18V ±トラッキング電源





当方の HP の内容を流用して雑誌やインターネットに発表しようとするときは、
当方の許可を得るとともに出所を明らかにしなければなりません。
この注意事項の記載が無いときに流用した者は、速やかに当方の許可を得るか、
該当 HP等を削除しなければなりません。




 自作品が、当方の定電圧電源より安定度・電圧変動率・ノイズ・操作性等優れて いると思われる方は、配送料当方負担でお送り下さい。測定して当サイトに発表させていただきます。 当方の定電圧電源より性能が劣っていた場合は、往復の配送料を負担していただきます。なお当方のページを 参考にして製作した作品はダメです。

 本電源ははテスターとともに最も使用頻度の高い機器です。メーカー製品にも劣らない(以上の) 性能を持っています。出力電圧の安定度は抜群で、例えば出力電圧を±15.00Vに設定すれば、1時間経とうが 1日経とうが±15.00Vのままです。使用中に出力電圧が変わってしまう定電圧電源、そんな物は定電圧電源 ではありません。子供のオモチャです。また負荷特性も抜群で、1Aの負荷をとっても出力端子内側の電圧は 無負荷時と変わりません。
 また電流計を接続しなくとも、1mAオーダーまで±の電流が瞬時に読み取れるのも 特筆すべき点で、カットアンドトライを繰り返す者にとって極めて便利です。機器を設計時に想定した 性能まで持っていくには、カットアンドトライは欠かせないというかカットアンドトライが全てだからです。 電流計の代わりをするテスターが何台もあれば良かろうというほど単純なものではありません。当方も テスターは高価な1台を含めデジタル表示を 4台、FET入力のアナログタイプを 1台所有しています。 しかし考えてもみてください。テスターのリードは片側約1メートル往復2メートルもあるのです。 接続には更にクリップコード等が必要でしょう。こんな長さのコードが電源と機器との間に入れば、場合に よっては機器の動作が不安定になることもあります。また機器の正しい特性が実験時に分からない場合も あります。
 シャットダウン機能も極めて有用で、この機能により接続のミスや部品の事故が大きな事故につながる のから何度か救われています。設定した電流値から僅かでもオーバーすれば、プラス側マイナス側とも瞬時に シャットダウンします。










 ケースは タカチ SL115-16-23SS を使用。
 放熱の為、天板をスペーサーで 5mm 程上げている。






 天板を外したところ。




 右側板を外したところ。




 左側板を外したところ。



 SHUT DOWN CURRENT を任意に設定出来る ±トラッキング電源です。実験・製作をしていますと、細心の 注意を払って配線等したにもかかわらず、どこか間違っていることがあります。TR や IC をとばさない ような間違いなら良いのですが、私の場合 DC アンプ片チャンネルの TR を殆ど飛ばしてしまった経験が 一度あります。そこまでいかないまでも TR から煙が出たことが 2回、IC のモールドが飛んだことが 2回、 電流が流れすぎていたことは何度かあります。本電源は、異常がなければ流れてもこの位という値に SHUT DOWN CURRENT を設定しておけば、それ以上流れた場合瞬時に SHUT DOWN しますので、ほぼ完全に 機器を守ることが出来ます。例えば SHUT DOWN CURRENT を 50mA に設定しておけば、51mA 流れても瞬時に SHUT DOWN します。一度ある機器の通電テスト中に急に SHUT DOWN したので調べてみると、使っていた タンタルコンデンサがショートしていたことがありました。
 本器の構成は、高安定なトラッキング電源部と負荷電流検出部、LED 表示の電圧計からなっています。


