4 1/2桁 D V M







当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。
この注意事項の記載が無いときに流用した者は、速やかに当方の許可を得るか、
該当 HP等を削除しなければなりません。










 ケースは TEISHIN TK-10B を使用。






 画像は改造前のもの。
 入力分圧部が少し異なっている。





回路図

 LED 表示の 4 1/2桁 D V Mです。CHARGERを作る前、主にバッテリーの充電進行状況確認のために作った ものです。4 1/2桁のテスターもありますが、LCD表示では離れたところから見ずらいですし、かといって ずっとテスターの前に座っていることも出来ません。これは又 CHARGERを作る時にも大いに役立ちました。 最大値保持回路の電圧降下状況やバッテリーの充電時の電圧変化の確認が他の事をしながら (横になった りしながら) スムースに行うことが出来ました。
 本器は妥協を排し、アマチュアレベルでは最高の安定度を狙って設計してあリます。電圧を測るのに電圧計 自体の表示が変わっては正しい測定は出来ません。

 二重積分型の D V Mを自作する場合、ネックになるのが誘電吸収の低い良好な積分コンデンサの入手と思わ れます。誘電吸収の大きいコンデンサではロールオーバー誤差が大きく、直線性も悪くなります。長年やっ ておりますので部品箱には色々なコンデンサが在りますが、どれももう一つということで探していたところ 、当地の部品屋で良さそうなポリプロピレンがあるのを見つけ、早速試してみたところ良好なため、 ちょっとサイズは大きいですが使用しました。
 二重積分型では、作りながら誘電吸収の大きさを確認してコンデンサを選択することが出来ます。 入力 (IN HI 、IN LO)を基準電圧に接続すると、0.9999とか表示されるので、これが 1に近いほど誘電吸収の低いコンデンサであるということが出来ます。 積分コンデンサの Outer rollは ICに接続します。これはオシロを 1mV位のレンジにしてコンデンサを接続し、 コンデンサを握った場合、コンデンサの Outer rollがオシロの GND側であれば、Inner rollが GND側の場合 よりハムが小さくなることから確認できます。同様にオートゼロコンデンサが Rollタイプであれば Inner rollを ICに接続します。

 基準電圧の分圧部は金属皮膜抵抗を用いるのはもちろんですが、温度安定度を考慮し半固定抵抗の抵抗値も 出来るだけ小さい物を使用します。これはアマチュアの特権といいますか、メーカー製品では各素子の誤差を 考慮して、各素子の値が最大にバラついた場合にも調整可能な値の半固定抵抗を用います。半固定抵抗の抵 抗値は小さい方が調整もクリティカルでなく簡単に出来ます。

 クロックは持っているものを最大限利用するということからこのようになってしまいました。D V Mには ちょっと贅沢過ぎますが・・・。部品を新たに購入するのであれば X'talでなくセラミックでも良いし、 一つで発振・分周可能な ICの方がスペース的に有利なのですが。

 電源の整流はおかしな使い方をしていますが、これは MI-15がいくつもあったため使ったものです。

 入力の分圧抵抗は、比較的良く使用する 1/10分圧の温度安定度を上げるため、10MΩと 1.11MΩの 1MΩは 同じ 1MΩを使用。100KΩも 1MΩとほぼ同じ温度係数のものを使用する必要があります。すべて金属皮膜抵抗を 使用していますが半田付けの熱には注意しなければなりません。金属皮膜抵抗も半田付けの熱には弱いようで、 折角完全に合わせても半田付けしてみたら大幅に(といっても最下位桁の話ですが)ずれていることがあります。 リード線の抵抗本体側をクリップ等で挟んで手早く半田付けするべきでしょう。

 尚、表示は0サブレスをかけています。

 ケースは本体が合成樹脂のため上蓋内側にアルミ箔を張リ、電源基板の上方に見える四角柱(硬めのスポンジ 状のもの)の上部にアルミ箔を張ってこのアルミ箔をシャーシーに落とし、上蓋をつけたとき上蓋内側のアル ミ箔と四角柱の上部のアルミ箔が接触するようにしています。

