YAMAHA CA-X11




当方の作品は全てオリジナルです。他人の作品の猿真似は一切しておりません。
イエローモンキー、エテ公とは言われたくありませんから。
従って当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。
この注意事項の記載が無いときに流用した者は、速やかに当方の許可を得るか、
該当 HP等を削除しなければなりません。






 先日ポピュラーでない OP Amp だったか IC のデータシートを検索中に、どこかの 掲示板に飛ばされました。そのトップに、機種名の記載があったかどうかは忘れましたが、 バリバリ雑音が出る古いアンプを修理する方法を教えて欲しいとの書き込みがありました。 回答は1件も無かったようです。当然ですね。まともに修理出来る人など殆どいない のですから。メーカーのサービスでは掲示板など見ることはまず無いでしょうが、もし 見たとしても修理方法を教えることはありません。ロハで教えたのでは金にならない からです。またそんな古い機種では、もういい加減に買い換えてくれよというところ でしょう。

 そういえば当方の CA-X11 も PHONO 時、たまにバリッが出たなあと久しぶりに電源を 入れてみたものです。

 三十数年前購入(当然新品)したものですが、使用時間は少なく、ここ十年位殆ど電源を 入れることもありませんでした。音質は歪感の少ないさわやかなもので、ヤマハが 上級機との差はパワーだけと宣伝していたのもあながち・・・というものです。

注意

 TR のピン配置が違うものがあるのは常識です。TR を交換する場合には規格表を調べ、 なお且つテスター等で確認して、ピン配置が同じかどうか細心の注意を払わねばなりません。 間違って取り付ければ、異常の無い TR や部品を壊すことにもつながります。基礎的な 知識の無い輩は既製品の内部に手を出すべきではありません。





 久しぶりに電源を入れた結果はひどいものでした。TUNER・AUX 入力をダイレクトに メインアンプに入れた場合は良いのですが、プリアンプを通すと LEFT 側はバリッバリッ。 PHONO ではLEFT・RIGHT ともどう書いたら良いか・・・。試験用にカーステレオ用の ボロスピーカーを繋いでいたのですが、VR を上げるとあっけなくボイスコイルが切れて しまいました。まともなスピーカーを繋いではいけません。

修理



 結果を簡単に書くと TR を交換しなければなりません。プリアンプ段の 3石は全て、 PHONO 段は 1石交換が必要です(/Channel)。使用されている 2SA847 と 2SC1708 は 劣化しています。製造ロットによるものかどうか分かりませんが、使用電圧は VCEO・ VCBO に比し十分に余裕があり、決して無理な使用方法がされているわけでは ありません。 2SA847 は 2SA872 に、2SC1708 は 2SC1775 が良いでしょう。 2SA872 はサトー電気で \105/@、2SC1775 は \84/@ で入手することができます。 古い機種ですので TR と言えどもヤマハのサービスで入手可能かどうかは分かりません。
 プリアンプ段の 2SA847 は差動回路を形成していますので、6ケ購入した 2SA872 の hfe を 測定しバランスのとれたものを2石ずつペアーとして左右チャンネルに使用します。
 これでバリッバリッは無くなるはずです。

 電源部にも 2SA847 が 1石使用されています。こちらは劣化していないと思いますが、 交換しておいても良いでしょう。
 足が真っ黒に酸化するタイプの TR が使用されていますので、ついでに全ての TR を外し 足をシンナーで拭き、足の間のモールドに付いた汚れを取り除きます。

 電解コンは三十数年経っても容量低下が無く ESR の小さい良質なものが使用されています。 明らかに電解液が漏れているもの以外交換しない方が良いでしょう。同じものを求めるとすれば かなり高価になるでしょうし、購入自体通常難しい。一例として 470μ 50V の測定結果を 上げると、実測容量 579μ、ESR 0.051Ω(1KHz 10mA) で当方が所持している良質なものより 更に ESR が小さい。

 パワー段のレベル差を測定したところ、片側が 1 に対し片側が 0.97 程度の差があり、電源を 入れてすぐだと出力レベルが段々と上昇し、測定できるようになるまでかなりの時間を要します。 カーボン抵抗を使用しているため、帰還抵抗 33KΩ と 530Ω (560Ω//10KΩ) の抵抗値が 内部温度上昇によりかなり変わってくるのです。温度係数が同じとすれば 530Ω (560Ω//10KΩ) の抵抗値変化は 33KΩ の抵抗値変化に対し 63 倍以上の影響を与えることになります。 530Ω (560Ω//10KΩ) だけでも金属皮膜に変えたほうが良いでしょう。レベル差もほとんど 無くなり、電源を入れてすぐにでも測定出来るほど安定します。

歪率
 10KHz での歪率 (MAIN DIRECT ON) を測定してみました。
 LEFT 1W 0.005%、 10W 0.0036%
 RIGHT 1W 0.0055%、 10W 0.0046%
 1KHz でもほとんど変わらない。

 良く出来たアンプです。
 アマチュアレベルでこれだけの特性を実現するのは難しい。かなりの技術力が無ければまず 不可能でしょう。下らないオモチャアンプを作るよりメーカー製を買った方が宜しい。尤も、 メーカー製でもどうしようもないもの、古くなると初期の特性が発揮出来ないものもありますが。

 歪率を利用した音作りがされているようです。当然のことですが、歪率を利用した音作りを するためには歪率を自由に操作する技術力が無ければなりません。また音作りをする前の歪率も 十分に低くなければなりません。比較的簡単な回路構成 (裸ゲインの低い回路) で低歪を実現する のは大変なことです。
 極端に歪率の低いアンプ (例えば当方の低歪率メインアンプ) では音がおとなしく、ソースや 環境によってはあたかも高域が出ていないような印象を与えます。そのため、(メーカーのテスト環境で) 自然に聞こえるように、歪率や出力インピーダンスを操作した音作りがされているのです。
 こういうことを知れば技術力の無い大多数の輩 (おそらく 99.9% 以上) でまともな人は下らない オモチャアンプを作るのが嫌になるでしょうね。






- 22nd Mar 2008 -







既製品修理に戻る

趣味の小部屋に戻る

トップページ