トラッキング電源部

回路図

 IC1〜IC3 は安価な LM324 を使用しています。IC2・IC3 は OP Amp 2個づつしか使用していないので LM358でも良いのですが、ピンの配置が使いやすいため敢えて LM324 を使用しています。本器の最大出力 電圧は、OP Amp 入力が 0〜2.45V で、出力電圧の 1/8 を比較入力に加えているため ±19.6V となって います。TL-431で安定化された電圧を抵抗で分圧し VR の可変範囲を変えると、抵抗と VR の温度係数が 異なるため電圧安定度が著しく悪くなります。使用中に出力電圧が変わってきて、TL-431 を使っているのに 何故?ということになります。最大出力電圧を希望する値にしたい場合は出力電圧の分圧比を変えるべきです。 出力電圧の分圧は同じ抵抗を8本使用しています。このようにすることにより使用中抵抗が発熱しても、 温度係数が8本とも全て同じであるため分圧比は変わりません。これを 例えば 7K と 1K の2本の抵抗 で節約すると、温度係数が異なるため出力電圧の安定度が悪くなります。この抵抗は金属被膜抵抗を使用して いますが炭素皮膜抵抗でも良いと思われます。本器では更に定電流回路で、出力電圧にかかわらず無負荷時に も約 11mA の電流を流し、電圧変動率の向上を図っています。動作確認の意味も込め、この電流を電流検出 抵抗の負荷側からとっているため、内臓電流計は無負荷時にも 12〜13mA の値を示していますが、出力 TR 側 から取ることにより内臓電流計の指示は分圧抵抗に流れる電流のみとすることが出来ます。電圧調整 VR は 通信機用を使用しています。
 +側は説明の必要はないと思います。IC2 は +27V の単電源で使用しています。
 −側は 3/4 IC1 によるバッファの後 4/4 IC1 で極性反転しています。反転入力に 1M を介して電圧を加え ることにより、OP Amp のオフセットをキャンセルしています。1/4 IC1・2/4 IC1 は定電流用のバッファ及び 極性反転です。IC1 は電源電圧±8V の両電源動作です。IC3 は+3V・−27V の変則両電源動作です。 −27Vの単電源では当然のことながら 0V から動作しません。このツェナーの使い方は色々考えた末に 思いついたものですが、我ながら素晴らしいと自画自賛しています。もっとも私の知らないところで既にこの ような使い方がされているかも知れませんが。2SC1627-O 及び 2SA1015-Y は SHUT DOWN 制御用です。出力 分圧抵抗は配線による電圧変動率の悪化を避けるため出力ターミナルに配線します。
 電源トランスは、以前不燃物収集の日に拾ってきたステレオの中に入っていたもので容量 69VA です。ノイズ ・ハムは 0〜±18V 出力電流 2A において、オシロ 1mV レンジでも全く観測されずきれいな直線です。 なお連続して低い出力電圧で使用する場合は最大出力電流は小さくなります。


負荷電流検出部

回路図

 電流検出は+側−側共 OP07CP x3 を用いた差動増幅回路です。+側 OP07CP x3 は +27V・−5V、−側 OP 07CP x3 は −27V・+5V の変則両電源動作としています。この回路で重要なのは差動回路の抵抗のバランス です。直流電位差の検出では、差動回路にごく僅かでも利得を持たせると安定度が著しく悪くなります。 従って差動回路 OP Amp の+入力の接地抵抗を除く 3本の抵抗は、4 1/2 桁のテスターで最下位桁迄合わせる 必要があります。当方では100 本入りの金属皮膜抵抗一袋を購入しセレクトして使っています。OP Amp +入力の接地抵抗のみ数10Ω低い値を使用し半固定抵抗でバランスを取った後、固定抵抗に置き換えています。 この程度バランスを取らないと、直流電流の検出には十分の安定度を得ることが出来ません。
 電流検出抵抗には 0.1Ω 20W の巻線抵抗を用いています。これでも負荷電流が大きいと発熱により抵抗値が 変わってきますが、アマチュアレベルでは温度係数の小さい特殊な抵抗の入手は難しく、我慢するしかありま せん。尚、差動増幅回路のバッファで 20dB の利得を得ていますので、a mA の電流で a mV が出力されます。
、SHUTDOWN は+側−側とも検出しています。従ってどちらの負荷電流が設定値を超えても、+側−側同時にSHUT DOWN します。
 4/6 74HC14 はリセット、5/6・6/6 74HC14 は電源 ON 時のリセット動作に用いています。


LED 表示部

回路図

 ICL7137CPL を用いた 3 1/2 桁電圧計です。スィッチの切換えにより±出力電圧、±負荷電流、SHUT DOWN CURRENT を表示します。このスィッチは切換タイミングがショーティングのものは使えません。ノンショー ティングものを使うか、5 接点のものを使い 1 つ接点を空ける必要があります。
 入力電圧が変わらないのに表示が変わる、というあってはならないことを避けるため、当然のことながら 外部基準電源を使用しています。
 SC17660C は−電圧発生用です。
 電源電圧はトランスの巻線の都合上 16V で、その為三端子レギュレータを2段重ねとしています。


 5〜6年前に製作したものと思います。

MAY 1999



参考
 330x165x30mm の放熱器に電力用 TR が 4個付いたものです。OP Amp 1つで 10A 程度の定電流負荷を簡単 に作ることが出来ます。直流電源装置の負荷特性の測定には必須ですので、ジャンク屋で見かけたら買って おいた方が良いでしょう。