 校正は Ta 製の 4 1/2桁 LCDテスターに合わせました。このテスター高価なものですが、全く校正に出して いないため少しずれてきているかもしれません。そのうち懐に余裕が出来たら基準電源でもと考えています。


MAY 1999

 




入力分圧抵抗の温度係数

 入力分圧抵抗の温度係数はほぼ同じでなければなりません。温度係数が異なると気温や発熱による ケース内温度の変化により分圧比はずれてきます。なお文中の温度係数は、測定時間を短くするため 温度範囲を 20℃〜60℃としているので、温度係数が小さい場合少し誤差がある可能性があります。
 ※温度係数を測定するためには、0.1mV精度で安定に出力可能な基準電圧源、定電流回路、恒温槽、 最低でも 0.1mVを安定に測定可能な VMが必要です。例えば 100KΩで温度係数 15PPMの抵抗を 0.01mAで測定した場合、温度を 40℃変化させても端子電圧の変化は 0.6mVしかないからです。 0.1mV精度で安定に出力可能な基準電圧源というとそれほど難しくはないのではないか、とも思えますが それがなかなか・・・。

 図で R1は 1MΩ、R2は 100KΩ。入力電圧は 15V、出力はオフセット調整した LF411Cのバッファで 受けています。
 R1に温度係数実測約 +20PPM、R2に実測約 +15PPMの金被を使用した場合、温度を 20℃から 60℃まで 変えると出力電圧は 0.4〜0.5mV低下します。出力電圧が低下するのは R1の温度係数が R2よりも少し 大きいためで、温度係数が同じであれば温度を変えても出力電圧は変わりません。なお金被の温度 係数は +100PPMから -100PPMまで様々であり、単純に金被を使用してもこのように温度係数の近い組み合わせ が得られるというものではありません。金被を使用したから温度安定度は良い(はず)、と考えるのは 間違いです。

 皆さんの大好きなカーボンではどうでしょう。R2の温度係数は実測約 -350PPMのものを使用しました が、R1は面倒なため測定しておりません。温度を 25℃から 60℃まで変えると出力電圧は 11.0mV上昇 します。これは R1の温度係数が -350PPMよりマイナス方向に大きいことを意味します。これでは折角 昨日合わせたのに今日は少しずれているということになるかもしれません。 まあこれでもほとんどの アマチュアには十分か・・・、もともと大したものは作れないんだし・・・。 (^^♪

 金被で 10MΩなどという抵抗値のものが入手しずらいためか、R1に比較的温度係数の小さなカーボン、 R2に金被を使用しているテスターもあります。日本の中堅メーカーの中級品で中国製ではありません。 現物の R1を確認しましたが、金被ほど温度係数の小さいカーボンは入手できないようで分圧比の温度特性 は良くないようです。
 基板から外した R1は 10MΩ (抵抗値は正確、温度係数約 -250PPM)、R2は金被 1.11MΩ (温度係数約 -20PPM)。入力電圧 15V、出力はオフセット調整した LF411Cのバッファで受けています。
 温度を 20℃から 60℃まで変えると出力電圧は 11.7mV上昇します。1/10分圧ですから 表示は 10倍となり 117mV高く表示されることになります。15.000Vが 15.117V (15.00Vが 15.12V) と表示 されるということです。特別な 環境でなければ 40℃の温度差というのはあまりないでしょうが悪過ぎです。R2もカーボンを使用した場合 とほとんど変わらないではないか!。1/100分圧用の R2 (101KΩ) は温度係数 -100PPMのため 1/10よりは 少し良好です。いい加減ですね。1.11MΩも温度係数 -100PPMのものを使えば良いものを・・・、まあ金被 は 0.5%品が容易に入手可能で無調整でいけるため使用しているのでしょう。中級品は中級品なりの精度を 持っていれば良いのだ、精度の高いものが欲しければ高級品を買ってくれということですね。
 なおこのテスターは当方で使用しているものではありません。

 本器では R1は 1MΩ x10、R2は 同じ1MΩを使用し、温度を 20℃から 60℃まで変えても出力電圧の変動は 0.1〜0.2mVとなっています。1/100レンジでも 1MΩとほぼ同じ温度係数の 100KΩを使用して同様の温度 特性を得ています。


24th Jan 2009








作品の部屋に戻る