注: 抵抗のカラーコードにはモザイクをかけています。 (^^♪
数ヶ月前ヤフオクに NS の FET Buffer LH0033 が出品されたことがあります。かなり電流を流している (20mA)
ようなのでどの程度の DC 安定度を持っているのか調べてやろうと入札したのですが、どこかのバカに取られてしまいました。
かなり入札があったようです。つまり 能力・技術力が無いため自分で作ることは出来ないが、
高域でも使用可能なハイインピーダンス入力素子が欲しいということです。そしてそういう輩がかなりあるということです。
当方が "FET入力 OP-Amp の自作"
に書いている、"高域で入力インピーダンスが低下しても FET 入力でなければならない" ということですね。
当方では Buffer どころか FET 入力のオペアンプを自作しています。(^^♪
FET 入力オペアンプと前後して FET Buffer も試作していましたので、周波数特性、DC 安定度等述べたいと
思う。
"AC DC CONVERTER" の2段目増幅部に FET による簡単なソースフォロワを使用していますが、
当初 FET Buffer の DC 安定度が良好であれば LM6364 と直結で使用しようと考えたものです。直結で使用が
可能であれば LM6364 の帰還抵抗も小さく出来るため、周波数レスポンスも素直なものとなります。
結果は・・・ダメでした。やはり Overall の NFB なしでは、ゲインが1以下でも 10μV 以下の DC 安定度を
得るのは難しい・・・。LH0033 でもオフセットの Average Temperature coefficient は 50μV/℃ですので
仕方ありません。だが周波数特性は良好(10MHz でも完全にフラット)ですので、当方のような
10μV 以下の DC 安定度などという極端なスペックを要求しなければ様々な用途 (例えば大きな容量の
つなげない回路の波形観測) に使用可能です。
構成は CAN タイプ高周波用 Dual FET によるソースフォロワ・定電流負荷とコンプリ TR です。
簡単な回路で良く知られいるものです。簡単なだけに DC安定度は動作点の設定、コンプリ TRの H
FEバランスに全て依存します。動作点の設定が全てを決定しますので、自分で抵抗値等を設計できない
輩には製作は無理です。
コンプリ TRのエミッタ抵抗は比較的大きめとしています。
コンプリ TRの HFEバランスは DC安定度を大きく左右しますので、ほぼ完全に
バランスの取れた石を選別しなければなりません。チップ上に生成するのであればいくらでも相補的な
素子を得ることは可能でしょうが、自作では個別の TRを選別するしかありません。
Yとか GR等のランクを合わせるのは "初歩のラジオ" レベルの話で、問題はその後です。当方では通常、
図の回路でコンプリ TRを選別しています。ほぼ完全に HFEバランスの取れた石では
出力点の電位はほぼ 0で、電流値を変えてもほとんど変動しません。 HFEバランスが
取れていなければ、出力点の電位が0にならないのは言うまでもなく、だらだらと上昇または下降します。
C945・A733コンビも試してみたいのですが、HFEバランスの取れた石を入手出来る
かどうか。

図の回路で選別した 2SC1815・2SA1015コンビの一例です。赤が 2SC1815GR 7D、青が 2SA1015GR 7C。
電圧は通常の 2Vでなく 15Vとしています。PNPは NPNに比べ Vsatが大きいので、2Vでは実際の使用の
参考となる結果は得られません。
コンプリ TRを熱結合するか否かを含め部品配置(特にダイオード)、基板パターンの作成の仕方、部品の
取り付け方は重要です。本器では何度基板を作り直したことか・・・、多分 5〜6回は作り直しています。
それ程 Overallの NFBなしで DC安定度を上げるのは難しい。周波数特性を良くするだけならバカでも
できるのですが・・・。
周波数特性は 10MHzまで完全にフラット (10MHz以上の安定なサイン波発振器を持っていない) です。FETの
入力容量は 5PF、また本 Bufferの挿入ロスは 0.187dBとなっています。
DC安定度は、安定するまで数分かかりますが、その後風の当たらないケース内では 4 1/2桁の DVMで
DC変動は全くと言ってよい程観測されません。入力抵抗 100Ω、負荷抵抗 2.4KΩ。安定するまで数分
かかるのは、CAN封入 FETや TRとダイオードの自己発熱の放熱状況が大きく異なるためです。このため
風が当たると出力端 DC電圧は変動します。DC安定度を求める場合は風の当たらないケースに入れなくては
なりません。
周囲温度を変えた場合、20℃ 0mV、25℃ -0.1mV、30℃ -0.1mV、35℃ -0.1mV、
40℃ 0mV、45℃ +0.1mVという値が得られています。15℃〜20℃の間は 0.3〜0.4mV程度の変動があります。
この原因については当方もまだ掴んでおりません。
後程 FM放送周波数帯域でも使用可能なこと確認しました。
簡単な回路ですから、DC安定度が悪くても良ければバカでも出来ます。一つ製作してみては如何でしょう。
DC安定度を見ることにより己の技術力が分かります。(^^♪ このように書かれたら
怖くて出来ないでしょうね。特に普段生意気なことを言ったり考えたりしている輩は。