修理
 自作した機器はほとんど故障することがないため修理は想定していませんでしたが、修理する羽目になって しまいました。+側の電流値の表示が目茶苦茶。出力電圧調整ボリュームを完全に絞っても+側の出力電圧が 約4Vでている。−側は異常ない。この現象を全く別の原因と考え、まずはトラッキング電源側から修理開始。 出力電圧調整ボリュームを完全に絞っても電圧がでるような場合、まず誰でも考えるのが発振。 オシロで+側をすべてあたっても発振していない。うーん。オペアンプを交換するも変わらず。オペアンプを 交換する際、電源を切り忘れ1つダメにしてしまいました。次に考えられるのはドライブ段・出力段の トランジスタの劣化による洩れ。ドライブ段はコレクタ・エミッタ間の抵抗値が無限大ではなかったため交換。 変わらず。あとは出力段のみ。出力段のトランジスタを苦労して交換したものの変わらず。ここまで約半日。

 もうトラッキング電源側で確認するところはありません。ここでふと思いつきました。電流検出部のオペアンプを トラッキング電源部の電流検出抵抗に接続しているので、この電圧はもしかしたら電流検出部からきているのでは ないか。それしか考えられない。そこで電流検出部との接続を外し、電流検出部のオペアンプの入力は抵抗で アースに落としてみると、トラッキング電源部はばっちりOKとなりました。この状態で電流検出部のオペアンプの 入力は約12Vと15Vの電圧が出ておりました。何とまあ恐ろしい。何もつないでいないオペアンプの入力にこんな 高い直流電圧が出ているとは・・・。差動増幅回路のバッファのオペアンプ2個を交換し修理完了。ついでに オペアンプ保護のためそれぞれ抵抗を入れておきました。

 電流検出部から修理を始めればこんなに苦労しなくとも済んだものを・・・。しかしオペアンプも破壊されると こんな状態になるんですね。電流ドライブアンプの電源部を接続したまま(もちろん電源は入れていない)、 調整のためトラッキング電源を接続して、電源スイッチのオン・オフを繰り返したのが良くなかったようです。 電流ドライブアンプの電源部には10000μという電解コンデンサを付けておりますので、突入電流のために やられたのかも知れません。

 修理ではありませんが、ついでにLED表示部のICL7137CPLの入力部に2.5Vの保護回路追加。1MΩの抵抗が入って おりますので20Vがかかっても電流は最大でも20μAであり、絶対最大定格の100μAには余裕がありますが、 スイッチの切り替えミスにより、時々2V入力に20V近い電圧が加わるのはやはり精神衛生上良くありません。 このためICL7137CPLのIN LOをCOMMと接続するのを止めGNDに接続するようにしました。機器の中に同居させる場合 IN LOはGNDに接続した方が安定度が良いようです。
 保護回路のV+、IN LOのGNDの接続先は常識的に重要です。
 秋月電子から付いてくるデータシートは、日本語に翻訳した中にところどころ原文が混じっていたりで 分かりづらくていけません。原文で良いからそのままコピーして送って欲しいものです。もっともネットで 捜そうとしない当方も横着ですが・・・。

31st JAN 2007



200mA ±トラッキング電源

ケースはテイシン TE316。
13.5V は後から追加したため表示はされていない。
当方の製作したものは神々しくさえ感じるほど美しい。
そのように見えない人は?
正直でないか心が捻じ曲がっているかのどちらかです。

回路図

 オペアンプのオフセット測定や簡単なバラックでのテストに、本ページのトラッキング電源は重くて大変です。 小電流用途に簡単な 200mA のトラッキング電源も用意してあります。簡単なと言っても三端子レギュレータは、 正出力のものはまあまあとして負出力のものはいけません。出力波形をオシロで見たことのある方はご存知の こととと思います。正電圧も無しで良好な特性を得るのは難しいのでしょう。本器では三菱のトラッキング 電源 IC M5230L を使用しています。M5230L はトラッキング電源 IC であり正負両電源が入力されますので、 出力波形は三端子レギュレータとは比べものにならず良好です。オシロ 1mV レンジでノイズは全く観測され ません。回路は出力電圧設定部を除き、ほぼデータシートの応用回路例のままです。出力は 5V、8V、13.5V、15V を ロータリースイッチで切り替えています。電源トランスに余裕のあるものを用い、制御 TR の放熱を十分に行う ことにより 2A 程度の出力は可能ですが、そこまでするなら誤差増幅器を使って一から製作したほうが良い。 無負荷時消費電力 1.6W。
 基板は 1.6t 35μガラエポ。良好な特性とするために基板パターンは重要です。パターンの作り方は自分自身で 苦労して会得しなければなりません。

 




