温槽でなく、室温と異なる部位の温度を測定する場合は、測定部 以外の温度が ICチップに伝わりにくいようにICの足を短くし、最細のリード線 (さらにその芯線の 1本だけを ICの足に接続する等) を使用する注意が必要となります。

 秋月のキットを製作して誤差がどうのこうのと騒いではなりません。秋月のキットはオモチャです。 "FREQUENCY COUNTER" にも記載しているように、暖めてはならない (暖めても意味のない) 温度特性の X'talを ICソケットの中に入れるように設計してあるのですから (設計者が X'talの温度特性が一つ だけでないことを理解していない)。オモチャですから 100円ショップの中国製より精度は劣ります。 秋月のキットをオモチャから実用レベルのものに引き上げるためには、精度の高い部品 (例えば抵抗や コンデンサ) を別途購入して交換したり、少し改造する技術力が必要となります。この熱意や技術力の ない輩は秋月のキットに実用レベルの精度を求めてはなりません。100円ショップの中国製を購入した 方が時間も金も無駄にしないで済みます。


 発熱板 (放熱板) は 2枚使用。1枚では無理。

 難しいのはセンサーの設置場所です。温度特性を測定するものを置く場所に設置した場合、温度振幅が 大きく使いものになりません。発熱板から熱が伝わるのに時間がかかるためで、温度振幅は最大約 1℃に もなります。
 発熱素子の直近に設置した場合温度振幅はありませんが、温度特性を測定するものを置く場所の温度が 上昇するまで恐ろしく時間がかかります。また温度特性を測定するものを置く場所の温度は当然のことながら 発熱素子の直近より温度が低くなります。このためセンサーで検出した出力で単純に制御したのでは コントローラで自動制御出来なくなります。自動制御するためには 補償回路 が必要です。THERMO CONTROLERに手を加えたくないため補償回路を別途作成しています。反転回路を 使用しているため電源は±、抵抗値、特に反転回路の抵抗値は正確でなければなりません。 更に問題は温度によりこの温度傾斜が異なることです。 センサーを発熱素子の直近に設置した場合、例えば設定 25℃で温度特性を測定するものを置く場所の温度が 25℃になるように合わせても、設定 35℃では 35℃よりも低くなってしまいます。温度が高くなるほど ケースからのロスが大きくなるということでしょう。温度振幅が無く、使用温度範囲でフラットな特性が 得られる最良の設置場所を探さねばなりません。調整は TRラジオの調整のようなものです。ヒントは上に 書いてしまいました。と言っても今は TRラジオの調整もしたことがない (出来ない) 輩がほとんどか・・・。

 ケース内側にはアルミテープ貼り付け。
 ケース下側には更に厚さ 10mmの発泡スチロールを貼り付け。


 画像はどうするか思案中。発泡スチロールのケースの外側の画像を載せても仕方ない・・・。
 内部を写せばセンサーの設置場所を見られてしまう。センサーの設置場所が大体分かれば少し調整する ことにより、精度の高い恒温槽がバカでも出来てしまう・・・。




JAN 2009








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