0〜5V 10A CV電源、10A CC負荷装置





 電力用 TRの HFE特性や、抵抗の自己発熱による抵抗値変化測定のため昔製作したもの。
 今回不要な機能を取っ払ったためツマミの付いていない切り替えスイッチやボリュームが・・・。

 mVオーダーで高安定、低負荷変動率。

 例えば出力電圧を 5.000Vに設定すれば、数時間経過しても出力電圧は 5.000Vのまま変わりません。18V ±トラッキング電源でも書きましたが、使用中に出力電圧が変わってしまう電源、そんなものは定電圧電源では ありません。定電圧電源ではなくお子様のオモチャです。定電圧の定は一定の定を意味しています。
 4Aの負荷をかけても出力電圧の低下は僅か 1mV (即ち 5.000Vが 4.999V) です。これは出力端子外側での 値ですので、出力端子内側では電圧低下はゼロと言って良いでしょう。なぜ 4Aかというと内臓 負荷装置の電流計が 4Aだからで他意はありません。通常 4A以上で使用することはないため内臓電流計を つないであります。内臓負荷装置を 4A以上で使用する場合は内臓電流計の分流器 (Shunt抵抗) にジャンパーを かけるか、分流器の手前から取り出します。メーカー製の分流器はどのような抵抗を使用しているか分からない からです。 負荷変動率の悪い電源は定電圧電源ではありません。定電圧電源ではなくお子様のオモチャです。定電圧の 定は一定の定を意味します。いつまで経ってもお子様のオモチャしか作れない輩はこの世界から足を洗い ましょうね。

 出力電圧の安定度は使用する基準電圧素子や誤差増幅器の特性、分圧抵抗等に依存します。
 負荷変動率は配線テクニックに依存します。従って負荷変動率を良くするために金はかかりません。 "それ程負荷変動率の良好なものは必要ない" と言ってごまかす輩は、配線テクニックが未熟で電子回路の 動作を良く理解していないことを認識しなければなりません。負荷変動率を良くするために金はかからない のですから。

 2A以上の出力には外部トランスと整流回路を使用します。外部トランスは定格 25Aで 7V、9V、11Vのタップ があり、必要とする電圧によりタップを変えることで制御 TRの損失を少なくすることが出来ます。他にも 24V、 26V 7Aを含め 4巻線があります。整流ダイオードはS01C x2、S02C x2で大型の放熱器に取り付けています。

 出力電圧 0〜2.5Vと 0〜5Vをスイッチで切り換えています。

 内臓負荷装置の制御 TRは定電圧電源と同様、2N3055を 2本パラで使用しています。従って低電圧では 20A 程度までいける計算ですが、配線の線材が 0.75muのため 10A程度と考えています。蛇足ですが、当方は 1.25muはあまり好きではありません。0.75muの比較的被覆の薄いものが好きで良く使用します。
 電流検出抵抗は 0.1Ω 50Wのメタルクラッドを使用して、自己発熱に対し十分な安定度を得ています。10A でも損失 10W、通常 4A程度までの使用ですので十分なものでしょう。

 冒頭に書いた、電力用 TRの HFE特性や抵抗の自己発熱による抵抗値変化測定の他、 TRや FETの Vsat測定、スイッチング電源の負荷変動率・効率測定等々様々な用途に 使用できます。

 一例として NECのノート用 ACアダプター ADP-50MBの測定例。定格 19V 2.64A。
 無負荷時出力電圧 19.285V、消費電力 1.0W。
 2.6A出力時出力電圧 19.088V、消費電力 56.2W、効率 88.3%。

 このような特性もいとも簡単に取れてしまいます。ただ当方の製作したものと違い、出力電圧・消費電力とも 落ち着くまで少し時間がかかります。負荷変動率に関しては出力コードがどの程度の抵抗を持っているか分から ないので何とも言えません。

福島双葉エミッタ抵抗
 オーディオアンプ終段 TRのエミッタ抵抗用として販売されていることもあり、良かろうとは思うものの どのような特性を持っているか情報を持っている人は少ないのではないでしょうか。インダクタンスはほぼ 0なのか、温度係数はどの程度なのか・・・。自己発熱による抵抗値の変化を測定してみました。
 0.47Ω 2Wで MPC78との表示があります。0.22Ω 2Wの MPC70も簡単に測定。
 許容損失 2Wのため損失 1Wとなるよう電流値を調整。
 室温約 13℃で実測約 0.486Ωが、1Wの損失をかけると数分後約 0.491Ωに上昇します。比較的大きな+の 温度係数を持っているようです。MPC70も+の温度係数ですがこちらはごく小さい。MPC78と MPC70の違いは 温度係数なのかどうか。+の温度係数はケース内温度 (周囲温度) の上昇による終段 TRの電流増加を抑制 するように働きます。
 雑誌の製作記事などでは周囲温度の変化に対応できていませんが (対応しているような記述があっても 回路の一部であって、セットとしては対応できていない)、メーカー製品のように周囲温度の変化に対応して いる場合には、抵抗が異なると周囲温度により動作点が変わることになります。

 








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